第3話
イソギンチャクさんは何処にいるか知っている。この先を真っ直ぐ行って少しした所だ。よし、見えてきたぞ。
「こんにちは!イソギンチャクさん」
「お、こんにちは蟹さん」
「最近どうだい?」
「まあそう変わりはないね。でもこの間はクジラさんがやってきて大変だったらしいよ。魚さん達が言っていたよ」
「うわあ、マジですか。大分食べられたんじゃ」
「そう。結構減ったらしいよ」
「うわあ」
イソギンチャクさんは目を蟹さんのハサミに向けた。
「ところでそのマグロは何?」
「ああ、これはイカさんに贈り物なんだ。僕イカさんの住処を知らないんだけどイソギンチャクさんは知ってる?」
「イカさんね。最近引っ越したらしいよ。住所は知らないけど、ウニさんが引っ越しを手伝ったそうだよ」
「へぇ!引っ越したのか。ウニさんはあのいつもの場所にいるんだよね?」
「うん、そう」
「じゃあ、ありがとう!またね!」
「またねー!」
ウニさんの住処はすぐにわかった。そしてウニさんは在宅だった。
「ウニさん、こんにちは」
「蟹さん、こんにちは」
「そのマグロはどうしたんだい?」
「これはイカさんへの贈り物なんだ。イカさんの住処を知ってるんだよね?」
「そう、引っ越しを手伝ったからね」
「教えてもらってもいい?」
「いいよ。この先の海溝沿いに行った辺りだよ」
「ありがとう!じゃあまたね」
「またね」
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