第13話

私はいつも通りのアラームの音で起きた。

昨日お母さんに言われたけど今日我慢したら、もう大丈夫だと言っていた。

お母さんを信じて行くしかない。そう思って学校の支度をし、スマホを見ると……


『今日由里香ちゃんにいつ呼び出されたのか教えてね』


と書いてあった。


『わかった』


別に何故かは聞かなくてもいいと思ったからこの一言で済ませた。

するとすぐに既読がついた。見てみると1分前に私に送っていたみたいだった。

『忘れないようにね』

そう送られてきた。忘れるわけないのにな〜

『大丈夫だよ』

そう返信して家を出た。


そうして数分後、


「今日も昼休みね。場所は飼育小屋の前に待ち合わせね」


急に後ろから声をかけられたから後ろを振り向くと由里香ちゃんたちがいた。


「……わかりました」


そういうとすぐに由里香ちゃんたちは去っていった。 

由里香ちゃんたちが去っていったすぐに私はお母さんに

『今日の昼休みに飼育小屋の前って言われた』

とお母さんに送った。


「よし、これでいいでしょ……」


そういったすぐに……


「亜由美ちゃん、作戦はいい感じ?」


と後ろから声をかけられた。

後ろを見ると美沙ちゃんがいた。


「うん、いい感じ」

「よかった。健闘を祈ります!」


そう美沙ちゃんは警官の真似をして敬礼をした。


「ありがとうございます! 頑張ります!」


私も美沙ちゃんの真似をして敬礼をした。

すると……


「美沙〜! 一緒に行こう!」


声のする方を見てみると美沙ちゃんの友達がこっちへ走って向かってきた。

そして私と目が合うとその友達は私のことを睨んだ。

やっぱり由里香ちゃんたちに絡まれるのが怖いんだろう。


「わかった! じゃあね! 亜由美ちゃん!」

「うん! じゃあね!」


そういうと、美沙ちゃんの友達は睨むのを止め、美沙ちゃんと一緒に去っていった。


「よし、私も行くか。」


そういい私は学校へ向かった。

教室へ着くとほとんどの人が教室にいた。

このクラスはみんな学校へ着くのが早くて、一番早い人だと

8時から朝の会が始まるのに7時10分に着く人もいる。

元々学校の門が開く時間も早いしね。

そう考えていると


「これから朝の会を始めます。起立、礼。よろしくお願いします」


先生が教室に入ってきて、朝の会が始まった。

いつもと変わらない朝。いつも由里香ちゃんからの目線が感じる日。

お母さんは何をするんだろう。

そんなことを考えていたら……


「これで朝の会を終わりにします。起立、礼。ありがとうございました」


朝の会が終わってしまった。いつもより終わるのが早かった気がする……

そんなことを考えていると、由里香ちゃんから


「今日も逃げるなよ? あと、明日からは亜由美ちゃんが仲良い美沙とも絡もうと思うから!」


そう言って由里香ちゃんは去っていった。

明日から?

どうしよう……間に合うかな…… でも絶対に美沙ちゃんは巻き込ませない。

そう私は誓ったのだ。




授業と給食の時間が終わり……昼休みの時間となった。

何かお母さんには作戦があると言っていたがなんだろう……

そう考えながら飼育小屋へと向かった。


「お、やっときたね〜 遅いよ? 亜由美ちゃん? あなたはおもちゃなんだからおくれちゃダメでしょ?」


いや……おもちゃって普通動けないけど……

きただけでも褒めてほしいわ。

そんなことを考えていた。

すると……


「……いった。」


急にまた蓮くんから殴られた。不意打ちだったから声が出てしまった。


「あ、おもちゃなのに声出しちゃダメでしょ? これはお仕置きが必要だな〜」


ずる……不意打ちでやってきたくせに

そう思った直後


バシャっ


バケツの中に入った水をかけられた。

そして……


「ぐはっ……」


お腹をいつもより強く殴られた。

それも2発。結構痛い……

今回はやばいな……。でも昨日みたいに昼休みが長くなくてよかった……

そう思っていた。

その時……


「ぐはっ……」


またお腹を思いっきり殴られて、苦しくなった。


「……いった」

「痛いの? かわいそうにね〜。蓮はボクシングやってるからね。

いつもは弱気でやってたらしいけど声出しちゃったからね〜」


ボクシングやってる⁉︎ いやそれはやばいだろ……。これが続くとなるといつもよりやばいぞ……


「昼休みは昨日よりは短いけど、強くやってもらうから」


苦しい……。けどこれを耐えたら……いい……だけ……

結構きついな……


「蓮、手加減せずにやっちゃって」


そう由里香ちゃんが言った瞬間……


「ぐはっ……」


蓮くんが私のことを何発も殴ってくる

やばい……。こんな強いのを何発もとなると……


「蓮、一回やめて」


そう思っていたら由里香ちゃんがこう言った。

なんで? でも……あのまま続いていたらやばかったな……


「なんでだ?」

「だってさ、気を失ったらめんどくさいじゃん。それに……

意識があった方が反応見れるじゃん」


由里香ちゃん……やばいな……

でも……これを耐えたら……由里香ちゃんの性格は元に戻るかもしれない……

でも……こんな性格だと治るのかもよくわからないけど……


「お、息整ってきたじゃん。蓮、いいよ」


やばい! 殴られる


「ぐっ……」


そう思った時にはもう遅く蓮くんに殴られてしまった。

痛い……でも、今日我慢すればいいだけ……

そう思っていたら……


キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン


チャイムがなった。やっと解放される。

よかった……


「もう終わりか……つまんないの。まあ明日美沙ともできるからまあいっか。じゃあね〜」


そういい由里香ちゃんは去っていった。

やばい……明日には間に合わせないと……


『お母さん! 明日には間に合う? 由里香ちゃんのこと』


そうおもってすぐにお母さんにメールした。

絶対に美沙ちゃんだけは巻き込みたくない。

そう思ったからだ。


「あ! やばい! もうそろそろ授業始まっちゃう! 急げ〜」


時間を見ると授業が始まる5分前だった。

この場所は校舎から少し遠いから時間がかかる。

急がないと!

そう思い私は走って教室へと向かった。


「ついた!」


そういい、時間を見ると授業が始まる1分前だった。

教科書などは机の中にしまってあるからセーフ!

危なかった……


「はい、これから5時間目を始めます。起立、礼。よろしくお願いします」


そう考えていると先生が入ってきて授業が始まった。

本当に危なかったな……



「これで授業を終わりにします」


やっと授業終わった……

疲れた……社会苦手なんだよな……

でも、もう帰りの会!

サイコーだ!帰れる!

そんなことを考えていると……


ブーブー ブーブー


ポケットに入っているスマホが震えた。

誰かからメールが来たのかな……?

あ! お母さんからかな‼︎

そう思い急いでトイレへ行った。トイレなら誰にもバレずにメールが見れる!

そう思ってスマホを見てみると……


『大丈夫だよ! 明日までには終わるから!』


そう書いてあった。

安心した。美沙ちゃんを巻き込まなくてすむ……

そう思っていたら……


バシャッ


え?

水に濡れてる?


「そこにいるの亜由美ちゃんだよね〜」


そう扉の前から聞こえてきた声は由里香ちゃんの声だった。

嘘……どうしよう……


「水かけちゃったから出られないね〜。どんまーい!」


そう言って由里香ちゃんは去っていった。

いや……あっちがかけてきたのにどんまいってどういうことだよ……

そんなことを考えていると……


「亜由美ちゃん、ドアを開けて。」


そうドア越しに誰かが話しかけてきた。

声ですぐにわかった。

美沙ちゃんだ


「うん」


そういい、ドアを開けると、美沙ちゃんの手には体操服があった


「これに着替えて、先生には水が飛んできて、

制服が濡れたので着替えました、っていっとけばいいよ」


美沙ちゃんはさっきの様子を見ていたみたいだ。


「ありがとう」


そういうと美沙ちゃんは去っていった。

私は体操服に着替え、教室へ戻っていった。


「あら、亜由美さん? どうしたの。体操服なんかきて」

「水がかかっちゃって…… 冷えてしまうとまずいので体操服に着替えました」

「あら、そうなのね。体冷えないようにね」

「はい」


よかった。一旦この問題は終わった。

問題は次だ。今日耐えれば明日には解放される……

だから何か言われる前に帰りたい……


「これで帰りの会を終わりにします」


そんなことを考えていたら帰りの会が終わった。

よし、こっからだ。

急いで帰るぞ


「気をつけ、礼。さようなら」


よし、帰るぞ。急げ!

私は急いで教室を出て、少し距離が離れてから後ろを振り返ると、

由里香ちゃんはついてきていなかった。

私は急いで家に帰った


「ただいま」


誰もいないのに私はただいまと言った。

返してくれる人もいないのに


「おかえり、亜由美」

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ヒビが入ったあの日から こよい さくら ฅ^•ω•^ฅ猫部 @rikoko-

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