第11話

「さて、君達はどうする?サインするか?」


「バカバカしい。貴様に国が乗っ取られてたまるか」


会場の貴族達は皆同じ態度だった。


「そうか。」


バサ!

僕は分厚い束になった書類を床に落とす。


「これを見ても同じ事がいえるか?」


「これは?」


「この国の地方貴族達の同意書だ。皆僕の配下になった。」


「そんな馬鹿な!」


王が慌ててその書類を見る。そこには貴族の書類だけでなくその村のサインまで入っている。


「こ、こんなことが」


「どうする?お前たちが賛同しないのであればこの国から出ていってもらうだけだが…」


「あなた様が王になられた場合我々はどうなるのですか?」

ここで母の友達であるサリーの夫が質問する。どうやら説得できたみたいだな。


「別にどうもしない。僕に使えるのであれば特に変更はなくそのままだよ」


その言葉を聞いた貴族達が少し安堵する。


「そうですか。ならばわがコーリン家は今からあなたに使えます」


そう言って僕に頭を下げてきた。


「そうか。期待している他は?」


コーリン公爵家がこちら側についたことにより、次々と僕に頭を下げた。貴族は血が全てみたいだからな。


「認めん。こんな事あっていいはずない!私の子供ならなぜこんな酷いことを」


王が声を荒げる。僕に詰め寄ろうとするが僕の従者に押さえつけられる。


「ひどい?自分は赤子を見殺しにしといてよく言う。そうだなぁ。僕の質問に答えられたらお前を助けなくはない」


「な、なんだ」


「僕はいつ生まれた?性別は?名前はなぜこの名前だと思う?」


「そ、それは…」


「それがお前の答えだ。

全てお前がまねいたたねだ。もうお前に味方はいない。お前たちの処分はあとで伝える。この人間たちを同じ牢屋にしまっとけ」


「「ハッ」」


力なく引きずられる王家の人間たちを見送り早速貴族達に命令を出していく。


その迅速な対応に貴族の人たちは驚きながら素直に従った。

そして国の名前を変え斜陽だった国はあっとゆうまかそれ以上に豊かになった。


元王家の人間達は一軒家を買い与えた。そこで自分達で働いて生活しろといって。


ただ王子の方は使えそうだったから僕の元において働いてもらっている。彼は家族と縁を切って僕につかえるそうだ。


残った王家はもちろん家まで歩かせた。街の中をとおらせて。そしたらみんな今度は僕の見方になって、彼らに罵声を浴びせていた。

僕はそれを冷たい表情でみつめていた。


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