読書会 とは?

 

(ひと昔前はいい歳こいて漫画やアニメなんて、とかそういう風潮があったような。

 たしかに肩身が狭そうに教室で、文庫本を読む子がいたような憶えがあるかも。

 読書会って呼ぶにはこう、アルシェピースはマンガなんだし、読書会ってよりは回し読みとかそういうもっと軽い雰囲気のものっぽい、かなあ。

 冬子さんは仕事だからか、それともそういう物語が前から好きで本屋に勤めてるのか、どっちなのかな……?)

 

 千本木はハッとした。

 読書会って自分と同じ読書会なのだろうか、と!


(もしかしたら漫画じゃない可能性が……、すごい哲学の本とか出されたらどうしよう)

 自分に付き合ってくれたからあの読書会、という可能性が。

 そんなことはないといいな、と彼女は山上から貰ったクリスマスの紙袋を、テーブルの上に置いて中身を取り出す。

 透明で筒状のプラスチックの容器が二本。中には雪だるまやヒイラギの葉といった可愛いクリスマスな柄と、タータンチェックがプリントされた、厚くて四つ角が丸いチョコレートコーティングのブラウニーが、お上品さと共に封されていた。

(んっこれはショコラティエ・カツールのブラウニー……)

 時計を見て葛藤した末に千本木は、クリスマス柄のやつを一つだけ取り出したのだった──。

 

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