第5話 本当は期待したんだよな
その頃、少し飲み過ぎた、奢りすぎた、怒り、大声を出し過ぎたと反省しながら、ベッド、粗末な、彼の泊っている宿にふさわしい、の上でに仰向けになっていたケンセキは、
「色仕掛けで・・・おっぱいを、4人8個を擦り付けて・・・来るかと思って期待していたんだけど・・・本当は・・・まあ、あいつらも商売女じゃないし・・・俺にそんなことしてもいいなんて思ってもいないだろうしな・・・。」
ちょっと自己嫌悪に浸っていた。
彼のチームは、元いたチーム、ソウラ達と共にいたチームの女性の比率は高かった。あの当時、彼を含めて21人の大所帯で、女性が8人いた。カンロが一番の美人だったが、美人ではない女性メンバーはいなかった。
「リーダー他超イケメンがいたからな。イケメンというだけでなく、実力もあったし・・・。」
カンロと彼女に張り合える、もう一人はみんなの熱い視線が集まり、競争率が高そうだったから、ソウラ達と話すことが多かったが、別に仲が深まることはなかった。彼女らも、一応気さくに対応してくれたが、そこまでで、彼女らの視線は他に向いていた。
まだ、20歳の剣士が立ち上げたばかりのチームに入ったのは、リーダーの強さと人柄、カリスマ性等に惹かれたからである。
「まあ、リーダーは上を目指していた・・・向上心が強かったから・・・いや、みんな、大なり小なり同じだったけれど・・・。」
いろいろあったが、何とか注目されるチームに成長した。その間に何人かが死んでいる、チームのメンバーで。
「誰の時だったかな?俺のせいだと言い出した奴がいて・・・それに同調する連中も出てきた・・・。」
そのことを思い出すと、トラブルが次々に脳裏によみがえった来た。もちろん、あの4人ともトラブルはあった。やっぱりひどく腹がたった。思わず悪態が口に出た、誰もいないにもかかわらず。延々とそれが続いた後、自己嫌悪感が湧き出て終わった。
「どうしようかな?」
とまた独り言。実は、既に戻ってやろうと決めてはいた。問題は、かれにとっての問題は、どういう風にもどるかだった。
冷たい態度、戻らないという印象を見せて、体を摺り寄せて、あるいは抱きついてこさせる・・・思わず頬緩み、鼻の下が伸びた。
「いや、悪いが一人で気楽にやっていきたいと思っているんだ。」
「そんなこと、言わないで-!」
その図は、彼にとって魅力的に思えた。
だが、すぐに、自己嫌悪感が出てきたし、かえって諦めさせてしまって元も子もなくなりそう思えてきたので、彼の頭の中で没になった。
「シンプルに、戻ることにするよ、と言おうかな。」
なんか、ありがたみがなさすぎるように思えてならなかった。
「どうしたものかな?」
また、最初に戻った。
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