第4話 掲示板反応

「拓真さ〜ん。ちょっと、そこの雑誌取ってもらえるかしら〜」

「.....」

「拓真さ〜ん?」


 こいつが来てから、1日も立たずに堕落した。


 こいつ、マジで動かねえ。


 ダンジョンマスター(元)なら、何かダンジョンアイテムを持っている...ってこともなかったし....


 マジで、役に立たない。


「おい、リリス。ダンジョンに帰らなくていいのかよ。」

「まあ、ダンジョンマスターじゃ無くなったしいいかな〜って。それに、私がダンジョンマスターでもしダンジョンクリアされたら別のダンジョン作ったりする感じの仕事してただけだから〜ちょっと、この生活もいいかな〜って。」


そんな感じで、ダンジョンマスターに戻りたかったリリスが自堕落ニートにジョブチェンジしてしまった。


「いや、俺にはお金が無いんだ。だから、ダンジョンでお金を稼ぎに行くぞ。」

「ええ〜」


雑誌を読みながら、嫌な顔をしてきた。


「それより、元とは言えダンジョンマスターだったんだから、何かしらの能力とかないのか?」

「ふっふふ〜それはもちろん。私のレベルは99で最強なのよ。」

「そうか、じゃあお前だけでダンジョン挑んでモンスター倒してドロップアイテム拾ってこいよ!!」

「いやよ!!こんな生活を覚えたら、私もうダンジョンに戻りたくないによおおお!!嫌よおおお!!」


畳で両手両足をばたつかせて、行きたくないと体全体で表現している。


「明日から行くぞ。バス代だって、バカにならないんだから。それに、全財産で買った俺の相棒だった光月も折れてしまったし....」


俺は、折れた光月を見ながらしおらしくなっていた。


「わ、分かったわよ。それより、あの板みたいなの何かしら?」

「ああ、パソコンだよ。そういえば、スレ立ててなんも反応してなかったな。」


そう思い、パソコンを開けた。


「なんじゃこりゃ!?」

「どうしたの?」

「なんか、めっちゃ書き込まれてる」


46: ダンジョン@匿名

あ、逃げる様子の動画撮った→http....jp


47: ダンジョン@匿名

>>46ナイス〜


っとか、俺に関係ない事で盛り上がっていた。


56: ダンジョンパイ毛

生きて帰還


57: ダンジョン@ 匿名

>>56うお、生きてたのか


58 :ダンジョンパイ毛

なんか、ダンジョンマスターになった。


59: ダンジョン@匿名

>>58 嘘乙


60: ダンジョンパイ毛

それより、何で盛り上がってたの?


61:ダンジョン@匿名

>>46の動画見ろ


URLをクリックして、動画を見てみると数秒の動画で動画内容は俺が逃げている様子だった。


62:ダンジョンパイ毛

これがどうしたん?


63:ダンジョン匿名

コイツらが、ダンジョンからテレポートしたんだよ。今、ネットでバズってる。それに、後ろの白髪美少女が美人すぎてヤバい件でもバズってる。今ネットのトレンドだな。


64:ダンジョンパイ毛

それ俺らだわ。


65:ダンジョン@匿名

>>64嘘乙w


66:ダンジョン@匿名

>>64嘘


67:ダンジョン@匿名

>>64 証拠見せろw


「拓真さんどうしたの?」

「まじか、俺達SNS内でバズってるらしい?」

「ん?」

「色んな人が注目してるってことだよ」

「へえ〜私の美貌に魅了されたってことね。いいのほ。拓真さんも私のこと可愛いと思ってるんでしょ。特別に私の事をマジマジと見ることを許してあげるわよ。」


少し、リリスの顔を見て「はぁあ」っとため息をついた。


確かに美少女だけど、性格を知るとな...


「ね、ねえ、何そのあからさまなため息」

「いや、なんでもないよ。」


 俺は、お茶を飲みに台所に向かった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る