第19話 ざまあ、ざまあ、そしてざまあされて②
「俺を追放しといて、なんていうざまだ!俺達のチームをこんなにしやがって!」
彼は、ケンセキとよく対立した会計を握っていた、彼がチームにいた頃は、賢者だった。
「はあ~?」
は3人。
「残ったのがこいつらじゃな、お前のダメさ加減がわかるわ!」
「何ですって~。」
も3人。ニワはニヤニヤ笑っていた。
「おい、その擦れた聖女はなんだ?俺が残していってやった、あの聖女様はどうしたんだよ?」
「は?」
と今度はニワだった、かなり怒っていた。
「何だ!俺が、彼女にお前を、チームを支えてくれと懇願して、俺がいなければ去りたいという彼女を説得してやったのに…。お前達、こんなことをしていてはだめだ。俺のいるチームに来い。一からやり直させてやる。おれの知的戦略でな。何時でも待ってやるからな。おい、彼女達の思いをくみ取ってやれ!俺はな、一流チームの幹部になったことを自慢したいんじゃない。お前が滅茶滅茶にした女達を救ってやりたいんだ。邪魔するなよ!」
初めから目が点のケンセキに背を向けて、狐耳美少女?と年増美人?魔道士女を従えて行ってしまった、飲み食いした代金を置かずに。
「あら、あたらしいリーダーさん?うまくいってるようね、安心したわ。」
有名騎士団の紋章の入った上衣を羽織った聖女が声をかけてきたのは、翌々日のことだった。それは、5人がかなり何度の高い仕事を達成して、ギルドの食堂で夕食を取っていた時だった。彼女の後ろには、やはり、その騎士団の制服を着た、ケンセキも知る3人の男女がいた。
ケンセキが、彼女が誰か、何となくわかってはいたが、3人に尋ねようとしたとき、
「おい、俺がいないことをいいことに、彼女らに何をしたんだ、お前は?」
と怒鳴りつける声が、その背後から聞こえてきた。
"今日は重なるな。"
ケンセキがチームに戻る数か月前に、ニワに追放?された男である。彼も、美少女?、少なくとも少女としか見えない、獣人女、2人を従えていた。
"あら、彼女は?"
"そういえば、あいつも・・・?"
"捨てた?見限られた? "
"こういう男だとはわかっていたけど・・・。"
「お前にまかせて・・・俺を見込んでという一流パーティーの誘いを受けたのが間違いだった。聖女達も・・・あ、聖女様ひさしぶり。」
有名騎士団の聖女に気づいた彼は、
「聖女様じゃないですか?申し訳ない。こいつに後を任せてしまったのが間違いでしたよ。出ていかれたと聞いて、驚きましたよ。ご苦労をかけてしまいました。お、おい、聖女様を追い出して、どこかの売女を聖女様にしたてて、なにやっているんだ。そんな姑息なことをして・・・かえってチームの名に泥をぬっているのがわからないのか?」
𠮟りつけられたケンセキは、またもや目が点状態。ニワは怒り心頭、殺しかねない状態だったが、目を点にしながらも、ケンセキが彼女の手を押さえていた。
「お前達も、俺がリーダーに戻ってやるから、俺にまたついてこい。あの時思えば、泣いて引き留めたお前達を残していくべきではなかったよ。いかに強く誘われたとはいえ。」
彼は真顔だった。
「彼女は、ちゃんとした聖女よ。」
というケンセキとすれ違いで入った聖女の言葉も、
「私達があんたを追放したのよ。」
「あんたと一緒にでていった女はどうしたのよ?」
「あんたなんか、いらないわ。」
とのソアラ達の言葉は耳に入らなかったらしい。
「ギルドで天空のドラゴンの名を言えば、いや俺の名を言えば、どこに行けばいいか教えてくれるから。待っているぜ。じゃあな!」
と言って立ち上がって去っていった。何時も間に注文し、呑み、食い散らかしたものを残して、銅貨一枚もおいていくことなく。
「あんた方も苦労しているわね。私を追い出しておいて・・・。出ていったあなたは正解ね。あいつらがいないなって戻ったことも正解よ。まあ、彼女は・・・実力はある聖女だから・・・本当は悪い女じゃないから・・・大切にしてあげてね。」
彼女達は、ワインを一杯づつ注文していたが、口をつけることなく、それでいて金貨を置いて立ち去った。去り際、彼女とともにいた男女の騎士団員は、
「僕は、君と違って追放された聖女様に従ったけれど、良かったと思っているよ。」「私は、今の自分を誇らしく思っているわ、あなたは反対したけれど。」
と言って去っていった。
「え~と、どうなっているんだろうか・・・?まず、あの聖女様らしい聖女様は、俺の代わりに入った聖女様か?いわば初代の聖女さま?」
「そうよ。私も直接会ったのは初めてだけどね。」
頭の回線がまだつながらない3人の代わりにニワがいまいましそうに、ケンセキの質問に答えた。
「それでみんな・・・え~と、ざまあしにきたわけか?」
「そうじゃないの?」
「まあ、リーダーと初代聖女様はそうだろうけど、あの馬鹿野郎2人はどうかな?」
「微妙ね。幹部の補佐というか、幹部未満だものね。鶏口になりたいんじゃない?」
「よく知っているな?」
「その言葉、そのまま返してあげるわ。」
「支援魔法を使える者のネットワークは、凄いんだよ、けっこう。数が少ないだけに、かえった・・・。」
「聖女は、私のようなのでも、登録されているからね。それを利用して、ネットワークができてるのよ、すごいのがね。」
二人が話し込んでいる間に、3人の頭の回路が繋がったらしい。
「一体なんなのよ?」
「リーダーや聖女様はともかく・・・。」
「あの二人、私達を狙っていない?4人の最強女と雑用係のチーム、という噂もあったし・・・。」
一番都合のよい情報だな、それに飛びつくような連中だったな、ケンセキはため息をついた。
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