第3話

俺は着替えようと服を脱いだ

ふと鏡を見るとまだ幼さを残す顔と余り鍛えていない体が目に入った。

いや術師としての身体であれば普通…寧ろ鍛えている方だ。前の俺は刀でも戦っていた為武士のような身体つきだったのだ。

何となく構えをとってみる。

……何だかパッとしない。弱そうだ。


「…鍛えるか…」


いそいそと服を着ながら考えるのであった。






今へ向かう途中何人かの使用人とすれ違うと皆一様此方に顔を向ける。


(……???)

不思議に思っていると声をかけられた


「おはよう御座います。白夜様」


「………ッ」


侍女頭の笹貫綾香であった。

彼女には前の人生ではたくさんお世話になった。

使用人等が俺を落ちこぼれと評し仕える者としない中彼女だけは違った。

無表情ながらも優しく俺を仕えてくれていた。彼女の最期は悲惨なものだった。彼女は妖をみて怯えて動けなかった俺を庇い死んでしまった。

笹貫綾香もまた俺が救えなかった人である。


「如何されましたか?そんなに此方を見られて…」


ずっと目を逸らさずみていた為か不審がられた。

……確かに不審者だ。一言も喋らず見ているのだから。


「おはよう…綾香」


またこうして挨拶を交わせるとは…また熱いものが迫り上がってくる。


「…白夜様雰囲気が変わられましたか?雰囲気が凛とされていますね」

綾香がそう俺に言ってきた。


(……え?如何いう事?雰囲気が何だって?)


「雰囲気が変わったて?」


心底不思議に思う。だってまだ何もしていない


「はい。使用人全員思っている事です。いつもは猫背気味でまるで障気のような雰囲気を出してましたから。」


…そんなに?もしかして…


「…使用人が俺をみていたのはそのせい?」


「左様で御座います」


…口に出ていたか…雰囲気って何?

そんなものあるの?というか障気みたいなって…


「そ、そうか…」


それしか言葉が出て来なかった。


「このまま次期当主としての姿勢を貫いて下さいますよう。良き方向へと向かっているならば良いです。居間にて御当主様と奥様がお待ちになられております。」


「…ッ分かった。」


そう言葉を交わし綾香と別れた。






やっぱり綾香は綾香であった。俺の大切な大切な家族。

改めて思う。
















ーーーーー全てを変えよう。と

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