第6話 自己紹介・・・これから出ていくマリエッタよ。

「さあ、無能な奴はいなくなった。最後まで、迷惑をかけやがってな。紹介しよう新しいメンバーだ。俺達チームの新たな飛躍だ。」

 チームのリーダーから紹介のあったのは、勇者、聖女、そして十体以上を扱う魔獣使いと精霊使いだった。

 魔王、飛び抜けた脅威を与える存在としての、が存在せず、多少力の飛び抜けた魔族が自称する程度の時代であり、勇者も再生力が飛び抜けている等でしかないとはいえ、やはり格段の存在ではある。それを得ることは、確かにチーム全体にとっての飛躍につながる。さらに聖女もだし、他も格段の実力者だった。

 リーダーの才覚だと言える、彼らの入会は。勇者がリーダーでなくてよいのか?と言う問題もあるが、強いからリーダーにふさわしいとは言えない。経験もあるし、統率力、交渉力等が必要であるから、ある程度の実力があればそれ以上の強さは、あまり問題ではない。


「じゃあ、みんな、自己紹介と行こうじゃないか。ん?なんだ?マリエッタ?お前からやりたいって?めずらしいじゃないか?まあ、いいか、やれよ。許す。」

 ロレンツィオにつるんでいたから・・・失地挽回、汚名挽回したいということかな、俺に対する?それは結構、とリーダーは何故か、そう考えた。


 マリエッタは立ち上がって、勇者達を見た。"見おぼえない顔だ。しかも、勇者は男だ。"とちょっと、何故か安心した。

「私は今からチーム出ていく、マリエッタ・パルマ。見ての通りのハイエルフの聖騎士。じゃあこれで、さようなら。あ、リーダー、冒険者ギルドには、これから脱会を届け出るから。」

と目が点のメンバーを置いて、出ていった。ふと、足を止めて振り返ると、ロレンツィオの元押しかけ恋人の方に向かった、

「ロレンツィオはもう私の物だからね。返してくれなんて言わないでよね。」

とやったね笑いを浮かべて、言った。


 そのまま、部屋を出た彼女がギルドの係員、ここでは全員男であり、美人で巨乳の若いお姉さんはいません、相手に脱会申告と新たなチーム申告中のロレンツィオの横に立って、

「私も脱会。この人とチームを組むからよろしく。」

と言って彼と腕を組んだ。ロレンツィオは、されるままにして、戸惑う係員に、

「彼女、マリエッタのいうとおりしてくれ。」

 二人が手続きを終え、ギルドの建物を出ていくまで、彼らの元居たチームの面々は唖然としたままだった。

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