序章2 最強魔法少女タトーとエルフの家族

 ビガ国の夜の城下町。

 青い木々がザワザワと揺れる並木道の奥。

 黄色い三角屋根の家に、タトーとエルフの家族がいた。

 エルフの幼女のパセリによると、生き残った十体のエルフはリーフ家の家族らしい。

「ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! 」

「ほほ、わたしのそんなパンチしたいんだねぇ! 」

「だって、ママより大きいもん。いっぱい叩きたい! 」

 パセリの母親がリビングに来るまでの間、タトーはワイシャツを見せた状態でおっぱいを何度もパンチされていた。

「ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ! ていっ!…………ううん? 」

 すると、台所の方からパセリの母親が四角いお盆を二つ持ってやって来た。

 そのお盆には、野菜スープような料理が十一杯ある。

 パセリの母親は、木目のテーブルの周りに一杯ずつ野菜スープような料理を置く。

「ホレン! コマナ! ミズナ! パクチィ! ミント! モロヘヤ! ツルムラ! ノザワ父さん! パセリ! タトーさん! そろそろ夕食よ! 」

「はーい!!!!!!!! 」

「パセリも行こうか! 」

「うん! 」

 タトーと十体のエルフは、木目のテーブルに周りに座った。

「ううん? 」

「いただきまーす!!!!!!!!!! 」

 タトーは、野菜スープが気になった。

 スープはトマトの匂いが漂う赤い色。

 その中に細長く切られた長葱と椎茸や榎茸えのきたけや舞茸。

 その上に、輪切りの玉葱ステーキと桜型の人参が二つずつ乗っていた。

「うーん…………」

 タトーは、周りのエルフ達を見た。

「ズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッ……」

「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク…………プフアァ…………」

「美味しいね! 」

「ああ! 」

 赤紫のショートヘアーのお姉さんのホレン。

 薄い黄緑のショートヘアーの少年のコマナ。

 青いツインテールの幼女のミズナ。

 茶色いロングヘアーお姉さんのパクチィ。

 白いサイドテールの幼女のミント。

 黒いポニーテールのお兄さんのモロヘヤ。

 紫のロングヘアーお姉さんのツルムラ。

 緑のショートヘアーのノザワ父さん。

 黄緑のツインテールの幼女のパセリ。

 それと、青緑ポニーテールのエルフの母親。

 みんな、嬉しそうに、トマトときのこと葱のスープを食べている。

「よし! 」

 タトーは、エルフの母親に質問した。

「エルフのお母さん! 」

「ううん? 」

「それの名前を教えて! 」

「あたしの名はルコラよ」

「それは、あなたの名前でしょ! その料理を教えて! 」

「この料理は、トマトきのこと葱煮麺よ。この料理我が家で人気なの、タトーさんも食べてみて! 」

「ああ…………いただきます…………」

 タトーは、葱の麺を箸で掴んですすった。

「ズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッズズズッ……ほう…………何だろう…………トマトときのこの旨味…………それと、粗挽き胡椒のパンチと野菜のほどよい歯ごたえ…………美味しい! 」

「ありがとう、タトーさん! 」

「うん! 」

 この後、タトーはトマトときのこと葱の煮麺をスープまでズズズッと完食した。


 就寝時間。

 八角形の柄のパジャマをしたタトーは、ルコラとリビングの木目のテーブルに集まった。

 他の九体のエルフが眠る中、タトーに話したいことがあるらしい。

「何なの? 話って? 」

「実は、このビガ国のエルフの家とについて話したいことがあるの」

「ヒュウラン国と関係があるの? 」

「そうよ。昔、ビガ国とヒュウラン国は同盟を組んで魔王と戦っていたの。しかし、ヒュウラン国の人間が魔法少女の力悪用したの。それで、ビガ国は魔王と同盟を組んだわ」

「だから、わたしはエルフと戦っていたのね」

「ビガ城に行きなさい。そうすれば、ヒュウラン国を止める方法がわかるはずよ」

「ありがとう、ルコラさん」

「どういたしまして、ふぅー! 」

 ルコラは、ランプの光の玉を消した。

 

 

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