第二十話
待ちに待った土曜日になった。
俺達は駅で待ち合わせしている。
約束の時間の一時間前に俺は来ていた。
(人生初めてのデートだ。緊張する)
この日の為にデートプランは練っていた。
「お待たせ」
マリもついに来た。
ショートパンツにフリルの付いた半袖のブラウス。
かなり様になっていた。
「ついさっき俺も着いたところだ」
「そ、そうか」
「それより随分可愛い服だ。似合ってるよ」
「そ、そうか。ありがとう」
マリは嬉しそうにした。
「じゃあ、行こうか」
「ああ」
何かぎこちない。
お互い緊張しているからだ。
電車に乗り二駅程乗った。
始めに行くところは定番の水族館だ。
「どうだ、美味しそうな魚が沢山いるだろう?」
「そんな紹介されたのは初めてだ。間違っても食べるなよ」
俺は軽いボケをかまし、少し空気が軽くなった。
その後は、お互い会話もいつも通り多くなった。
オットセイのショーを見たり、変わった魚類を見たりして楽しんだ。
水族館を出た後は昼食をとることにした。
「マリは妹とかいるのか?」
「いや、一人っ子だ」
「家でいつも何してるんだ?」
そういえばマリについては知ってるようだ何も知らない。
「基本ピアノ練習だ」
「天才も練習するのか」
「天才は世界中にいる。彼らと差をつけるには努力しかない」
「母親から手ほどきを受けているのか?」
「お母さんはほとんど帰ってこない。月に一回帰宅するかどうか」
親子仲はあまりよくなさそうだ。
昼食をとり終わり、その後は軽いショッピングをしたりした。
「次郎、そろそろ私の家に来ないか?」
(きた!!)
正直、そのことで頭が一杯だった。
「ああ、そうだな。お邪魔させてもらうか」
マリは俺の腕を組んだ。
ちょっとドキマギした。
「次郎、落ち着け。これからもっと密着することになるんだから」
正直、もうビンビンである。
どのルートでもバッドエンドを迎える第三ヒロインを救いたい。 タコツボ @teniss
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