1話 廃墟の理由
「…え?」
目を覚まして、周りを見てみると一面ボロボロの廃墟のような家に立っていた。
「…どこここ?」
マジでどこ?15歳スタートだから普通の家からスタートだと思うやん。でも実際は廃墟スタート。
なんでこーなったんや?
『解、ここまでの経緯をお知らせします。脳に負荷がかかりますがよろしいでしょうか?』
「……え?」
だれ?この廃墟には俺以外誰もいないけど。誰かいるのか?
『解、私は神様からサポートするよう言われたものです』
サポート?あっ、なんかそんなこと行ってた気がする。じゃあ君が俺のサポートをしてくれるの?
『解、どんなことでも完璧にサポートします』
おー!頼もしい!じゃあ早速ここまでの経緯を教えてもらおうか。
『了、これまでの経緯を脳に直接お送りします』
「…え?」
脳に直接ってどういう————————
◆◇◆
10歳
はじめまして、私の名前は
誰もが振り返る特別な美少女です!
え?特別な美少女ってなんだよですって?
簡単に言いましょう!私は他の女性と比べると比較にならないくらいの完璧美少女です!
年齢は10歳。身長は135㎝と同年代と比べると少し小さいですが、サラっとした光沢のある長髪の黒髪にくりっとした美しい瞳!笑顔を向けると誰もが振り返る無垢な女神!小学生が着ているような服を着ても美しさは消せない!手足は細く、どこか守ってあげたい印象を感じる幼さの化身!まるで2次元から飛び出したかのような存在、それが私、
ふー、少し疲れました。ですがこれで私のことは大体わかりましたでしょうか!わからない人がいたらまた読み直しましょう!
「…なに1人で変顔やってんだよ」
「なにって、私の美しさを全世界に向けて送りつけているのです!」
「……そっか」
いま私に声をかけてきたのは幼馴染の
どこにでもいる普通の一般人です。
髪は某サイヤ○並にツンケンしています。
身長は145と私よりもだいぶ高いです。
そして特徴的なのが、人を睨みつけているような目をしていることです。
本人的にはあまり好きではないと言っていますが、私的にはかっこよくて良きだと思います。
正義感が強く、常に困っている人を助けている
正義バカです。
「おい、今俺のことバカにしたか?」
「いいえ、してません。自意識過剰じゃないんですか?」
「……まぁ、いいか」
危な!なんでわかるんですか私のこと好きなんですか!あっ、好きか!(自意識過剰)
そりゃーこんな唯一無二な私の幼馴染なんですから意識しちゃいますよねー!
「馬鹿なことやってないで早く学校行きなさーい」
「「はーい」」
今の声は私の母上です。私の家族は母、父、兄と私の4人家族です。両親はとても優しく、兄はブラコンってほど私に構ってきます。
家の玄関で話していたら母上から叱られてしまいましたし、さっさと学校行きますか!
「行きますよ!○ーボンさん!渚さん!」
「なんでフリー○なんだよ」
あっ、私は結構アニメとか漫画が好きですよ!
なぜか趣味が男っぽいって言われることもありますがね。全く失礼しちゃう!
◆◇◆
というわけで、つきました学校!
「みんなー!おはよー!」
「黒蜜ちゃん、おはよー!」
「なぁ黒蜜、今週のジャンプ読んだか!」
「黒蜜ちゃん、今日もかわいいね!」
私が教室に入るとクラスのみんなが一斉に反応してくれる。ふっ、人気者は辛いぜ!
「みんな落ち着いて。まだ朝の会まで時間あるからゆっくり話そ」
「おーい、黒蜜。今日の日直当番は黒蜜だぞ。しっかりやれよ」
「はい、わかりました!先生も今日1日頑張りましょう!」
「ああ、黒蜜も頑張れよ」
「はい!」
そうして今日の学校生活がスタートした。
◆◇◆
廃墟
「————ん?」
気がついたら廃墟の中に戻ってきていた。
『今ご覧になったのは貴方様の10歳の頃の記憶です』
「…なるほど」
つまり今世の俺の名前は
今俺の前にはひび割れているが、辛うじて見える鏡が置いてある。そこで俺の容姿をみてみると、髪はぼろぼろ、服は所々破けている。さらに10歳から5年経っているのに身長は全く伸びていない。そして1番おかしなポイントは、髪色が白髪になっているのと、瞳に光がまったくないという点もおかしい。
「どうなっているんだ?」
『解、先ほどの記憶の続きを流します』
「…続きを見ればわかるということか。ならお願いする」
『了、再生します』
◆◇◆
放課後
終わりました学校!いやー、今日も一日中頑張りました!授業もさることながらクラスのみんなも構ってあげないといけないからね。もうそりゃー大変でした!あっでも、何一つも手を抜いてないからね!私は完璧美少女だから、勉強や運動、友達付き合いも完璧にこなしていくのさ!それになんかわかんないけど、勉強してるところがデジャブに感たり、どう動けばいいかなどがわかってたらするんだよねー。なんでだろ。
「…また1人で変顔してるよ」
「変顔って言わないでください!私の顔はいつみてもとってもキュートなんですから!」
「はいはい」
今は日直として教室で日誌を書いています。日直は日誌を書くまで帰れないので早く終わらせないといけません。
「ていうか、なんで休み時間に書かないんだよ」
「休み時間はクラスのみんなを相手にしていたので書けなかったんですよ」
「あぁ、そっか。お前の周りいつもうるさいもんな」
「仕方ありません。こんな絶世の美少女を放っておくことなんてできませんから!」
「…いつも思うがよくもまぁ自分に美少女って自信を持って言えるよな」
「だって事実ですから!」
おかしなことを言いますね。そりゃ事実を言いまくるのは当たり前ですし。
「逆に渚は私のこと美少女って思わないんですか?」
「……………」
「なんで黙るんですか、なんで目をそらすんですか!」
「いやー、そんなこと言ってないで早く日誌を書けよ」
「なんで話をそらすんですか!」
なんでですか!私を美少女だと思ってないってことですか!こんなどこに出しても恥ずかしくない完璧美少女を前に黙るなんて絶対気を遣っているに決まってます!ひどいです最低です!義務教育を最初からやり直してください!
「…今日は渚くんに無視され、泣かされまた」
「おい!何日誌に適当なこと書いてんだ!」
「事実ですし、私の心は泣かされました」
「…はぁ、こんなことやってないで早く帰るぞ」
「こんなことってなんですか!私にとっては大事なことなんですよ!」
「わかったわかった、お前は美少女だよ」
「なんですかその感情がともっていない解答、私許せません!」
「どうしろっていうんだよ」
「この私が美少女だと思うところを100個挙げてください!」
「あーはいはい、帰ってからなー」
「言いましたね、帰ったら速攻電話するのですぐ出てください!!」
「ほーい」
「じゃあこんなの早く終わらせて速攻帰りますよ!」
「おう、早くしろよー」
◆◇◆
「終わりました!」
「おーお疲れ」
「さぁ、帰りますよ!」
「はいはい、ちゃんと戸締りしてからなー」
帰路
「ん?そういえば黒蜜」
「はい?」
「お前、今日おばさん(黒廻の母)に放課後残ること言ってたか?」
「…あっ、言ってない」
「大丈夫なんか?」
「…大丈夫じゃないんですか?お母さんからも連絡してこないし」
スマホを見ても特にそう言った連絡はない。
「…まぁ、お前が大丈夫って言うんだからいいか」
「そうそう、私美少女だから間違ったこと言わないし」
「その理屈はよくわかんないが」
そんな雑談をしながら十字路に出た。
私の家よりも渚のほうが学校から遠く、
朝は私の家を経由して学校に登校する。
「じゃあ、また明日な」
「うん!また明日ね!あっ、あと電話忘れないでね!」
「おっ、おう。覚えてた(小声)」
「じゃあね!」
「またなー」
渚は家に帰って行った。
「じゃ、帰りますか!」
そう言って私も家の方向に歩き出す。
そして家のすぐそばまで近づいた時、違和感に気づいた。
「あれ?家に電気がついてない?」
どうしたんだろう?買い物にでも行っているのかな?いやでも、それならなおのこと連絡をよこすはずだし。
「…なんか、嫌な予感がする」
あれ?そういえば周りの家も全部明かりがついてない?なんで?もしかして節電しようとかそういうデイ?なんか怖いですね。
「ん?鍵が開いてる?」
鍵忘れたのかな?
「ただいまー。誰かいる?」
……返事がない?誰もいないのかな?
「おかあさーん、おとうさーん、お兄ちゃーん、
いないの?」
靴を脱いでリビングへ向かう。そして、リビングの扉を開ける。
「誰もいなっ…い……の」
一瞬何があるのか理解することができなかった。
思考が目の前の事実を否定したがっている。
だが、この少女は理解することができた。
いや、理解してしまった。
何があるのか。
どうなっているのかを。
そこには誰もいなかった。
そこには生き物がいなかった。
そこには命の鼓動を感じなかった。
だが代わりに見えるものがあった。
そこには真っ赤な血の色しか目に入らなかった。
◇◆◇
黒蜜の家族
父:ITを専攻しているプログラマー。
基本家族と過ごしたいから在宅ワーク。
身長178㎝、優しい雰囲気を持ったイケメン。
50歳を超えてるのにそうは思えない若々しさを待つ。
母:掃除、洗濯、料理なんでもできる完璧主婦。
父が子供達を叱らないので代わりに叱っている
しっかり者。
子供達を第一に考え大事にしている。
身長160㎝、おっとり感がある女性。
45歳でも美人さは一切なくならない。
昔も今も近所からは美男美女夫婦と呼ばれていた。
お兄ちゃん:妹を第一に考えるブラコン。
年齢14歳で妹とは4歳離れている。
身長は173㎝、どんなことでも一回やればなんでもできる天才。
学校ではモテモテでよく告白されているが全て断っている。もちろん妹がいるので他の女性には興味がない。
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