第5話

私はそのあと1人で帰っていった。


「ただいま〜」


そう言っても答えてくれる人はいない。

お父さんは事故で亡くなっちゃったから、お母さんはお金を稼ぐために夜も仕事に行っている。だから、最近お母さんの顔を見ていないし、話してもない。


今日も遅くなるので、弁当を買って済ませてください。


机の上にこのメモと、お金が置いてあった。

これもいつも通り。ふと時間をみると、3時50分。

そろそろ出ないといけなかった。


「行ってきます。」


そういい、家を出た。

桜ヶ丘公園はすぐ近くだった。

ついた時には由里香ちゃんのグループはまだいなかった。

ベンチに座って待っていると……


「あ、亜由美ちゃんきてたんだ。」


由里香ちゃんがグループのメンバーを引き連れて公園へ来た。


「うん。4時に桜ヶ丘公園で待ち合わせだからね。」


私はそう言った。行きたくもなかった。だけど行かなかったら学校で酷いことをされそうで怖かった。


「そう。ちなみに今日のことはなんでかわかる?」


今日の事件のことだろう。


「私がお願いを断ったからだよね。ごめんね。」


そう言ったすると

全員が笑い始めた。私は恐怖にいっぱいだった。


「わかってんじゃん。」


そうだったんだ

やっぱり謝るしかない。


「ごめんなさい。由里香ちゃん交換するから許してくれませんか?」


そう私は言った。しかし……


「じゃあ私のお願いなんでも聞く?」


そう聞かれた。

嫌だったけれど、


「はい。なんでも聞きます。」


そう答えた。


「じゃあ私たちのおもちゃになってよ。」


そう由里香ちゃんが言った瞬間、


バンッ


いった……私たちのおもちゃ?

え……


「じゃあそう言うことだからさ!これからも私たちのおもちゃとしてよろしくね〜」


そう言って由里香ちゃんたちは去っていった。

おもちゃって……嘘だよね……。そう考えるしかなかった。

そして私は

由里香ちゃんの競技を交換すればよかった。

と思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る