第2話
私と美沙ちゃんは、ずっと話していた。
話の話題がたくさん出てきて話すのが楽しかった。
6年生の頃のこととか、休みの日に何するのかなどを話していた。
その時……
「おはよう!」
「あ……おはようございます。」
朝の会が始まる5分前、このクラスの誰かが入ってきた。
すると、みんなが敬語で挨拶し始めた。
名前は、確か……高橋由里香。
先生が言っていたが、親が偉い人で逆らったら大変なことになる。
だからみんな挨拶など敬語で話すらしい。
由里香ちゃんのグループの人以外。
「亜由美ちゃん、挨拶したほうがいいよ。挨拶しなかったら……大変なことになる。」
「そうなの?」
「うん。」
さっきまで笑いながら話していた美沙ちゃんが真剣な顔で私に言った。
「おはようございます。」
美沙ちゃんが言うならそうなんだろう。
そう思い、私は由里香ちゃんに挨拶をした。
すると……
「あなたが入学式の日に休んで来なかった佐久間亜由美さん?」
そう不気味な笑みを浮かべた由里香ちゃんは言った。
「あ……風邪にかかってしまい入学式の当日出れませんでした。」
私はそう答えた。
答えないと自分の身が危ない気がした。
「そう。」
由里香ちゃんはそう言って由里香ちゃんのグループのところへ行った。
「危なかったね。由里香ちゃんの気に障ることはしちゃダメだよ。」
由里香ちゃんが私たちの話が聞こえない位置に行った時美沙ちゃんはそう言った。
由里香ちゃんがクラスに入ってきた時、みんなの顔がこわばった気がした。
由里香ちゃんに逆らっちゃダメなんだ。
私はそう考えていたら……
「はい、これから朝の会を始めます。」
前から声がした。
そこには1年B組の担任、林先生が立っていた。
朝の会が始まったのに、由里香ちゃんたちのグループはずっと話していた。
先生は嫌な顔をしていたが由里香ちゃんにはやはり逆らえないらしい。
「これから朝の会を始めます。起立、礼。おはようございます。」
先生は嫌な顔をしているが朝の会を続けていった。
「これで朝の会を終わりにします。起立、礼。ありがとうございました。」
先生は由里香ちゃんたちを注意することなく、朝の会を終わらせた。
1時間目は体育祭のことについて話し合うらしい。この学校は他の学校よりも体育祭が早い。
暑くなる前にやったほうがいいと考えてくれたらしい。
「亜由美ちゃん!」
朝の会が終わったすぐ、美沙ちゃんが私の方に来てくれた。
「美沙ちゃん!どうしたの?」
「体育祭のさ競技くじで決めるって先生言ってたでしょ?
それ亜由美ちゃんどうするのかなって思って!」
美沙ちゃんは競技のことを聞きにきたのか……
なんだろうな……
だけどな……リレーだけは嫌だな。
「リレー以外だったらいいけどね。」
「そうなんだ!リレーはね嫌だよね。」
やっぱ美沙ちゃんは優しいな。
かわいいし、頭もいいらしい。美沙ちゃんが一番の憧れだな。
「体育祭早くて嬉しいね!」
私たちは体育祭のことで話が止まらなかった。
その時……
「はい、席についてください。授業が始まる時間です。ちゃんと時間見て動いてください。」
林先生が教室へ入ってきた。その手には白い箱。
くじで決めると言っていたから、多分その箱だろう。
そう考えていたら授業が始まった。
「よし。さっき朝の会で行った通り、くじで決めます。じゃあ、1号車から引に来てください。私は職員室に取りに行くものがあるので、しっかりみんな引いておいてください。」
そういい、先生は教室から出て行った。
そして、みんな順番に引いて行った。
みんなが引き終わったその時……
「え、最悪なんだけど。リレーだって〜」
そう言ったのは由里香ちゃんだった。
リレーを引いてしまったらしい。
そのあと由里香ちゃんはグループのみんなと話していたのだが……
「みんなはさなんだった?」
とみんなに聞いた。
私たちは言わないとダメだと思い、1人づつ順番に競技を言っていった。
全員の競技を聞いた由里香ちゃんは、
「亜由美ちゃん。競技さ交換しない?私さリレー嫌だからさ。いいよね?」
そう私に言ってきたのだ
どうしよう……私もリレーは嫌だ。
だけど、断ったら……。いや、私は嫌だ。理由を言ったら許してくれるはず……
「ごめんね。私もリレー苦手だからさ。他の人に頼んでほしいな。」
私は後悔した。交換すればよかった。なぜなら
これがいじめのスタートのきっかけだったからだ。
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