おれ
俺は俺を殺す事なんてできやしない。
そう、思っていたのに。
俺は、俺を殺した人間に転生して、俺の殺害を防ぐはず、だったのに。
なあ、おまえ。うちのこになるか?
俺の言葉が、誘因になったのか。
どの感情を、誘発したのか。
どの感情もない、殺意だけだったのか。
それとも、殺意すら、なかったのか。
逃れられようのない。
一気に爆発した。
一気に染発した。
俺は、俺ではなかったのか。
結局、転生した人間でしかなかったのか。
結局、俺を殺した人間でしかなかったのか。
記憶も感情も朧気でしかなかったのに。
日記でしか言葉を得る事はできなかったのに。
拒んだのだから当然か。
咀嚼から拒んだのか。
嚥下から拒んだのか。
口に入れる事すら拒んだのか。
言葉と記憶と感情を一つにまとめる事を、一つにする事を、一つにしては落とし込む事を拒んだのに。
俺は、俺ではなかったのだ。
俺は、俺ではなかったから、俺を喰らって、俺になろうとしたのか。
俺は、俺ではなかったから、俺を喰らって、俺になろうとしたのか。
俺を人間にしてくれ。
この緊願は、
(2024.6.1)
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