第10話

そのあと授業が終わり、昼休みの時間となった。


「はあ……今回は何をされるんだろう……」


そう呟いた時……


「亜由美ちゃん、今日の夜連絡する」


そう後ろから言われて振り向くと美沙ちゃんが後ろに立っていた


「わかった」


やっぱり美沙ちゃんはわかっているみたいだった


「気をつけてね」

「うん、わかった」


そう美沙ちゃんに言い、私は屋上へと行った。

屋上のドアを開けるともう由里香ちゃんのグループの全員がいた


「あ、やっと来た〜、遅いよ? わかってる? おもちゃの分際で遅れるとかありえないんだけど」


いや……あなたから急におもちゃと言われただけで、自分から言ってないんだけどな……

そう思っていたら


「っ……いった……」


蓮くんにお腹を殴られた


「今日は昼休みが長いから楽しみだな〜」


そう、今日はなぜかわからないけれど昼休みがいつもより長い。

だから由里香ちゃんたちにとってはいい時間なんだろう。


「それも、みんな私の言うこと聞くからね〜、みんなに昼休み屋上には絶対に来るなって言ったらみんなこないもんね〜」


そうか……いつも屋上は人が多いって聞いてたけれど今日1人もいないから……

やっぱ由里香ちゃんの言ったことには逆らえない……

私も逆らなかったらこんなことにはなっていなかったのにな……


「なにぼーっとしてるの? あ、もしかして逆らっていなかったらこんなことにならなかったのにな……って思ってた?まあもう手遅れだよ

亜由美ちゃんは私たちのおもちゃだからね」

「……」

「まあ……こんな話してる時間が無駄だな。蓮、もうやっちゃって」

「はーい」


そう蓮くんが言ったあとすぐ


「ぐはっ……」


お腹を思いっきり殴られた。


「声出しちゃダメだよ? あなたはおもちゃ。声出したら……わかってるよね?」


声も出しちゃいけない…… 怖すぎる。

そう思いながら首を縦に振った。


「いいおもちゃゲットしちゃったな〜」


本当に由里香ちゃんやばいな……


「っ……」


また蓮くんに殴られた。声を出すのを我慢したが、結構きつい……

多分私が声を出させようとしているんだろう。

だけど絶対に声は出さないからな……



そう思った時から何分経っただろう……

長く感じたけど、チャイムが鳴らないけれどあともう少しでなるだろう……

そう考えていると……


キーンコーンカーンコーン 


あ!チャイムがなった! やっと解放される……


「もう時間なんだ……まあいいや、楽しめたし。また今度遊ぼうね〜」


そういい由里香ちゃんは帰っていった。


「あ、私も戻らないと。」


そういい、私は教室へ戻った。

殴られたところがずっと痛む

明日にはあざになってそうだな……


これからもこんなことが続くのか……

そう考えて授業を受けていた……

しかし、これから私のこんな生活が変わるとはこの時はまだ思ってもいなかった

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