第10話
ロストンは薄暗い照明と影が交錯するトラディット地区の路地裏を進んでいた。左手に並ぶ家々の下には、無造作に生えた雑草がしなだれている。十月末の肌寒い空気が漂い、どこか離れたところから夫婦喧嘩の声が聞こえた。
彼は黙ったまま女の後ろを付いて歩いていた。もう三十分以上歩いている。
どこへ行くのか不安だったし、この地区を再び訪れるのも安全な行為ではなかった。スマートスクリーンが一定間隔で設置されていて、こちらの行動と声を常に記録しているはずだった。巡回する警察に職務質問される可能性もある。夜道を歩いただけで捕まるはずはなかったが、この地区では警察にさえ何をされるかわからない。危険思想犯を炙り出そうと厄介な質問をし、言いがかりをつけて思想犯に仕立てあげようとするかもしれない。
ロストンは疑問に思った。あの女も、トラディット地区に来ていることがマスコミに取り上げられでもしたら、世間に疑いの目で見られ、イメージに傷がつくはずだが……
ロストンは警察が尾行していないかを確かめようと何度も振り返りながら歩いた。時々見えるトラディットたちが、薄暗闇のなかで幽霊のように見える。
気が付くと、いつの間にか道幅が狭まっていた。
そこからまたしばらく歩き、広いところに出ると、あっちこっちにスクラップの山が見えた。リサイクルのために集められたスクラップ集積場のようだった。
なぜこんなところに来るのだろうとロストンは不安に思った。
彼女と距離を保ちながら集積場の中へ入って行くと、左右が鉄屑だらけになった。足元にはゴミが散乱していて、注意深く避けないと靴が汚れてしまう。臭いもひどい。だが月明かりしかないため薄暗く、うまく避けられなかった。
ロストンはゴミを拾って女に投げつけたい気分だった。こんなところに誘き寄せて何をするつもりなのか。
その時、女が振り返った。サングラスを外していた。緊張した目でこちらを見つめる。ちゃんと付いてきているのか確認したかったようだ。
女は再び前を向いてスクラップの山の合間をどんどん進んで行った。ここが彼女にとって初めての場所でないことは明らかだった。早い足取りで迷路のようなスクラップの山々を左右に曲がりながら進んだ。
不安を覚えながらその後ろ姿を眺めていたロストンは、あることに気づいた。
女の服装は社内で見たのとは違って、肌の露出がないものだった。肌寒いからか、全身をすっぽりと覆う、黒いコートを着ている。
彼は妙な気分になった。その姿になんだか親近感を覚えた。同時に、錆びついた鉄屑に囲まれた薄暗闇が、自分の中に危ない衝動を芽生えさせるのを感じた。
その時だった。突然目の前に、土地の開けた空間が現れた。
見渡すと、草しか生えていない廃墟に、ぼろくて汚らしい掘っ建て小屋がぽつんと立っている。電気も点いていない。トラディットの中でも最極貧層の住むような家だ。
女が立ち止まって振り返った。そして手招きをした。
言われた通り、そちらに向って歩いた。
そして小声が届く距離になった時、「着いたわ」と女は言った。
「着いた?」意味が分からず、ロストンが訊き返した。
「私の実家よ」
予想もしなかった言葉にロストンは驚いて目を見開いた。
「そんなに驚く? 私はここで生まれ育ったの」
その言葉に彼はもっと驚いた。彼女の外見からは想像もできないことだった。
社内で見る彼女は裕福に見えたし、いつもトラディットの価値観とは相容れないような派手な服装だった。動画サイトのファンたちもきっと、彼女をトラディットとは程遠い最先端な女性の象徴として見ているはずだった。
「この辺はスマートスクリーンがないから、思ったことを自由に話していいわよ」
ロストンは何を自由に話していいのか分からなかったが、最初に思い浮かぶ疑問をぶつけた。
「どうしてここへ?」
彼女は言葉を選ぶかのように黙り、少し経ってから答えた。
「あなたはトラディットに共感しているって言ったでしょ。そして私がトラディットとどういう関係なのか訊いてきた。これが答えよ」
そう言うと、少し照れたような表情をした。
「あの日、この地区であなたとすれ違った時、私を尾行していると思ったわ。フードコートで私の方を見ていたから顔に見覚えがあった。ストーカーなのか、トラディット地区にいる私の写真や動画を撮ってどこかに売ろうとしているのか、目的は分からなかったけど。でもあなたの話を聞いて、そうじゃないと分かった」
ロストンは彼女の方が自分を尾行していると思っていたが、彼女は逆のことを思っていたようだ。
いずれにせよ誤解が解けて良かった、と彼は思った。これでストーカーの濡れ衣を着せられて警察に捕まる心配はなくなった。だがすぐに他の疑問が湧いてきた。
「でもそれを伝えるために何故わざわざここまで来る必要が?」
彼女はにこっとして、答えた。
「そうね、会社の周りだと、どこにいたってスマートスクリーンがあるから、誰かに盗聴されているかもしれないでしょ。メディア会社だから記者とかも多いし。それに、見せたくなったの。この地区の外の世界で、つまり正統派たちに囲まれた社会生活の中でトラディットに共感する人に会うことはないわ。私と同じように、外では正統派のように振る舞っていて、でも本当はトラディット側の人間……あなたの出身は知らないけど、少なくてもトラディットに共感してくれている。リベラル・ネットワークなんかじゃないって怒っていたし。そんな人に会ったことがないから、なんだか嬉しくて、自分の素性を見せたくなったの」
状況がようやく理解できた。そしてロストンも、つい先ほどまで憎しみの対象であった彼女に少し親近感を覚え始めていた。
だが、それでもやはり納得しきれないところがあった。
「出身はトラディットかもしれないけど、君自身はどうなんだ? はだけた服を着たりするから、親はトラディットだけど自身は連合側に立っているんじゃないのか?」
「ファッションは好きだけど、露出の多い服を着るのは、生きていくためにやっているだけ。生きるためには稼がないといけないし、稼ぐためには多数派の価値観に合わせないと。あそこのボロ家は親と妹と弟が住んでいたけど、引っ越したの。私が新しい家を買ってあげたのよ」
彼女は誇らしげな表情をした。
自分と同じだ、とロストンは思った。自分も生活のために自分の価値観を押し殺して働いている。連合側のメディアなんかで本当は働きたくなかった。他に道があれば辞めたかった。だが生活していくにはお金が必要だ。それに、自分も彼女と同じく、会社のように正統派しかいないような空間で非正統派の人と出会ったことがなかった。オフィールドがいたが、まだ話し合ったことはない。
そこに考えが至ると、ロストンもなんだか嬉しくなった。
「今まで僕は君のことを誤解していた」
「私もそう。ごめんね」
「そういえば名前を言ってなかった。僕はロストン」
「ロストン・リバーズでしょ。尾行していると疑っていた時に調べたわ。私はジェーン」
その時に彼は、自分がいつも彼女のことを”あの女″と心の中で呼んでいたことに気づいた。名前がジェーンであることは調べて知ってはいたが、敵に名前など要らなかった。
特に行き先はなかったが、二人は話を続けようと、掘っ建て小屋の立っている空き地を後にして鉄屑の合間へと引き返した。
二人は歩きながら、お互いの肩が触れるか触れないかの距離で話し合った。足元のゴミをよけながら歩いていると、お互いの肩に軽くぶつかることもあった。秘密を打ち明かして心を開いたからか、ジェーンは話し方が気さくで、愛想が良く、親しみを持ちやすい性格に思えた。さっきまで敵だと思っていた彼女が、まるで昔からの友人のようだった。
「ねえ、あの紙切れを読んだ時に私のことをどう思った?」
彼女が申し訳なさそうな表情で訊いた。
「冗談じゃない、つきまとっているのはそっちだろ、って心の中で叫んだよ。警察に通報するんじゃないかってヒヤヒヤした。君がリベラル・ネットワークの一員だろうと思った」
彼女は自分の偽装の巧みさを褒めてもらったと受け取ったのか、嬉しそうに笑った。
「リベラル・ネットワークだなんて! 本当にそう見えた?」
「そうだな、君の普段の活動や服装からして、きっとそうだろうと思った」
「私のことを立派な体制側の人間って思ったわけね。でもあなたが本当にストーカーだったら、通報してたわ」
「誤解が解けてよかった」
彼女は何かを思い出したように、突然立ち止まって自分のバッグの中を覗いた。そして透明な袋に包まれた四等分にスライスされた黒いパンを取り出すと、一枚を袋から出してロストンに渡した。
「お腹空いてるでしょ? ライ麦パンよ」
彼は一瞥しただけでそれが普通のものと違うと分かった。市販のものはもう少し明るい茶色で、柔らかい。ところが渡されたそれは、もっと黒くて、表面が非常に硬かった。
「これは売り物?」
「この地区の小さなパン屋さんのものよ。家庭の味がするから、私はこれが好きなの」
ロストンはもらった一枚をちぎって口に入れてみた。強い酸味がする。とても懐かしい味だった。
「どう?」
「うん、美味しい。なんか懐かしい味がする」
いや、懐かしいというのは正しい表現ではないかもしれない。昔よく食べていた味ではあったが、当時の不安や寂しさなど、複雑な感情を呼び起こすような味と匂いだった。でも今それを考えるのは止めよう……
ロストンは気を取り直して言った。
「ところで僕は四十歳だけど、君は? 世代が違うというか、ずっと下だよね」
「二十八歳。でもわたしたちはきっと親友になれると思う。価値観を共有しているし、共通の敵がいるからね」
共通の敵というのは世界市民連合のことだった。ジェーンは会話のなかでしばしば連合への批判を挟んだ。ロストンは、スマートスクリーンが声を拾ったら大変だと少し不安になったが、この場所をよく知る彼女が気にしていないので、おそらく大丈夫だろうと思った。確かにこの辺りはスクラップだらけの機械の墓場で、舗装された道路も照明もなく、スマートスクリーンらしきものは見当たらない。誰も気にも留めないような街の辺境だった。
だがそこで彼は、この廃れた環境と不釣り合いな彼女の上品さを、ふと疑問に思った。
彼女の言葉遣いや仕草を見ていると、極貧の環境で育ったとは到底思えなかったし、今どきの若者の言葉遣いや仕草とはどこか違っていた。彼女は世界市民連合について何かを言うとき、批判的な強い口調ではあったが、汚い言葉を使ったり、言葉遣いが荒くなったりするわけではなかった。
その、気さくな話し方の中に感じられる上品さのようなものが、もしかしたら彼女が女性たちの憧れの的になっている要因なのかもしれない、とロストンは思った。彼女がどこでその上品さを身につけたのかは分からなかったが、それが彼女の大きな魅力であり、力だった。
歩きながら話していると、ほどなくして二人は掘っ建て小屋と反対側にあるスクラップ集積場の端まで来た。入ってきた時とは別のところだった。
「ここまでが安全な場所。ここを曲がると、外からも見える空き地になっているから、警察やスマートスクリーンが通り過ぎていないか確認しないといけないの。出てからそのまままっすぐ行くと、十分ぐらいして駅が出てくるわ」
二人が今いるのはスクラップ山の陰だった。差し込む照明もなく、月明かりで周りが仄かに見えるだけ。明かりにうっすらと浮かぶ彼女の顔が美しかった。
視界の開けた空間を少し覗いてみると、空き地があった。そこには外の人工的な照明が射し込み、何もない空間を白く照らしている。
するとロストンは、啓示を受けたような奇妙な感覚に襲われた。どこか見覚えのある光景だった。そしてどこからか、人工的な轟音が聞こえてきた。少しずつ大きくなっていく。
「この近くに工場があるのかな?」ロストンが言った。
「うん、鉄屑を溶かすための電気炉があるわ。大きい爆発音と炎と火花が出るの。鉄が真っ赤に溶けるのよ」
「地獄か……」彼は眩いた。
「地獄?」
「ごめん、ここで育った人の前で言うことじゃなかったね。でも、ときどき夢で見る風景と似ているんだ。僕はそこを地獄と呼んでいる」
「気を付けて!」
突然、大きなカラスが二人の頭上を掠めた。
そしてそれは、スクラップの山の上にとまり、月明かりに向かって目を光らせた。すると今度は頭を下げて二人の方を向き、カーカーと鳴き始めるのだった。夜の静けさの中、それはとても大きい鳴き声に聞こえた。
驚いた二人は思わず腕を組んでいた。
彼はそのことに気づいて、少しの興奮を覚えたが、それを抑えて自分の意識をなんとかカラスに向けようとした。
あのカラスは何のために鳴いているのだろう? 食べ物もない、殺伐としたスクラップの山にとまり、暗闇に向かって鳴くのはなぜか?
もしや、カラスの目にスマートスクリーンが内蔵されているのではないか、という考えが頭をよぎった。カラスの鳴き声は、撮った映像を発信したり警察を呼んだりするためのシグナルではないだろうか?
だが、カラスが鳴き止んでからくちばしでスクラップを突っつくのを見て、それは他愛ない妄想にすぎないように思えてきた。そしてカラスについて考えるのを止めると、また腕の感触の方に意識が向いた。
コートに阻まれてはいたが、彼女の腕と胸の温もりがかすかに感じられた。顔をちらっと覗くと、彼女は少し怯えた表情をしている。
抱きしめたい、とロストンは思った。
でも彼女を女性として意識していいものか。それは大それたことではないか。自分から抱きしめたら、襲われたと訴えられないだろうか……
だが彼の身体は勝手に動き、気がつくとその腕は彼女を抱きしめていた。
彼自身も自分の暴走にびっくりしたが、彼女も肩をびくっとした後、凍ったように固まった。
怖がらせてしまった、とロストンは焦った。衝動的に軽率なことをしてしまった。
慌てて身体を離すと、彼女が我慢していた息をハッとはいた。
「ごめん、つい……」ロストンが謝った。
ジェーンは首を振りながら答えた。「ううん……ちょっと驚いたけど」
そう言うと彼女は、少し間を置いた後、意外な言葉を付け加えた。
「空き家の方に戻りましょう。あっちの方が人に気付かれずに話せるわ」
ロストンは無言で頷いた。
そして二人はゆっくりと掘っ建て小屋の方へと引き返した。
歩く間、二人は無言のままだった。緊張した沈黙の中でゴミや鉄屑を踏む音だけが鳴り響いていた。
しばらくして小屋の前に着くと、彼女は「どうぞ」と言って、雑草に囲まれたかつての実家の中に入って行った。
中は暗かった。窓から月明りが射し込むだけ。もう誰も住んでいないので電気がつかないようだった。彼女は玄関の棚を開けて何かを取り出した。ロウソクとライターだった。
火をつけて、部屋を見渡しながら歩くと、そこには生活の痕跡がまだ残っていた。古くて脆そうな椅子やテーブル、そしてベッド。少し寒くて、変な臭いがしたが、耐えられないほどではなかった。
彼女はテーブルの椅子をロストンにすすめ、自分も向かい側の椅子に座った。
座るとまた沈黙が続いた。抱きしめた時の興奮はすでにどこかに消え、気まずい空気が流れていた。彼女の顔も緊張しているように見える。
「さっきは軽率だったかもしれない。ごめん」ロストンが口を開いた。「でも怖くないのかい? 二人っきりで家の中にいたら、また僕が変なことを……」
こわばっていた彼女の表情が少し和らいだ。
「大丈夫よ。今日話してみて分かったわ。あなたは襲ったりする人じゃないでしょ?」
そう言うと、にこっと笑い、付け加えた。「それとも、未経験の女に手を出して責任とる度胸がある?」
その言葉にロストンは驚いた。
「経験が」一瞬、不適切な質問かもしれないと思って口籠ったが、言い出したのは彼女だと思い、言葉を続けた。「……ない?」
「そうよ。結婚する前はしないって決めてる」
「好きな人でも?」
「ええ、たとえどんな人でも」
「それだと別れると言われても?」
「ええ、道徳観がしっかりしている人じゃないとお付き合いしない」
彼女は処女だった。
ロウソクの明かりに照らされたジェーンは、肌を全て覆い隠す黒いコートを着ていて、その首元からはコートの中の黒いセーターが垣間見えた。まるで脱げないように何重にも重ねられた鎧のようだった。
彼は思った。その鎧の服には、現代の淫らな風潮と価値観をあざ笑う、堂々たる気高さが宿っている。その真っ黒な服の上で光る彼女の白い顔からは、神々しささえ感じられた。
ロストンは胸が躍った。心が希望で満ちていく気がした。
誰も気づいていないのだろうか? 世界市民連合は、自由の名のもとに淫らな価値観をばらまき、この世界を穢れたものにしている。自由の神聖化は、淫らな欲望を隠すためのごまかしだ。
彼は興奮を抑え切れず、胸の内を明かした。
「結婚するまで純潔を守るのは素晴らしいことだと思う。僕は君の考えを尊重するし、君のことが好きだ」
ロストンは、今度は自分の腕ではなく、口が暴走しているのに気づいた。思ったことをそのまま口に出していた。
彼女は突然の告白にまた驚いたらしく、目を見開いた。
だが彼は興奮して言葉が止まらなかった。
「淫らな風潮には嫌悪感すら覚えるんだ。悪徳は一掃すべきだ。君は今の風潮をどう思う? 恥じらいもなく、むき出しの性欲を自由の名で肯定する今の風潮を?」
彼女は静かに呟いた。「うん……私も好きじゃない」
それは何にもまして彼の聞きたかった言葉だった。そう、動物的な本能、むき出しの欲望ではなく、性欲を超越した深い愛情こそが世界市民連合を粉砕する力だ!
ロストンはテーブル越しの彼女をじっと眺めた。彼女も少し恥ずかしそうに見つめ返している。
ロストンは身を乗り出して彼女に軽いキスをした。彼の中で、それは性的な含みを持った行為ではなく、純粋な好意の証だった。
彼女はまた驚いた表情をした。そして少し経って、今度は笑った。
二人の距離がさらに縮まる瞬間だった。
それから二人は、時間が過ぎるのを忘れて色々なことについて話し合った。お互いの生い立ち、連合、リベラル・ネットワーク、好きな料理、趣味など。
そして夜遅くなっていたのに気づき、ロウソクの火を消して、掘っ立て小屋を出た。
外は、仄かな月明かりが差していた。
歩きながらロストンは彼女の横顔を見つめた。豊かなブロンドの髪が柔らかく波打っている。きりっとした端正な顔のライン、透けるような白い肌、エメラルドの瞳。
彼は顔を前に向き直し、考えた。彼女は尊敬の対象であって、性的な対象ではない。昔は男女がお互いに惹かれ合っても、永遠の愛を誓って結婚するまで純潔のままでいた。ところが今では欲望赴くままに性行為が行われる。どんな感情も、すべてが情欲と混じり合って不潔になっている……
彼は心の中で叫んだ。惹かれあう二人が一線を越えないのは精神の勝利だ。それは世界市民連合に対する崇高なる抵抗であり、不服従なのだ、と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます