物語のカタルシスはどこ?

【質問1】


『氷の魔女の料理屋さん』のオムライスの回。ここのカタルシスはどこですか?


【答え】

 ………………………………………………………………………………………………………………………………はい、答えられません!



 すみません。冒頭から何やってんだって感じなんですけど、物語のカタルシス。これすごく大切だと思うので、いつも意識しながら物語を作っています。



「最高に面白い部分はどこですか?」と聞かれたとき、「このシーンです」とハッキリ言えるかどうか。


 盛り上がりがないってことは、その話つまらないってことです(ほのぼの系ならオチとかなくてもアリですが)。

 

 例えば氷の魔女の話。こちらは物語全体を通して『何かを解決をして、そのあとにおいしいご飯を食べる』というのがコンセプトです。突き詰めると、スカッとしたり、わぁっとなるワンシーンが最大の魅力となるわけですね。


 オムライスの回をざっくり説明すると、王都に料理店を開いたばかりの主人公が、迷子の子供を助けてご飯を作ってあげるというお話です。

 テーマは迷子の男の子を笑顔にすること。

 よって盛りあがりは子供を笑顔にするシーン。

 もしくは最後に『いただきます』といって、主人公のロゼと使い魔のノルが一緒に食事をするシーンです。


 しかしながら、これはイラストありきの場面です。


 グルメものなら飯テロ描写。

 推理ものなら謎解きのわくわく感。

 バトルならスカッと展開。


 と、ある程度の型があるわけで、そこをいかに映える展開にするかが勝負どころだと思います。

 ですが、このオムライスの回。

 ほのぼの日常劇となっています。

 こういうのは映像や漫画媒体なら楽しいのですが、文字で表すとなると、少々退屈な展開かもしれません。つまり、刺激が弱い!


 正直、ここは反省です。

 それを踏まえ、次の回のホットジンジャーの話はここがきっちり出来ています。

 テーマは『お婆さんに温かいホットジンジャーを渡してほっこり』なのですが、中身は猫探しです。

 お婆さんの飼い猫がいなくなったので、探してほしいと頼まれてねこじゃらし片手に町をぶらつく話です。


 ここのカタルシスは、すばり猫をつかまえる!


 悪戦苦闘(?)しつつも、猫をつかまえる=依頼を達成したという達成感。読んでてそれを感じられるつくりを考えました。

 さらに、お婆さんのわずかな仕草(咳きこむ)から、ロゼッタがホットジンジャーを用意する流れにしたり。いわゆる、ちょっといい話ですね。



 こんな感じで、物語のカタルシスは大切なのだ!


 Next→『物語をマップに見立てる』

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