第6話

妖を倒し決意を固めた俺は巳の刻に家に着いた。

もう夕餉の時間だ。


窓からもう一度今の身体能力で入るのは困難な為裏口から入る。俺は気配を消すため霊力の放出を止めこそこそと入って行った。


…幸いなことに誰にも気づかれずに自室へ戻れた。

元々の霊力はほぼ無に等しい為気配を感じさせて辛いのだ。


暫くして


「白夜様。夕餉のお時間です。居間へどうぞいらして下さいませ。」


使用人が襖越しに言ってきた。


「わかった。父様は夕餉の席にはいらっしゃるか?」


そう、剣術と護符の術を学びたい為父様に話をしたいのだ。


「はい。御当主もいらしております。」


「そうか。先に行っていてくれ。俺もすぐに向かう。」


俺は襖へ手をかけ居間へと向かった。



















居間につき夕餉の席に着く。勿論今朝のように勢いよくバシンっ!と開けたりはしない。

俺は細心の注意を払いながらゆっくりと開けたのだ。ーーー完璧だ。不審がられなかった!



夕餉が始まり暫くした頃、俺は緊張しながら父様に声を掛けた。


「あの、、、父様!!!!!」


不安からかめちゃくちゃ大きな声になってしまった…


「?!…白夜?そんな大声出して如何した?」


「白夜君…?」


ヤバい父様にも母様にも不審がられている。


「あっ…いや…おりいって頼み事が御座いまして…」


「そ、そうか…頼み事とはなんだ?」


父様が少し驚いた顔で俺を見る。


何故ならこの時代の俺は父様に負い目を感じて御願いなどしたことが一度も無かったからだ。


「剣術と護符術を学びたいのです。」


「いきなり如何して…」


今度は困惑した顔になっている。それはそうだろう。昨日までは生きる屍のようだった俺がいきなり剣術と護符術を学びたいと言ったのだから…特に護符術については自分に才能が無い事を知った後学ぶ事を諦めたのだから…


「自分に出来ることを…特技を身につけたいのです。」


父様は少し目を開き嬉しそうな顔をした後


「分かった。白夜の意思を尊重しよう。剣術については先生を手配するね。護符術については私が教えよう。」


「有難う御座いますッッッ!!!」


またすごい大声で返事をしてしまった。


「そんなに喜んで貰えるなんて…」


「良かったわね!白夜君!」


父様と母様は俺を暖かい目でみていた。

とても擽ったい気持ちだった。


そんなこんなで夕餉の時間は暖かく過ぎていった。




















ーーーーー父様と母様は俺が守ってみせる

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