戌の章3 最強魔法少女タトーと戌のブラックドッグ(リベンジ)

 牢獄から出されてから一時間後。

 カフウ城一階。

 タトーは、もう一度戌の試練に挑むことになった。

「うーむ」

 今日は、カフウ女王が観客として椅子に座っている。

 ロングヘアーと白いドレスと爆乳のブラックドッグの女王である。

 二度目の戌の試練のルールはこれだ。

 ヘキを殺さずに、十二器の焔獄ノ双犬を奪えば試練はクリアである。

 もし、試練をクリアすれば釈放。

 失敗すれば、懲役が一年延長する。

「オレの十二器は、再びあんたと戦えることを待ってたよ」

「また、殴ってこいにゃん! 」

 ソツもヘキも準備が出来ている。

 しかし、タトーの準備はこれからのようだ。

「準備は、出来ているか? 」

「ちょっと、待ってて! 」

 タトーは、亥の試練を攻略した後に手に入れた魔法を使おうとしている。

 左手で袖ごとフードを握り締めて呪文を叫んだ。

「モード『ワイルドボー! 』」

 すると、振り袖付きのパーカーのデザインが猫から猪に変化。

「おお! 」

「うにゃあ! 」

 ソツとヘキは、タトーの魔法を見て目をそらすことすら出来ないくらいに驚いている。

「亥の試練を攻略したのだな」

「さすがだにゃん! 」

「ありがとう。二人共」

「では、試練を開始しよう」

「うむ! 」

 二度目の戌の試練が始まった。

 最初に動いたのは、タトー。

亥突猛進いとつもうしん! 」

「うにゃあ! 」

 ヘキは、タトーを追いかけた。

 しかし、タトーの脚力はヘキを超えている。

「亥突猛進! 」

「ううん! 」

 タトーは、あっという間にソツの目の前にやって来た。

 しかし、ソツはすぐ姿を消した。

 そして、炎とともにヘキの目の前に現れる。

「焔獄戌ノ霊体移動。ただいま、ヘキ! 」

「おかえりにゃん、ソツ! 」

 しかし、タトーは直ぐには諦めなかった。

 彼女は両手でチョキを作って腕交差する。

時空じくう蕎麦そば! 」

「ううん? 」

 ソツは自分の手を見た。

 焔獄ノ双犬が二丁全て無くなっている。

 すると、カフウ女王がタトーに指を差す。

「ううん? 退いてくれ、ヘキ! 」

「はいにゃ! 」

 ヘキは、ソツの後ろに移動した。

「ふふん! 」

 何と、タトーの手には焔獄ノ双犬があった。

 どうやら、ヘキと話している間に銃を奪われたらしい。

「よし、試練は合格だ! その十二器は、あんたの物である!」

「ありがとう、ソツ! 」

 タトーは、服を脱いで全裸になった。

 そして、焔獄ノ双犬に抱きついて胸の中に吸収する。

「よし、吸収完了! 」

 その後、タトーは服を着て左手を後ろに大きく振った。

亜空間屋敷あくうかんやしき! 」

 黒い扉を開けて中に入った。

 そして、次の朱雀の山に向けて計画を考えたのである。

 十二器制覇まで、後十器。

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