俺の嫁さん、こう見えても可愛いところ、あるんだぜ

〜タツの夫、ヒロ視点〜


『それじゃあババアを○してくる、行ってきます』


『タッちゃん、○しちゃ駄目よ!?』


『ヒロの母ちゃん、つまり輝夜母ちゃんをオレの真の母にする為には、セフォルニアと言う世間体破壊王を破壊しないと駄目だ、そう、追放と言う名の死、死ぬ事でヒロとオレが変わる、それじゃ!』


 人の母ちゃんとチェンジしようとするなよ…

 後、出ていった格好が現場帰りの下半身ダボダボのニッカポッカで、上がチョッキだけに金属バットと目出し紙袋…その格好で徘徊するなと言う言葉を彼女に一番伝えたい。

 あの母娘に言える事は、それぞれがお互いを恥だと思っているが、実際二人ともほぼ同じ行動を取っている事だろう。


 まぁ良いや…で、サトルとセツコさんはどうなってるの?


『うおおおお!!アレはゲ○ッパじゃねぇ!セ○クスマシーンナッ!俺はマシーンナッ!?』

『おびょびょおほほほおおおおおお♥しゃとるましん♥しぇくしゅみゅしゅんっ♥』


 俺もこの二人には色々世話にもなったし関わってきてるからな、二人がこれで幸せならそれで良いんじゃないかなと思うが…

 ただ、サトル…プレイ中、周りに人多すぎだろ。何で二人のベットの周りに五〜六人、女がいるんだろう…

 サトルとカエデさんが上手くいくようにと思ってタツの言う通りにしたが、こんな事になるとは思わなかったな。

 

 娼館サトルオークだっけ?

 確かに俺はタツに言わされて娼館とか言ったが、デリ○ルなんて言ってないのに…聞いた話だとサトルの病室にやたら女が出入りして、途中で何でか病室がVIP部屋みたいになっちゃって、ネコとかセツコさんとかとやっちゃってるし…

 幼馴染のネト(寧々子の兄)も『本人(ネコ)が良いなら良いんじゃない?結婚する気なさそうだし、金稼いでるだけだと嫌なんだろ』とか投げやり。


 サトルの楽しみはとにかく自分を解放と言うか、勢いで偉そうな事を言いまくり嬢だからそれを全肯定、つまり全能感を楽しんでいる訳で…

 ネコと街ですれ違った時に聞いたら『神と呼んではいけない、神は既にサトルさんの股の下、だから呼ぶ時はただサトルさんとだけ、皆、大きなサトルさんの股の下なんです』と言う話を聞いただけでもう駄目だと思った。


 どうなってるのかメールでサトルに聞くも『ヒロの資金源の為に全力で楽しむからな』とか言うし…違うって言っても『分かってるから』とか、絶対分かってない返事くるし…最後に俺のせいにされそうだし…


 退院したら誤解を解こうと思ったら収集つかなくなってるし…


 

 不安に思いながら見ていると、サトルは寝そべっていて、その上にセツコさんは騎乗していた。凄まじい勢いで腰振ってる。

 他人のエロを見ると、元カノが幼馴染に寝取られていた事を思い出し少し複雑な気分になる。


 そして、こちらも結構速いな…まぁホテルが地元の友達・ヤクザ風の家のツッチが経営してるラブホテルの一つだからなぁ…ちなみに俺も昔はよく使っていた。


 タツはホテルに着いてから、気配を消して高速で動いたんだろうな。でないとこの部屋は、一番金額が高い所で、入り口でツッチに止められるからな。

 


 そして今、セツコさんの背後に立っている。

 ノーモーションでバット振り上げ、そのまま下ろす…セツコさんの頭へ…


『ベイベッ!』【ゴィンッ】【パン】『アフンッ♥』

『ベイベッ!』【ゴィンッ】【パン】『オファッ♥』

『ベイベッ!』【ゴィンッ】【パン】『イギイッ♥』

『ベイベッ!』【ゴィンッ】【パン】『アアオッ♥『テメェババア、オレの叩くリズムに合わせて腰振ってんじゃねぇ!!』


『『『『『ぇ!?』』』』』


『痴女ババア!貴様いっぺん死ねええええええええ!』


『ゴインッ!』『ドゴッ!』『グアンッ!』


 「凄いわね、半グレの襲撃?どうかしているわ」


 気付いたら横にいたイクエちゃんが映像を見て汚物を見るような目で見ている。


 タツが気配を消して頭を殴っていたが、餅つきの様にリズム良くサトルの『ベイベッ!』に合わせて腰を上下に動かすセツコさんにキレたタツは、急にセツコさんを上下左右の滅多打ちにし始めた…その人、貴女の親ですが…

 同時に周りの人が反応した。


 『『『『うおあ!?』』』』

『何だお前ッ!?いつのまに!?』

『おい!止めろ!出せ!何だコイツは!』


『ちょっ邪魔すんじゃねぇ!!』


 サトルと、セツコさんは全く気付いていないが周りは気付いた。

 タツは武術の達人だ、あんな感じで気配を消すと暴れるまで全く存在を感知できない。

 気配を消す事を知ってる奴以外は…

 ただ、興奮するといきなり存在感が出るから、いきなりその場に現れたみたいでビックリする。


『コイツ!?ハカイ!マンゲ!コワイ!タカジョー!タカジョー!』

『何だと!?クソったれ!こんな時にか!?』


『待って!攻撃しちゃ駄目!追い詰めて!手を出さずに追い詰めて!囲むように!』


 お?正しい攻略法を知ってる人がいる…てか、カエデさんじゃん…サトルが教えたんだな…タツは攻撃しなければ攻撃できない事を。

 タツはアイツなりの矜持みたいなのがあって、手を出すまで自分も出さない。

 囲む様に、追い詰める様に移動すると勝手に追い詰められる。


 …結果、逃げる。


『クソ!メイプルン!貴様!絶対…なんかするからな!』


 情けない捨て台詞を吐いて逃げようとするタツ…5人ぐらいのアベコベな格好の女達がタツを追い詰めようとする。


『エレベーターに逃げるぞ!乗せちゃだめだ!』

『分かった!皆、散りながら追い詰めろ!ネコ以外皆来い!』


『何者だ!?邪魔すんな貴様らあああー!』


 流石VIPルーム、エレベーターがそのまま入り口のようで、タツがエレベーターのボタンを押すが間に合わず別方向の壁に逃げ追い詰められる。

 ハァハァ言いながら例の格好、血だらけのL字に曲がったバットを振り上げて止まった。


『近寄るなぁっ!!くっ…あまりに焦ってコケシ忘れた…これはヤバイ…お前ら!揃いも揃って馬鹿みてぇなエロ戦隊みたいな格好で…このバットみたいに…L字…そう、シンドーL先生の変身みたいに真面目な眼鏡少女が廃人みたいになる転落人生みたいにしてやろうか!?』


 相変わらず何言ってるか分からない。

 エロから得た知識で話すから、しかもニッチ気味な。だからマジで何言ってるか、分からない。


『マンゲ!コワイ…サトルんん!タカジョー!』

『これからどうすれば良いんだ…』


 囲んだものの、困ってるな…と思ったら…


『私に任せて下さい!藤原さん!勝負です!』


『ほう?道場一の私と勝負を挑むとは…』


『勿論、ダンス!ブレイクダンスて勝負です!』


『は?あ、おい…待て、踊り始めるな、おい…』


『皆、リズムをとって!声援を!』


『ナニ ヤッテルンダ?タカジョー?』『いや、ダンスだな、声援とかリズムって…』

『カバディ?』『それかも分かんねぇな…』


 そしてカエデさんがウサギの変身ヒロインの格好の踊り始める。

 もしかしたら、誰かからタツの子供の時の『天才スポーツ少女を探せ』のコーナーで天才ダンス少女の横で阿修羅流の型をやれって言われて生き恥をかいた事を知っているのか?


『カバディカバディカバディカバディカバディ』


『黙れ!黙れぇ!この変身バットが目に入らぬか!』


 カバディの掛け声も始まった…これは誰得何だろう?


「アハハハ!ネタキュン!照虎!見てご覧なさい!バカよ!バカの集まりよ!アハハハハハハ!」


 横でイクエちゃんが爆笑してる…本当に楽しそうだな…イクエちゃんから聞いたが、この人達は不知火と言う日本最大の裏組織の幹部やら、同じ格付けの海外の組織の幹部で構成されているらしい。

 サトルは分かってんのかな?


 ちなみに先ほどからだが、カメラが俯瞰の視点、監視カメラみたいな位置になっている…


 おや?サトルが…マジックミラーの部屋みたいなのでプレイしていた様だが、セツコさんにバックで入れっぱなしのまま出てきた。

 セツコさんは背を伸ばし両腕をサトルの首に回しキスをせがんでいる。

 て言うか…セツコさん、胸がデカくなってるし髪も顔も変わってるけど…


 いやぁ…変わったなぁ…いや、それはともかくそこから出たら…


ガチャッ


『続きとキスは水を飲んでからっ!もう喉がカラカ…………………クソ漏らし…タツ?』


 謎の現場に出くわすサトル…どうするんだろ?


『サトルウンコ!このNTRダンス馬鹿と肩組んでる馬鹿共をどうにかしろ!助けろ馬鹿!母ちゃんは死ね!』


 タツは辛辣だな…それにしてもサトルに助けを呼ぶとは…全員が注目するなか…


『…………………俺の名はサトルオークッ!………チェンジッ!』


『は?チェンジ?変身ヒロイン気取りはそのババアだが?』


『違う、いつかお前が嬢で来るかなと思っていたが、やはりお前とはやりたくない…趣味じゃないから…だからチェンジッ!』


『は?何でお前と?それ、オレの台詞だが?』


『後、ヒロの顔のチラつくとか嫌だし、NTR嫌いだし…自分が嫌な事は人にしたくないっつーか、自分がされた嫌な事はしたくないっつーか…とにかくチェンジ!』


『…………ごめんなさい…』


 小声でカエデさんが謝った…


『いや、ふざけんなし?オレが用事あるのは…婆さん…何で胸デカくなってんの?妊娠?』


 もう収集がつかないな…俺も関わりたくないし…


チーーーーーーン!ガガガー

『お客さん!どんな事してんのか知らんけど下の階から苦情が…苦情………………タツ?』


 お?救世主か?ホテルのオーナー、俺の友人のツッチーこと土橋が注意しにきたようだ…ラブホって大変だな…


 ウイーンッガンッウイーンッガンッウイーンッガンッ


 エレベーターが途中まで出たツッチを挟んでは開き挟んでは開きを繰り返す。

 うむうむ、ラグビー体型のツッチにはビクともしないぞ(笑)


『おや?…読めた!そこの支配人!タツをチェンジ!で頼む』


『いや、うちはそんなサービス…ていうか…チェンジ?…タツ?…お前タツか?ヒロに言うからな、デリで働いてるって…ていうか何で金属バットに血…………………後、警察ううう!?』


『土橋クソデブ待てこらああああああ!』


『待つのですわ!警察は速いですわ!』


 ツッチが転がりこむようにエレベーターに入り、それを空中に飛び、壁を走る様に駆けてエレベーターに滑り込むタツ。


 更にそれを追いかける様にエレベーターに雪崩込もうとする軍団…


 ギリギリ…タツとネコの友達のレイラちゃんだけ滑り込んだ。

 

『あっちに非常階段あったぞ!イロハは残れ!他は追いかけるぞ!』


 バタバタバタバタバタ…


『……何だかよくわからんが続きをしようか』

『もっとぉもっとぉしゆてぇ♥♥』


 この後、何故か俺がツッチに滅茶苦茶怒られた…     

 しかし、この出来事はまだ序ノ口で、サトルの暴挙はもっと酷い事になるとは思わなかった。



――――――――――――――――――――――


 俺は木山悟、サトルオークではない。


 仕事を掛け持ちする、普通の男。

 夜は家族がいても風俗に行っちゃうちょいワル親父。

 勿論行くなと言われればいかない、うだつの上がらない男だ。


 俺には子供が5人いる。

 俺に対する想いはそれぞれだ。

 『ぱっとしない親父』『素晴らしい父親』『友達みたいな人』『頭がおかしい人』『ポ○チン』


 母親が…全員違うからな。そして奥さんも違う。

 


 ある日義理の息子っていうのかな。

 相談を受けた。恋愛相談だ。

 その話を最後にしようか。

 それで終わりだ。

 俺の話なんて、人生なんて、たいしたこと無いんだから。



※約束反故をすいません!後3話ほどお付き合い下さいませ!

 

 

 

 

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