第8話 目的の場所
ーside ゼノー
「パパー!あたしにも名前つけてー!」
フェニの名前をつけたあと、エレメンタルドラゴンさんにも名前をつけてと懇願される。
確かに、いつまでもエレメンタルドラゴンのままだと呼びにくいもんな。
「じゃあ、エレンなんてどう?」
『エレン!可愛い!!』
どうやら気に入ってくれたようだ。
ちなみに、エレンは最初から俺の従魔だったので、特に名付けによって変化はなかった。
『それはそれとしてこれからどうするんだ?』
リルが大事なことを切り出してくれる。
「ああ、色々考えたんだけどさ、冒険の最中に1番楽しかったのがダンジョン探索だったから、世界中のダンジョン探索をしてみたいっていう気持ちがある」
『おおーそれはいいな』
『ですねー私もダンジョンは大好きです」
リルとフェニの反応はとても良い。リルは戦闘大好きだもんね。
人間の冒険者パーティだったら、周りが見えなくなってしまうことで迷惑をかけてしまっていたが、フェニがいればある程度は大丈夫なんじゃないかなとなんとなく思っている。俺も薬師の方に集中できるかも。
「エレンはどう思う?」
「んーー?パパと一緒だったらどこでも楽しい!」
「そうかそうか」
一瞬我が子が天使に見えてしまった。可愛い。
『主人、顔が終わってるぞ』
「いや言い方言い方、自覚あるけど」
ちょっと気が緩んでニヤケ顔になってしまっただけじゃないか。
そういうこともあるよね。
『まあ、否定はしませんけどねえ。破顔の限度があるでしょう』
「そ、それもそう」
この話題、形勢悪すぎるな。話題を変えよう。
「それはそれとしてさ、最初のダンジョンは隣国の大国、グラントニア王国がいいと思うんだよね」
『いいんじゃないか?あそこは食い物がうまい』
『ですねえ、それに大国であるため様々な物や素材が集まるといいます。しばらく拠点にするのもありでしょう』
『楽しみー!』
「そうだな、そうと決まれば早速向かうぞ!」
『あ、待ってパパ!』
「……どうした?」
『どうせなら、エレンに乗ってー!』
そう言うと、エレンは少し移動し、とてつもない大きさになる。
「そんな大きくなれたのか……すごいな」
『えへへー!エレンに乗ったら早めに着くよー!』
「助かるよ」
今の大きくなった影響で周りにトレントが全て薙ぎ倒されたようだ。回収してから乗る。
『それじゃあ、しゅっぱーつ!!』
ーービュォォォォォォ!!
「ーーって、はっやーー!全然揺れないし快適すぎる」
速すぎて景色を堪能する余裕はなかったが気づいたらあっという間に隣国グラントニア王国の国境付近についたのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[コメ]
近況報告ノートに主人公のAIイメージイラストがあります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます