第1話

「はぁ、友達できるかな……」


私は入学式の日に風邪にかかってしまい、入学式に出ることができなかった。

一番心配なのは……グループの問題だ。

中学ではグループができてしまう。だから、友達ができるか心配なのだ。


「まだグループできていませんように」


そう思いながら学校までの道を歩いて行った。

私はあまり気にはしなかったが、なぜか……周りから見られているような気がした。


「あ、ここか。桜ヶ丘中学校は」


そこは大きくてリフォームしたばかりのようだった。


これからよろしくお願いします。桜ヶ丘中学校……


私は心の中で学校に挨拶をしてから、新しい上履きを履き、自分のクラスへ向かった。

校舎の中は明るい雰囲気だった。

先輩たちの話声や笑い声がすごく聞こえてきた。


「あ、ここだ。1年B組。よし。おはようございます!」


最初は挨拶が大切。そう思い、ドアを開けて大きな声で挨拶をした。

 そしてみんなの方を見ていた。

やっぱりグループができているみたいだった。


「あなたは……佐久間亜由美さん?入学式に休んでた。」


そのグループの1人……確か、櫻井美沙ちゃん。

すごい優しいな……


「はい!佐久間亜由美と言います!」

「よろしくね。私は櫻井美沙って言います!」

「うん! よろしくね!」


私はその後も仲良くなった櫻井美沙ちゃんと話していた。

しかし、その時も美沙ちゃんとおんなじグループの人たちからの視線を感じた。

気のせいだと思った。

あのことが起きるまでは……



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