第三話

空いてる席に案内される。


隣を見ると二見 サユリがそこにいた。


(すげっ、実際に見ると迫力あるな)


迫力というのは彼女の胸部のことである。


その巨乳で多くの男性を惑わす彼女は第二のヒロインである。


大人しい性格で作中でも人気キャラである。


「どうも、よろしく」


「よ、よろしくお願いします…」


挨拶をしたらか細い声が返ってきた。


長髪で垂れ目、一花に負けない位可愛い顔をしている。


朝礼が終わり、一時間目までの時間が空いた。


そこでわらわらとモブキャラ共が寄って来た。


「どこから来たの?」「身長おおきいね。何かスポーツしてるの?」「どこか部活入る

の?」


色々と質問してきたが適当に返事しといた。


それより行きたいところがある。


俺が向かったのは音楽室だ。


そこから美しい音が漏れていた。


とても繊細で、それでいて芯のある音が耳に心地いい。


俺は緊張のあまり唾を飲み込む。


ついに彼女と初対面だ。


扉を開ける。


瞬間、音が止む。


「……」


「あ、あの」


言葉が続かない。


美しい瞳をしていた。


艶のある長い黒髪。鋭い目つきだが品のある顔立ち。


他の人達を寄せ付けない雰囲


気を醸し出しているがどこか消えてしまいそうな儚さが共同していた。


「誰?」


彼女が質問をする。


「今日からあんたと同じクラスなることになった阿部次郎だ」


「……」


彼女から返事がなくそのままピアノを弾き出した。


「あんた、三咲マリだよな。いつもここでピアノ弾いてるのか?」


「……」


「さすがにピアノ上手いな。流石あの天才ピアニスト三咲桃の娘なだけあるな」


ピアノの音が止み、三咲マリがこちらを睨む。


「ようやく、反応してくれたか」


「一つ言っとく、私の前でその人の名前をだすな」


厳しい言葉が返ってきたが、とりあえずコミュニケーションはとれた、とういことに

しよう。






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