第十五話

デートは、停学開けてからということに決まった。


停学が解けるまで俺は適当に時間を過ごした。


その日は、近場の公園に寄った。


そこで、コハルという二見の妹があの時の様に竹刀を振っていた。


だが、今日はちょっと様子がおかしい。


何か荒ぶってるようだ。


「コハルちゃん。今日も精が出るな」


「アベのおにいちゃん!こんにちは!」


「今日も素振りを頑張ってるな」


「うん!あの二人組の人達の様な悪い人達を倒せる様に頑張ってるよ!」

意外と気が強いというか、子供らしからぬ凶暴さを秘めてるようだ。



怒らせてはいけないタイプなのかも。


「でも今日は何でそんなに激しいんだ?」


「昨日学校でね、同じクラスの男の子がちょっかい出してきたから、箒で喉と目を突

いたらその男の子が病院送りになったの」

「目と喉?」



「うん。剣道よくやってるから簡単だよ!」

(二見、お前の妹はどういう教育をしてるんだ。育て方間違ってるぞ)



「それでね父さんとお母さんに怒られたの」

成程、それでふてくされて素振りが激しくなったのか。


「そのちょっかい出してきた男の子は大丈夫なのか?」



「うん。でも目は包帯を巻いてたよ」


「そうか、でも失明するような一大事にならなくてよかったな」


その時、コハルちゃんは恐ろしい言葉を吐いた。


「良くない!目ん玉つぶすつもりでやったんだから」


思考が犯罪者のそれだ。


本当に二見の妹なのだろうか。


「コハル~。またこんな所で素振りをしてるの?」


そこでコハルちゃんの姉、つまり二見が迎えに来た。


「あっ。阿部君もいたんだ」


「暇なんでね」


ちょっと気まずい。


「お兄ちゃん、何で暇なの?」


「まあ、色々とあってな」


俺はコハルちゃんの無垢な質問を受け流す。



「阿部君。少し時間頂いていいですか?少しお話したいことがあって」


「珍しいな。別に暇だからいいけど」




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