第十九話

「ところでデートはどうする?」


マリは提案してきた。


そういえば具体的な話はしてこなかった。



「そうだな。今週の土曜日はどうだ?」


今日は火曜日だから土曜日までまだある。



デートプランも立てられる。


「分かった。土曜日なら大丈夫だ」


「なら決まりだな」


「ちょうどその日はお母さんも家にはいないしな」


「ん?」


それってどういう意味だ?


もしかして…。


そういう意味だったりするのだろうか。


俺は質問してみた。


「私の家はしらないだろう、という意味だ。折角だから招待したいと思ってな」


「なんだそういう事か」


俺はがっくりした。


「ふふっ」


マリはいたずらっぽい笑みを浮かべた。


「何でがっかりする?」


「いや、別に」


俺はちょっと強がる。


流石に性欲を前面に出すのは抵抗がある。



「次郎はかわいいな。デート楽しみにしてるぞ」


「俺もだよ」


「土曜日は私にとって二つの意味で初めての経験になるだろうな」


俺はマリの顔を見る。


彼女はちょっと恥ずかしそうにはにかんだ。


(それって…期待していいんだよな!?)


俺は土曜日が待ちきれなくなった。



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