第7話 何いきなり話かけてるわけ? いや、お前それで良いのか?
== 7 ==
あれからすぐ。
──おかあさまと相談してきますわ!
とのありがたい一言を
ものすごい疲れるらしい事と、隙がデカすぎる&視界を広域に保てないなどなど、あくまで
まあ、それでも前世と違い、目に見えて増す
アレクもアレクで着実に
そういえば、おかしいこともある。
「次は何をしますの!」
子どもらしい丸々したほっぺたを赤らめ、汗ばんだ額を手で拭いながら、目が覚めるような輝く金髪をしゃらんらと
なんか新しい(?)仲間が増えました。いや、
そう、モニカだ。領主様の長子で御息女の彼女が、何を血迷ったのか暇さえあれば僕の訓練に紛れ込むようになったのだ。
そうか、そりゃアレクも目の色変えるわ。時折モニカが隣を走ってるのを見かけるが。お貴族様が近くにいたら、そりゃ気が休まらないよね。僕にとってはただのアホの子認定なんだが……いや、前世に置き換えてると、事業主の親族をアホの子認定するのは中々リスキーか。少し考えを改めよう。
「何をうんうんと
「いや、お嬢様がここにいるのが原因だからね?」
こてんと可愛く首を傾けてはいるが、言葉に可愛さの欠片もない。
「何を
「考え方が実践的すぎる…」
ふつう、貴族って戦場では指揮を取るのが仕事だろう。ましてモニカは蝶よ花よと領主様に溺愛されてきた娘だ。何故こんなNOUKIN思考になっているんだ……?
「お母様は戦場魔術師をでしたの。杖を振り、喉が枯れれば剣を振るい、味方を
それは淑女じゃありません。流石に口には出せず、僕は心の中で呟いた。
なるほど、ゲームのモニカがNOUKIN思考だったのは母親からか。父親が、この双子姉妹を目に入れても痛くないぐらい可愛がっていたのはシナリオで垣間見れたが、彼女らの母親が登場することはなかったからな。
確かに、彼女のステータスは加入時は主人公に
いや、そうじゃなくて。
「そもそも、なんでお嬢様は僕達と一緒にいらっしゃるのですか?」
至極当然のようにいるけど。
僕の言葉に、アレクがこくんこくんと首を縦に振っている。
「あら。こういった訓練で得た友は信頼出来る、と相場が決まっていてよ?
なんでも、”おなじ釜のご飯を食う仲は恋くらいしか超えられない”……? でしてよ?」
「ちょっと君のお母さん呼んできていい?」
5歳時にどんな教育してるんだ。
「それは
「いっぺん怒られてしまえ」
どうやらモニカの見つける”暇”とは、授業とかを抜け出して作っている疑惑があるようだ。疑惑は深まったって奴だね。
かといって、
そんな
「まぁたお嬢様が抜け出してらぁ」
騎士にしてはすこし
ミモザ家の
ふあぁ、と大きな
「まあ!またおサボりですの?ドゥーネ」
不良騎士の様子に慣れたもので、モニカはほっぺたを膨らませてぷりぷりと怒る。
「
「なら、貴方も捜索に加わってはよろしくて?」
「生憎、そういった部分にゃ鼻が効きやがらねぇ
モニカ(とアレク)のいかがわしいものを見る視線を、ドウェインはからからと笑って受け流している。
不良騎士と自称するだけあって、その言動は騎士としての責任に欠いているが、実のところは違うことを僕は知っている。
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