第9話

そのあと美沙ちゃんと別れて学校へ行っていた。

その時……


「亜由美ちゃーん、ちょっと来てよ。」


急に後ろから呼ばれた。

後ろを見てみるとそこには由里香ちゃんがいた。


「え……」

「言ったよね? あなたは私たちのおもちゃなんだって。早くこいよ」

「……わかりました」


怖かったが行かなかったら大変なことになると思い由里香ちゃんの後についていった。





「蓮、連れてきた〜」


いった先には由里香ちゃんと付き合っている蓮くんがいた。


「おう、もうやっていいんだよな?」

「うん、いいよ」


そう2人が話したすぐに……


「え……」


大量に水が入ったバケツをかけられた。


「ははっ、おもろ! じゃあね〜乾くまで頑張って〜」


そう言って由里香ちゃんたちは去っていった。

どうしよう……あともう少しでチャイムなっちゃう……

仕方ない……体操服に着替えて行こう。



「……」


私は今日静かに教室に入った。

その時、美沙ちゃんから


「あれ? 亜由美ちゃんなんで体操服なの?」


そう聞かれてしまった。

どうしよう……なんて答えよう……

あっ! そうだ!


「さっき転んじゃってさ! 汚れちゃったから着替えたんだ!

ぼーっとしててさ。」

「そうなんだ、大丈夫?」

「うん!怪我は無かったから!」

「良かった」


ふう……危ない。本当のことを話したら由里香ちゃんに酷いことをされるだろう

そんなことがあったら嫌だ。


「おはようございます。これから朝の会を始めます。」


その時先生が来た。多分先生にも体操服なの言われるだろうな……


「あれ?亜由美さん? どうして体操服なんですか?」


ほら、やっぱり聞かれた。そりゃそうか、ジャージとか体操服の登下校はまだダメだからな


「朝ぼーっとしてて転んじゃって、制服が汚れちゃったので体操服に着替えました!」

「そう…だったら大丈夫ですね。じゃあ……朝の会を始めます。起立、おはようございます。」


よかった……怪しまれなかった。でもあんな嘘美沙ちゃんはわかったんだろうな……

美沙ちゃんはすぐわかっちゃうから……


「これで朝の会を終わりにします。起立、ありがとうございました。」


そんなことを考えていると朝の会が終わってしまった。


「亜由美ちゃん、後で話そう。」


朝の会が終わった直後、美沙ちゃんに通り過ぎた時にそう言われた。

やっぱ美沙ちゃんはわかったみたい。すごいな……


「亜由美ちゃん……昼休み屋上来てね。」


そう考えていたその時、由里香ちゃんに話しかけられた

昼休みに屋上? まあここの学校は屋上に行ってもいいんだけど……

屋上には時々人がいるけど……

そんなところでやるの?


「……わかりました。」


今はそう言うしかない。そう思った。嫌な感じがするけれど……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る