第9話 配信者って難しいね。
「ねえ、拓真さん。私は、こんな軽装備で行くのは無謀だと思うの。」
リリスが、ダンジョンに行こうと家を出る準備をしていると文句を言ってくる。
「仕方ないだろ。俺は、このポッキリ折れた光月で、全財産を使ったんだから。もう、装備に回せるお金は無いんだよ。元とは言えダンジョンマスターなんだからそれぐらいなんとかしろよ。」
「あら、身の丈に合わない武器を買って直ぐに壊すとか笑えるんですけどw」
「それは、お前があんな怪物を2階層に送り込んだからだろ。もし、ゴブリンだったら華麗にこの光月でスパッと斬っていただろうな。」
「クスクス、ニートがイキがってるは〜」
ウザかったので、頬をツネってやった。
********
何だかんだ合ったが、ダンジョン配信者としてダンジョン内に向かった。
お金がないのに配信用機材は、どうしているか?
そんなのかんだろ。借金をして、買ったに決まっているだろ。
「よ〜し、10万円も借金したんだから配信頑張って、借金返すぞ〜」
「ねえ、まだ。頬が痛いんですけど?」
「自業自得だ。」
「これで、配信するの?」
「そうだ。設定した位置を固定して、障害物も避けてくれる高級カメラドローンだよ。早速、配信始めようか。」
と言って、スマホで配信ボタンを押した。
すると、ドローンが起動し、あらかじめ設定た角度と距離で撮影を始めてくれた。
配信は初なので、俺達は何を話せばいいのか、どうやってモンスターを倒して盛り上げるか分からなかった。
だが、まあ、いつも見ているダンジョン配信者としてを意識しようとしても難しい。
「ねえ、拓真さん。今って、どのくらいの人が見てるのかしら?」
「一人」
「それって、絶望的じゃないのかしら?私たちって、ダンジョン配信でお金を稼ごうとしているのよね?」
「ああ。」
「無理じゃないの?何とか、5階層来て2時間位配信してるけど1人って無理じゃないの!!もういやだぁあああ!!モンスターが私に向かって来るから、ファイーボールとかで倒してるけど、一向にアイテムとか落とさないしいいい!!もういやよおお!!早く帰りたいいい!!早く帰って、パソコンで動画見たい!!アニメ見たい!!」
地面に寝そべりながらショッピングモールで欲しいおもちゃを買ってもらえなかった時の子供が駄々を捏ねているような感じで大きな大人ながジタバタとしている。
「おい、駄々をこねるなよ。こっちだって、お前が美人だからすぐに登録者とか一瞬で1万とか行くかな〜って、思ってたんだよ。」
現実はそう甘くは無かった。
2時間近く配信をしているのにも関わらず、チャンネル登録者数1人(自分で押した)で、全く見られない。
何でだ?
一応、美少女なリリスがいるんだぞ?それなのに、チャンネル登録者数とか増えないんだが!?
中々、配信者として成功するのが難しいとヒシヒシと身に染みていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます