極めてrationalなトーチカ

「十日の菖蒲」を冠したビルの地下で

宙を飛ぶ彼女は もう死のうとしない

二十時を回って 地下から締め出され放出され

酒飲む中途半端成人 もう死のうとはしない


二十四時になっても叫ぶ魔王の庇護下で

痣だらけだった少女 めがねの牢獄から脱出

三時おやつどきに出会った勇者が偽物だとしても

その隣で賢者あるいは〇ー〇として 上手く生きてる


九時登校さえ 儘ならなかった

屋上に立つ彼女は もう死のうとはしない

十時間分のさば味噌と赤ワインも食えぬ

半端に生きてたあいつ テキトーに言い切ることだけで


何番目かも分からぬ ビクティニー

そこで生きる彼女は 理由なく誰かを嘲笑ってて

二年後のストーリーよりも 悪質な煙の女を

連れ去れるのは 東城奈倉のみ



─────

「括言主義と地下人間」の感想です。





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