序章3 最強魔法少女タトーの修行

 ビガ城五階の王座の前。

 強い風びゅうびゅうと打ちつける窓の下。

 ビガ女王三世の前で、タトーが頭を下げていた。

「タトー殿。よくぞ、ヒュウラン国から来てくれた」

「はは! 」

 ビガ女王三世は、エルフの女王である。

 黄緑ロングヘアーと爆乳、白い王冠と白いドレスをした女王だ。

「ヒュウラン国を滅ぼしたのだな。お礼品を渡そう」

「ビガ王様。それは、勘違いです」

「ううん? 」

「わたしは、人間を全て滅ぼしてはいません。国境の外にいる人間だけを滅しました」

「そうか、まあいい。例の品を渡そう。ソイ秘書たのだ! 」

「はは! 」

 金髪のポニーテールの秘書が、赤い木の箱から大きな袋と白い紙を取り出した。

「タトー殿。この紙を読んでくれ」

「はい! 」

 タトーは、白い紙を広げた。

 そこには、十二体のモンスターの名前が書かれている。

 一番下から、亥のオークのボタン。

 戌のブラックドッグのソツ。

 酉の朱雀。

 申の悟りのトヨカワ。

 未のパーンのモキ。

 午のプーカのブラッサム。

 巳の玄武。

 辰の青龍。

 卯のアルミラージのアルジロウ。

 寅の白虎。

 丑のミノタウロスのラクト。

 一番上が、子の火鼠のカカだ。

「タトー殿。お主は、魔王の部下を目指すといい。さすれば、ヒュウラン国の人間はお主を使え前に行くことは無いだろう。その前に、その紙書かれているもの達と戦ってくれ。お主の強き力をコントロールする修行になるはずだ」

「あ、ありがとうございます! 」

「では、褒美の金貨一万枚を渡そう」

「はい! 」

 タトーは、金貨一万枚とビガ女王の依頼書をもらった。

 

 昼食後。

 タトーは、ルコラの家で荷作りをしていた。

「タトーさん。もう行っちゃうの? 」

「うん! 」

 パセリはルコラと手を繋ぎながら、タトーを心配そうに見つめている。

「また会える? 」

「ううん。長い旅なるわ。もう会えないかも」

 パセリは心配そうに話すが、タトーは首を横に振った。

「馬車を使おう! ノザワ父さんなら、連れてってくれるよ! 」

「ううん」

 タトーは、パセリの最後の心配対しても首を横に振った。

 すると、タトーは左手を広げて大きく後ろに振る。

 そして、呪文叫ぶ。

亜空間屋敷あくうかんやしき! 」

 すると、黒い扉が出現。

 タトーは、左手でドアノブをガチャッと開けた。

「この部屋は、知っている所ならどこでも行けるの。知らないところは、自分の足で見つけるしかないけれど」

「すごーい、タトーさん! これなら、パセリといつでも会えるね! 」

「しまった! 」

 『会えない』と言ってしまったタトー。

 魔法を見せたことで、会えないことが嘘になってしまった。

 一応言っておくが、エイプリルフールは昨日である。

「うーん…………とにかく、行ってきます! 」

「いってらっしゃーい!! 」

 パセリとルコラは、手を振りながらタトーを見送った。

 


 



 

 


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