第2話

蟹さんはイカさんの好みを知らなかった。だから自分がもらって嬉しいものを送る事にした。とりあえずはマグロでも狩ろうか。


マグロさんはそう珍しくない魚だ。いつもそのへんを泳いでいる。今日は体力万全なので簡単に狩れるだろう。


「マグロさん覚悟!」

「ふん、蟹風情が!」


何度かの激闘の末、何とかマグロさんを狩る事に成功した。これならきっとイカさんも喜んでくれるはず。問題はイカさんの住処を知らない事だ。蟹さんは皆に聞けばきっと解ると思っていた。


ナマズさんを見つけた。蟹さんはイカさんの事を聞いてみた。


「ナマズさん、イカさんの住処を知っていますか?」

「イカさんか…知らないな」

「そうですか…」

「でも、イソギンチャクさんは知ってるんじゃないかな?あの人知り合い多いから」

「そうですか。ありがとうございます」

「いえいえ、イカさんになんの用だい?」

「この間もらった鯛のお返しをしたいので」

「ふうん、そのマグロならきっと喜んでくれると思うよ」

「ありがとう!」

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