第10話【許さない】

「おい。泣いてんじゃねえ。戦いはまだ終わってないぞ」

アリウス「...え?」

そう言われたので前を見てみる。すると

悪魔D「はぁ...はぁ...あのバカ、俺ごと爆破しやがって...」

「悪いけど、話をしてる時間はないんだ」

ジャギィィ!!

悪魔D「は...は!?ゴフッ!」

悪魔はすでに謎の男に身体を突き破られていた。

「お前らは脳と心臓の機能の両方を失えば消える。つまり今から脳を貫く」

悪魔D「あぁ...だがもうタイムオーバーだ」

ビュゥゥゥゥン!!

アリウス「え...あれって」

「っち、そういうことか」

私が見た先には20体以上の悪魔がいた。その悪魔達は一斉に突撃してくる。しかし

「俺の前でそんな行動は許されない」

謎の男はそう言って片手を前に突き出す。すると悪魔たちの動きが突然止まったのだ!そして男はそのまま手を握る。その瞬間

ドガァァァァァァン!!

なんと悪魔達の身体が弾け飛んだのだ。この男何者だ...

「仕事は終わった。帰る」

アリウス「ま...待って!アンタ何者だ!」

「少女、気安く正体は聞くものではないぞ。覚えとけ」

シュン!!

そう言って謎の男は一瞬で姿を消した。

アリウス「本当になんなんだあの男は...」

あの男は私たちでは絶対に敵わない力、絶対的な力を持っていた。おそらくセブンでも勝てない。

アリウス「あぁ〜!あんな風に強くなりたいなぁ〜!」

アリウス「けど...今は仲間の死を惜しもう...」

そう言って私は仲間一人一人に感謝の気持ちを述べていくのであった...



ーセブン視点ー

許せない。

あいつ、いや正確にはあいつらは俺らの宝を一瞬で消し去っていった。こんなもの、許されるはずがない。あの時の少女も、長老も、みんな消えていった。長老は俺を魔法で移動させ、犠牲になってしまった。そして少女は俺と笑顔で関わってくれてたのに...その笑顔は、どこにもない。

セブン「...返せよ」

俺はぽつりとそう呟く。俺は今少女の家、俺を匿ってくれていた家にいる。しかしその家は瓦礫すらも残らず、残ったのは少女が持っていたハンカチだけ。多分最後に目印にと全力で上に投げたのだろう。だから少し焦げたハンカチは彼女の死を知らせてくれる。

セブン「ふざけんなよ...!」

その時、大地が大きく揺れる。まるで俺の怒りを表すかのように。

セブン「ああああああああああ!!!クソォォォォォォォォォォ!」

そのとき俺の大嫌いなやつが現れる。そう。悪魔だ。絶対に許さない。

悪魔「なんだなんだ!?めちゃくちゃ揺れてんじゃねえか!まさかアイツが原因か!?」

セブン「返せよ!!」

悪魔「やっば!?」

ドガーン!!

悪魔「嘘だろ!?一発で俺の腕吹き飛ばすって!?」

セブン「黙れ。返せって言ってんだろうが!恩師と家族を!」

ドドドドドドドドドドドドドド!!!

悪魔「うっ!?はっ!?やばい!?」

セブン「てめえらは生きてちゃいけねえだろうが!」

セブン「喰らえ!天神砲!」

ビュゥゥゥゥゥゥゥン...

悪魔「ごぇぇぇぇぇぇぇ!?」

怒りのこめて放ったその攻撃は悪魔の上半身を消し飛ばした。

セブン「クソ...許せない...」

俺はその場に泣き崩れ、俺を想ってくれたみんなのことを考えるのだった...

次回に続く!

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