親友

後悔したくないから。

ついこの間まで、同僚が生理的に無理だから仕事に行きたくないだの、背中が痛くて動けないだの、毎日のように弱音を吐いていた彼女は、何か吹っ切れたような顔で、

「仕事、やめてきた」

といった。


曇りのない笑顔、見るのはいつぶりだろうか。

「まあ、あんたがいいならいいよ」

口ではそう言った。応援しているふりをした。彼女にはいいひとだと思ってほしいから。

それでも心の中では応援できなかった。私は夢をあきらめた人間だから。彼女のように大っぴらに夢を語れたことはないから。だから、夢を追う選択をした彼女が、うらやましくて、妬ましくて、。


少し意地悪をしたくなった。

「成功する保証もないのに」

不意だった。しまったと、思ったのに

「だからだよ」

彼女は、屈託のない笑顔で夢を語り続けるのだ。


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