第5話【孤独な少女】
アリウスとの戦闘を終え、帰ってきた俺は少女にアリウスと戦ったことを告げると少女は驚いた。そのため俺はアリウスについての話を少女に聞く。
少女「アリウスはね...この村で忌み嫌われているんだ。それも生まれたときからね」
セブン「なんでだ?生まれたときから嫌われるなんてどういうことだよ」
少女「アリウスの一族はね、悪魔に血を捧げる一族なんだよ。でもその一族の先代が突然悪魔と縁を切ったんだ。その結果悪魔がこの世界に蔓延るようになったの。そのせいで一族は忌み嫌われるようになったんだ」
俺は驚いた。アリウスの一族は悪魔に血を捧げていた?でも先代が悪魔と縁を切ったせいで悪魔が暴れだした?だからアリウスは嫌われる?
セブン「意味が分かんね。アリウスは無関係だろ」
俺はそう言葉を零してしまう。そのとき少女が言葉を発した。
少女「あの一族はね、血を失うごとに寿命が縮んで、力が強くなるの。アリウスは生まれてすぐ血を抜き取られたんだろうね。だから歩けるようになったころから強かったんだと思うよ」
セブン「...はっ?てことはアリウスはもう長く生きられないってこと?でも血って増やせるだろ?なんで寿命が縮むんだよ」
そう、鉄分などを摂取すれば血を増やすことはできる。少女の言い方だと血が増えないというような感じだが...
少女「もちろん食べれば血は増えるよ。でもね、あの一族の血は特別なんだ。その成分はどんな食べ物からも得られない。そしてその成分の量で寿命が決まる。そして少なくなると身体が危険を感じて力の回路を破壊する。そして破壊されるといずれはオーバーヒートする。寿命の縮みとともに回路はすり減っていく。だからアリウスは力を使うべきじゃないんだよ」
セブン「そ...そうなのか...どうすればいいのかな...」
俺はわからなかった。悪魔に血を捧げるなんて聞いたこともないし、寿命の延ばし方なんか神にもわからない。しかし少女は小さくこうつぶやく。
少女「特別な成分を全部抜いてそれに適応させるか種族ごと変えないと...」
セブン「...」
俺はあえて返さなかった。返したらめんどくさいことになりそうだったから。
流石に全く話さないのも悪い気がしたので、一族の話はやめることにした。
セブン「まあアリウスは村の人々から嫌われてる、つまりは孤独ってことだろ?」
少女「う...うん...でもあの子はこの村の治安を守ってくれてるんだよ!」
セブン「え?それってどういう...」
俺はよくわからなかった。なんで嫌われているアリウスが村の治安を...?と考えていると
少女「この村の悪い大人たちをやっつけてくれてるんだ!だからこの村はまだ悪い大人たちに支配されてないんだよ!」
セブン「そうだったのか...だからあの時チンピラを倒してたのか...」
俺はそれを聞いて立ち上がり、すぐに家を出た。
ー待って!あなたは村八分にされてるんだよ!?ー
そんな声が聞こえてきたが、そんなことはどうでもよかった。
俺は走り出す。彼女を...救うために...そして居場所を作ってあげるために...
次回に続く!
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