第2話 とりあえず続きも書いてみる(構造)
ゴールデンウィークも終わりに近づいている。暦通りに働いていると書いた意味は、平日はもちろん祝日であっても土日以外はやるべき仕事があればしているという事である。なので今日の日曜日が、自分にとっては最後の休日という事になるかもしれない。
しかし今週末は遊び散らかした。山に登れば温泉にも行って、陶器市にも行って色々なものを食べた。もうあとは晩御飯を食べて風呂に入って、テレビを見て寝るだけである。だからフリーレンの家についての続きを考えてみる事にする。
前話では全体のゾーニングについてエスキースをしたが…。おっといけない専門用語が出てしまった。ゾーニングというのはどういう空間配置にするかという話で、エスキースというのは頭の中であーでもないこーでもないと考える事である。なぜ横文字にするかと言えば、きっとそれがかっこいいと思う人が過去の建築関係者には多かったからだろう。それもどうかと思うが、まぁそれは置いておこう。
ゾーニングの前に肝心な事を妄想していなかった。それは家の構造である。日本の現代住宅と言えば殆どは木造である。他にどんな構造があるかというと、代表的な所では鉄筋コンクリート造と鉄骨造である。コスト的にどれが安上がりかといえば木造である。
フリーレン一行は物語を見る限り、金銭的に裕福とは言い難い様だ。スイーツを食べるのにもフリーレンのへそくりが必要なくらいである。お金が無いのだから当然一番安上がりな木造という選択肢が頭をよぎる。そもそもコンクリートの存在も今の所確認できない。絶対にないかと言えば、この世界でもローマ時代には既にコンクリートが存在していて、多くの建物が今とは違う考え方でコンクリートで作られていた。しかしそれが可能であったとしても、かなりのお金がかかるだろう。鉄骨造に関しても、武器や防具に鉄を使っている感じもするので可能かもしれないが、かなりの高コストになるので現実的では無さそうだ。やはり木造が妥当のような気がしてくる。
しかし建築費を安くあげる秘訣は…構造意外にもできる部分は自分で作るという事である。木造は仕口と言って部材の接合部…例えば柱と梁がくっつくところなんかは加工が非常に難しい。西欧の木造だとそのあたりは適当にやっておいて、合板を上から張って固めるというやり方をするが、合板を作るには樹脂や接着剤の技術が発達していないといけない。きっとフリーレンの世界に合板はないだろう。
という事で自分で作るという事になれば、壁は木造よりも中世のヨーロッパなどでは標準であった組積造の方がいいような気がする。組積造の分かりやすいところでは現代ではコンクリートブロック積みなどがある。フリーレンの世界ではコンクリートブロックは使えなさそうなので、レンガか本当の石積になるだろう。因みに梁や床組み部分は木造である。各構造部材が一体化しているとは言い難いので、地震にはあまり強くはない。しかし想定する住人は地震で建物が崩れようとも、死ぬどころか怪我一つしそうにないのでそこは良しとしよう。
フリーレンとフェルンは港の清掃の際に、浮遊魔法を器用に使いこなしていたので、単純な組積造の方がセルフビルド…また横文字を使ってしまった。自分で作るにはもってこいの構法だと思われる。木製の梁を壁の上に載せるのにも浮遊魔法を使ってもらおう。位置の簿調整など力仕事はシュタルクの担当となるだろう。
窓などの開口部の上部分には、マグサといって横に長くて強度の高い材料が必要になる。鉄を使わない場合木で作る事になると思うが、当然木だと鉄に比べて強度が劣るのであまり大きな窓は設けられない。光を取り入れる窓は大きくするのではなく、必要に応じて個数を増やすという事になりそうだ。
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