第10話 迷惑配信者は嫌われ者だった。

 エッジが嫌われるのは当然だった。彼の行動は他の冒険者にとって迷惑極まりなく、時に命の危険すら伴う。だが、エッジはその状況を楽しんでいるかのようだった。


「俺がいるダンジョンで、面白いやついねえかな〜」


 ダンジョン入口で、動画配信者のエッジがスマホで配信している人を見ていた。これは、いつもの品定めだ。ダンジョン内で、どんな人がいるのか、可愛い子はいないか、動画的に痛打って面白いやつははいないかなど品定めしている。


 エッジは、モンスターをわざとスキル挑発で挑発して追いかけられるようにして、他のパーティーやソロ冒険者に擦り付けモンスターと戦わせたりしている。新人冒険者には、討伐が難しいファングウルフなどを襲わせて、重症を負わせたりしている。それでいて、自分は遠くから鑑賞して楽しむ動画配信者だ。


 逮捕とかされないのか?そう思う人も多いが、エッジは言い逃れの天才だ。


『こいつらが、俺のモンスターを横取りするために来たんだ』とか言って、うまく法の抜け道を利用している。これが、彼がまだ自由でいられる理由だ。


 冒険者からは完全に嫌われ者である。だが、それを全く気にしないエッジは、今日もダンジョンでその悪行を続ける。彼の動画はその過激さゆえに一定の視聴者を引きつけている。エッジの存在に苛立ちながらも、エッジはここら辺では、かなり強つよい。


 復讐したい。仕返ししたい。など、考えている人は多いのだが、抵抗できる人たちが居ないので、エッジのやりたい放題である。


掲示板では、『エッジウザい誰か倒して』っというスレッドが何度も立つ位だ。まあ、いいアイデアとか浮かばず終わってしまうが。


 エッジは、拓真達が居るダンジョンで、早速動画配信をしている登録者1万人程度の冒険者を2階層で見つけた。

 

 3階層に居るオークを挑発。ワザと追いかけられ、2階層に居る冒険者とオークをうまいこと合わせ戦わせることに成功した。


「おいおい、もっと粘れよ〜俺の視聴者は刺激を求めてんだよ!」

「う、うぁあああ!!助けてくれえええ!!」


 2階層では存在しないオークと鉢合わせた冒険者は驚き、逃げようとするが追いつかれる。ハズのエッジの笑い声が響き渡る。その姿を見て、エッジはカメラに向かって叫んだ。



「助けて欲しい?10万払うならいいけど。」

「は、払うから。助けてください....おねがいじまず....」


 と言って、モンスターを倒して金をもらったりしてる。お金を払わねければボコボコにして見せ物にしたりしている。


 それも、自分が配信している最中に行われるので、配信を引退する人も出てしまう。


「お?銀髪美少女発見〜今日はあの子でいいかな〜今日の配信終わったしあの子を口説き落としてあげるか〜」


 拓真達より先回りしてまた、魔物を挑発してぶつけ→助ける。の、いつもの手口でリリスを口説こうとした。

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