第4話

翌朝、またいつも通りに罠を見に行くすると、ウサギが罠にかかっていた。昨日のうちにウサギの巣を見つけておいたので、通りそうなところに置いておいたのだが、予想通りうまく行ったようで良かった。ガイさんを探すと、ガイさんも鳥を仕留めていたようで、一緒に獲物を捌きながら、解体の仕方を学ぶのであった。いつもお世話になっているガイさんには、本当に頭が上がらない。そこで何かお礼ができないかと思い、干し肉はどうかと思い一度作ってみることにした。


干し肉にする方法はなんとなく、前世の記憶にあてがあったので試してみることにした。一度だけだが、干し肉は作ったことがあるのだ。それを元に作ろうと思っている。塩に関しては、家から持ってこようと思う、多少なくなったとしても問題はないと思う。それはこの近くの村で岩塩が取れるからであり、この村では塩のブロックが各家に置いてあるのだが、削って使うため多少削れていてもわからないのだ。次回以降は買おうと思っている。保存場所だけどうするか考えないといけないが…。


それから干し肉を作る過程で一度、燻製にしたいと思っている。燻製に使うチップの木も既に決まっている。ヒッコリーを使おうと思っている。ヒッコリーは元の世界でも人気のあるスモークチップの一つである。元の世界で多くの人から愛されていたチップだからこそ、今回使おうと考えた。あと、私がヒッコリーを使った燻製が好きなのもある。ヒッコリーを使った燻製は、癖がなくなんでも使えるので、前世ではソロキャンプなどで燻製をするときには大体これを使っていたら美味しく作れるので、これは常備していた。万人受けする香りだと思うので今回はヒッコリーを使っていたら間違いはないと思う。


余談だがヒッコリーは、ペカンと呼ばれる実をつけるのだが、これは胡桃に似ている。ただ、僕は胡桃は後味に若干苦味など嫌な感じが少し残る気がするのだが、こちらにはなくむしろ甘味に近い感じが残る。僕はこのペカンという実が大好きでよくおつまみや、洋菓子などで使っていたのだがこちらにきてからも食べれるようになるとは思っていなかった。ヒッコリーが実をつけるのは確か冬だった気がするので、今後楽しみにしておくことにする。信玄餅みたく、ヒッコリーをお餅の中に入れる事で、食感と良い香りを加えることができると思うのだ。早く食べないなと思う。


まず、燻製するための箱のようなものを作ろうと思う。だが、釘などが無いのでどうしたら組み立てれるのか悩む。元の世界では、いろいろなものがあったので簡単に色々と作れたのだが、異世界ではそうとはいかないようだ。色々考えたが、魔法で燻製用の作るしかないと思う。木で作るのは難しく、段ボールなどでも作れるみたいな知識はなんとなく前世の思い出あるのだが、そんなものはないので、魔法で土を押し固めて作るのが1番作りやすいと思う。


それは、木材を魔法で加工するのはとても難しいのだが、土であれば魔法で簡単に形を変えることができる。試してみることにする。すると思った通りの形にできた。これで燻製器には困らなくなった。あとは、食材を置く金網の代わりになるものだ。こちらは直接、火にかけるわけではないので木でも良いような気はしているので、一度試してみることにした。木の網は魔法で簡単に作ることができた。網自体は、家でも作るのを手伝っていたからである。網を使って売ったり、色々なところで使ったりしているらしい。試しにそこらに落ちている木に火をつけて、燻製器にかけてみた。すると木の網は燃えなかったので大丈夫だと思う。そもそも火は煙が出る程度でいいので、最初から火がつかないだろうとは思っていたが、検証できて良かったと思う。


それから、ヒッコリーの木を魔法で切り出す。切る時に余計に切らないように必要分だけ切って、ペカンがなるようにする。枝を折ったら、燻製チップとしてちょうど良い大きさにカットしていく。すると切りすぎたようで、10回分以上は余裕で超えていると思う。これを日当たりが良いところに天日干し、今日のところは下味をつけるために、ウサギの肉を解体することにした。


毛皮はすでに解体されており、あとは肉を切り分けていくわけだが、こちらは干し肉を作った経験があまり役立てることはできなかった。それは、どのくらいのサイズにカットすれば良いかわからなかったからである。分厚いと硬すぎて食べにくいだろうと思い薄切りにしていくことにした。なお、まな板はそこら辺の木を切り倒してから魔法で作っている。


大体全部切り終わったと思う。筋があるところは食べずらいと思ったので、薄切りにした後軽く隠し包丁を入れることにする。これで筋の部分も多少は切れやすくなり、食べやすくなると思う。ウサギ肉は調理したことがないのでこれで良いかわからないが干し肉は薄切りのイメージがあるので間違いはないと思う。


下味をつけたいのだが、塩以外の調味料を持っていないので塩で一日つけることにした。うさぎ肉に塩を揉み込んでいく。今とりあえず、間に合わせで作った木のボックスの中に入れておく。これをガイさんの小屋に置かせてもらう。毛皮は、置かせてもらえることになっているので、ついでにこれも良いと思った。


それから、わらび粉をつくるためにざると桶を作ることにした。桶を作るのは難しく、試しに使うと水が漏れてきたりして作るのが、とても難しかった。自作の桶ではどうしても水が漏れてしまうのだ。どうしよう?と頭を悩ますのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る