第14話 また追放かな?
「おい、また1人かい?ハーレムは解散かい?」
「捨てられたんだろう?」
「5股しているからよ、愛想をつかされたんじゃない?」
ケンセキが、仕事を完了させて、ギルドの窓口に申告手続きをし終わって、テーブルに着くと周囲から揶揄いの声が飛んできた。
ただ、中には、
「大丈夫かい?」
「本当に彼女達出ていったの?」
と心配する声もあった。
「まあ、女5人の中に男1人のチームだからな。いろいろあるんだよ。」
とだけ彼は答えていた。
お気に入りのビールを飲みながら、"まあ、仕方がないだろうな。お互い、分かれた方が・・・このままじゃ、戻れなくなるしな・・・。"と心の中でつぶやいたいた。
初め2倍以上?と驚いたパワーアップは、3倍くらいか?で一旦とまりしばらくしてまた上昇・・・を繰り返した。どこまで行くかは分からないが、今5倍以上なっている。一旦とまるのは、体が馴染んでからということなのかもしれない。体の強化もしているのかもしれない。それは地力の向上かもしれない。それはあるだろうが、彼女らとの支援魔法の副作用の結果と彼女らとのセックスのせいではないかというのが、ケンセキとニワの結論だった。さらに、互いにセックスを求め、それが以前よりずっと激しく、快感も格段に感じるようになったのも、彼の支援魔法の副作用であり、その結果、セックスの結果も副作用だということになる、それも二人は一致した。
"俺の支援魔法の副作用・・・、俺の支援魔法と相性が良すぎる彼女らとによる副作用かもな。でも、以前は他人より相性がいいのは感じていたのに、こういうことはなかった。支援の対象が減ったせいか?それもあるか?2つの要素が重なって、限度を超えた?"とまで考えが至ると、彼女らが自分から離れていった方がいいかもしれないと改めて思った。
「それに、俺も、彼女らと同様だしな。」
力の増大に魅入られている。本来の自分を、自分の実力を忘れないために、彼女らとの、チームとしての仕事以外にも、半端仕事でも引き受けてこなしてきた、チームでの仕事が早く終わるので、その余裕ができたこともある。自分一人で仕事をすれば、否が応でも本来の自分の実力を痛感する。それがリハビリになると思ったのだ。だが、力のある彼女らといることを、力のある自分を渇望する思いがこみ上げてくるのを感じてならなかった。この一か月近く、彼女らに支援魔法をかけず、そのフィードバックの循環が途絶えて、耐えがたきを耐えるというような思いだった。心の奥底から、誘惑の声が聞こえているようだった。
「どうだい久しぶりに?あの女達にあきたんだろう?」
いつの間にか隣に座っていた女が声をかけてきた。娼館のお気に入りだった女だった。高級娼婦であるから高い、金髪で妖艶な美人、30過ぎだが、魅力的だ。彼女らとの関係ができる前は、一月に一回は通っていたものだった。
「まあ、捨てられたとはっきりしていないし・・・奴らに悪いから、やめておくよ。」
「なんだい、私より彼女達の方がいいのかい?」
「姉さんに勝てる女なんて、めったにいないさ。まあ、義理は守って・・・。」
「義理堅いね。そういうあんたが好きだよ。まあ、寂しくなったら来なさいな。」
彼女は笑って立ち上がり、投げキッスをして去っていった。
その後ろ姿を見ながら、体の線を隠さない、肌をかなり露出させた衣服の彼女は、魅力的だった。中背で柔らかそうな肉体は、彼の好みだった、好みのはずだった。彼女に比べると大柄で、筋肉質なソウラ達は、ど真ん中ストライクの好みというところまでいっていない。顔だって美人ではあるが、きついところがあったりねこれまた無ど真ん中ストレートではない。それが、今は気に入ってしまっている。仲間、馴染んでいる、親近感、自分のものという感覚が強く影響する自分の性格はよく知っているが、
「俺も副作用が、こっちの面でもはたらいているか。」
最後を飲み干すと、彼は立ち上がった。
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