第5話
殆ど毎回通学を共にする僕と白露さん。肩を並べて歩くとなると会話のネタも必要になる訳だけど……普通に高校生活を送っていればネタは尽きないもので、普段は共通項を持たないような僕でも、白露さんと楽しく会話させてもらってる。気を遣わせてるのかなぁと思うと少し申し訳ないけど……なんか罪悪感も湧いて来た。
会話の内容は大きく二つのカテゴリに分けられる。一つは学校関係……テストとか授業内容の話だ。これの、とくに後者に関しては僕が聞いてそれを簡単に白露さんが解説してくれるって感じだけど……こんな頭良くって性格もいい人を疑ったというか現在進行形で疑ってる自分がいることに本当に罪悪感を覚えるけど、それはさておき、定期考査もあるので本当に話題に尽きないもので、度々話題に上がっては花を咲かせることが出来てると思う。
もう一つは恋バナである。恋バナと表したけど……異性の好きな部分とか、魅力に感じる部分、シチュエーションの話とか? 色々な方向性はあれど、恋愛的な要素が絡んでるから恋バナだな。うん。恋バナしてる。
僕も白露さんも男女の関係に少なからず興味を抱くお年頃ですし? 男女でする会話なのかは知らないけど、まあこれも盛り上がる。
「――それで佳穂ちゃんが、付き合う奴はスポーツ刈りしか認めないって」
「うわ意外。そういうの気にしない人だと思ってた」
「だよねだよね! 私もそう思ってた!」
今日は異性の好きな髪型の話になった。
どうも先日、白露さん達の間で好きな髪型の話が挙がったので、それを共有してもらうような感じになった。面識のない人でも、意外な一面を知れると面白く感じる。
「白露さんはどうなの?」
「あ、あー……私は好きになった人の髪型が好きと言うか……寧ろ私の髪型が相手の好みに合ってなかったら嫌だなぁって思うといいますか」
若干早口気味で聞き取りにくかったけど、髪型でどうこう言うタイプではないらしい。
「そっ、それで! 津木華君は髪型、どう思う?」
「僕も気にしないタイプかなぁ……」
――と返してすぐ、少し質問のニュアンスが違うような気がした。モテる人ってこういうところで相手の容姿褒めるんだろうね。まあ今更って話だけど。
「そっかぁ……」
どこか気落ちした様子の返事に、やっぱ返し間違えたなぁと他人事のように考える。
なお白露さんの髪は、手入れを欠かさないのかサラサラしていて、僕の目には非常に奇麗に映ってる、という感想は胸に秘めておく。
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