第8話 水泳について②
私が水泳好きであることは、①で詳しく書いたので、②は、ちょっとオマケのお話。
「水着」に関する、私の失敗談を4つほど、ご紹介したいと思います。
1つ目は、確か小学校5年生の時。
水泳記録会で毎日泳いでいたにも関わらず、休みの日に、友達と一緒に大きなプールに行きました。ここは、今は潰れてしまったのですが、昔はウォータースライダーや、流れるプールなどがあり、とても人気がありました。
やはり、ここでの一番人気は、ウォータースライダーです。友達みんなと一緒に並んで、次々と滑っていきました。2回も3回も。
と、3回滑った後だったと思います。友達の一人が、ハッと気付いて、私を建物の陰に連れていきます。もう一人の子も、すぐ気付いて着いてきました。わけがわからない私。
「どうしたの?」
「緋雪ちゃん、透けてるよ」
「透けてる?」
「お尻!」
「お尻?」
なんと、私の水着のお尻の部分が薄くなり、お尻がなんともセクシーなことに!!
他の子は、スクール水着なのですよ。だけど、私のは競泳用。スクール水着の半分もない薄さです。そんなもんでウォータースライダー何回も滑ったら、そりゃ生地もすぐ駄目になるに決まっている(大汗)。
まだ殆ど泳いでないうちから、服に着替えさせられ、友達が泳いでるのを見学する羽目になったのでした。お尻スケスケで泳ぐわけにもいきませんしね。
2つ目は、高校1年生の大会の時でした。
この時も、確か、会場についてから、水着の破れに気付いたのです。間違って古いのを持ってきたようでした(捨てろよ)。もう1枚の水着は学校の部室。当然、部外者は入れません。
困って、珍しく応援に来ていた母に頼む私。
「ちょっと、○○スポーツまで行って、競泳用の水着買ってきてくれん?」
サイズを言っとけばわかるだろうと思っていたのが大きな間違いでした。
母が買ってきてくれて、慌てて着替えようとして気付きます。メーカーが違う。どこのよ、これ?! 全く知らないメーカーです。母よ、あなたは、売れ残りのを買わされてきたの??
まあ、そんなことは言ってられないので、着替えます。着替え……着が……き……入らない。嘘でしょ? サイズ同じなんだけど? 同じMサイズ、何故入らない??
「緋雪、早くしないと!」
マネージャーが呼びに来ます。
入れます。体を無理矢理、その信じられないくらいキッツキツの水着に。……う、動けん。いろんなところが締め付けられる。
それでも無理矢理泳ぎましたが、結果は散々。タイムもありえないくらい遅かったです。
そんなことより、このキツキツを早く脱ぎたかった!!
3つ目は、高校2年生の時でした。
水泳部の皆で、海に行きました。水泳部もたまには「海」で泳ぎたいのです。
流石に制服ではなく、私服集合です。私はこの時、着替えに面倒なので、下に水着を着ていました。水着の上にタンクトップ、ゆるゆるに編んだ、胸元が大きくあいた三分袖のサマーニット。に、短いジーンズ。サンダルという出で立ち。力いっぱいのお洒落です。
そして、海で散々楽しんで、片付けていた時、事件は起こりました。
レジャーシート代わりに敷いていたブルーシートを片付けようとしていると、私の真ん前にいた後輩男女二人が、こっちを見て、フリーズしています。
「どうしたの?」
姿勢はそのまま尋ねる私を見て、彼らは黙ったまま、二人して、自分の服の襟元を掴み、引っ張ります。
「へ?」
自分の胸元を見て、全ての謎が解ける私。
「あ(笑)」
そう。下に水着を着てきていた私は、なんとブラを持ってくるのを忘れておりました。
「服着てないわけやないし、ま、いっか。誰も気付かんやろ」
いや、気付かれた。思いっきり。丸見え(笑)。
「見えてた?」
と気にした様子もなく尋ねる私に、後輩二人顔を見合わせ、
「流石……先輩……」
何が流石なのかわかりませんが、ほぼ筋肉だけで、超小ぶりの私の胸を見たとて、ドキドキもしまい。と。
……忘れてたのがパンツじゃなくて良かったです。
4つ目は、高校3年生の夏でした。
その前の年、私にもめでたく彼氏ができ、その日、初めての海水浴デート。
「あそこの海岸なら、あんまり人もおらんし……」
と、彼はなんだかワクワクしています。
まあ、泳げたら何処でもいいんだけど。そんな遠くまでいかなくても……。そう思いながらも、汽車に揺られて行きました。
水着に着替えて、
「さあ、泳ぐぞー!!」
と、更衣室を出ていったら、彼氏、脱力。大いに脱力。
「嘘でしょ?」
「何が?」
「海水浴デートにさあ」
「はい?」
「競泳用水着で来る女子いる?」
……いる。ここに。
まさか、私のビキニ姿なんか想像してたわけ? これしか持ってないんです、すみません。
それ以来、彼は、海水浴には誘ってくれなくなりました。
父いわく、
「お前は均整はとれとるけど、スタイルがええわけではないのぉ」
という体型をしているのですよ、私は。
私のビキニ姿など、期待してはいけません。
以上、私の若き日の失敗談でした。
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