第13話 破壊力ばつ牛ンの連携で敵はそのまま躯になる
ヴィーシュの攻撃は
縦横無尽に振るわれるヴィーシュの連撃に、盗賊たちの心には徐々に恐怖が染み込んでいった。相手は確かに子どもだ。それに良いようにされるという屈辱はある。だが、それ以上に命の危険が迫る
四人の顔は青ざめ、次の一手を模索する。しかし、そこで彼らはある
しかし、ヴィーシュは焦らなかった。むしろ、想定の範囲内――予想済みの状況だったのだ。ようやく気づいたか、とすら思いながら、冷静に行動を開始する。鋭い目つきでセレーネに合図を送りつつ、ヴィーシュは石畳を踏み砕くほどの勢いで地を蹴り、一陣の風となった。足元から砕けた石の欠片が飛び散り、圧倒的な力とスピードを伴って彼は一気に盗賊たちの前方へ
そして、セレーネが、今までとはまるで違う迫力で、そう、
ヴィーシュはゲームの知識として、
隔絶した実力差がある上で、威圧する意思を強く念じて表面に
そして、その数秒は値千金のものとなる。
ヴィーシュは手を伸ばしたまま、身が竦んで
骨という、人体で最も硬い部位であるにも関わらず、陥没しているのが見て取れる程ひしゃげた
== ○ ○ ○ ==
最後の一振りを終えると、
幼児の手でも持ちやすいように、角材を削り柄を
それにしても。セレーネが魔物で良かったなあ、と血だらけの手をシャツで
これまで騎士達が
穴だらけの推論だけど
が、すべては時間がないのがいけない。一応、<アレク>に策というほどでもない知恵と、位置を知らせる手段を伝えてきたが、これ以上後手に回るのも危険だったから、踏み込むしかなかった。数が思ったより多かったことと、人を殺しても何ら感慨が浮かばない、という想定外はあったが、
僕は振り返ってモニカを見ると、子どもと一緒に震えていた。あー……これは、僕が怖がらせてしまった、かな。そりゃ、殺人しておいて平然とした面で立っている子どもなんて、ヤバイ奴にしか見えないわ。
「はあ……帰りますよ、モニカ様」
僕は大きくため息をつきながら、自分の頭をがしがしと掻きむしり、ばつが悪い顔でモニカに手を差し伸べた。まあ、振り払われるのもお約束でしょ。これでモニカと縁が切れるかも知れないなあ、とよそ事を考えていた。
モニカは、確かに震えていた。武者震いとかではなく、単純な恐怖だと思う。体がこわばり、差し出された手を取るのを
だが、しばらくしてモニカははっと気づいた様子で僕の目を見た。何秒かは見つめていたと思う。手を引っ込めようかなと思った矢先に、彼女はにこりと僕に対して微笑んだ。
「ありがとう、ヴィーシュ」
そう言って、立ち上がろうとしたが──ずっこけた。どうやら両腕が縛られたままの状態だったらしい。それで、バランスを崩したようだ。ははは、莫っ迦でぇ。
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