運命の交わりの考察④娘が娘なら母親も母親

※皆様の想像力次第です、この人の行動は全部反面教師です、こうなったらお終いなので真似する人がいるわけ無いです。つまり中身はえぇ、はい、何も問題はありません。いつも読んで頂きありがとうございます♥



〜母(セフォルニア)視点〜


 ある日、散華ちゃんが興奮しながら教えてくれた。


『すごいんだよ!?サトルしゃん、ヒーローみたいで!お母さんをバンバンって!』

『そうだね、サトル君ってきっと遅漏よね、私をパンパーンって筋肉バ…』


 興奮の熱にやられてちょっとおかしくなりましたが…


 私は直接見ていないから知らないけど、サトル君はタツ…娘に勝ったらしい。

 なんだそりゃって感じだけど、孫の散華ちゃんが教えてくれて、その時の写真を見せてくれた。


『バァバ!サトルしゃんかっこよかったよぉ〜』

『ぉ゙っ!?♥』

『え?なにバァバ今の声』

『ぉ゙っおお…さんちゃん…この写真コピーしてちょうだぁい?他の写真もあったらちょうだぁい?』

『う、うん…バァバ、目が怖い…』


 散華ちゃんを片手で抱っこしてサムズアップして笑うサトル君…散華ちゃん相手にはとても綺麗に笑う、勝ち負けとかどうでも良い。

 正直、鼻血出る。

 孫に写真をコピーせよと強要してしまう…そんな私にも孫や根多家の人は皆良い人、娘以外は。

 なんせ一緒に住もうと言ってくれたから。

 特に娘の旦那、ヒロ君のお母さんの輝夜さんは私を親戚であり、親友と言ってくれる。


 と言う訳で私は恥ずかしながら、そんなこんなで根多家の改築した一室に住んでいる。

 四畳半の元子供部屋によく引きこもる、大事な私の時間、ラブロマンスを楽しむ時間だ。

 

 セフォルニアの時にブイチュボー?みたいなものでインターネットで見てる人が沢山いるようだ。

 その人気を得る為に、古い知識を更新する。

 ブラウン管で見たヒーローではいかんのです。

 よって、娘の部屋から盗んだ薄い本等で勉強する。

 しかし、最後はすぐエロくなる…馬鹿が読む本だと思った。


 ちなみに白雪結晶セフォルニアの事は、特に周り説明してなかった。

 ただ、最初は孫の照虎ちゃんが喜ぶから、それだけ。


 ある日、あんまり考えずセフォルニアのまま部屋を出たらヒロ君のお父さんの葛良さんに遭遇し、葛良さんはびっくりして階段から落ちてた。

 下にはヒロ君もいたので二人にはバレたが、見なかった事にしてくれた…正確には師範をしている道場どはバラされたが。

 でもでも本当に、良い親類に恵まれたと思った。

 

 そして最高の朗報、最愛のサトル君がウチの職場で働きたいと言い出した。

 本業はゼネコンで、建設会社の雇われでお飾りの社長をしている娘に仕事を斡旋していると聞く。

 そんな偉い人が何故と思ったがどうやらコルセンは趣味らしい。

 働き過ぎじゃないかなと思うが、余計な事は言わない。


 この日から私が壊れが加速して行く…


 サトル君はあっという間に馴染んだ。パートで週に2、3日しか来ないのに私より古株なのではないかと思うほどだ。

 イケメンで優しくて気を使える独り身…どういう事だ。


 場を和ます、喧嘩の芽を潰す、決してイライラしない。私はいつもキリキリしているがそんな時いつも彼は…

 

『セツコさん、そんなにキリキリしないで。ほら、笑って笑って!』


『う、うん!』……………ニチャア♥


 私は綺麗に笑えただろうか?


 そして、あれ程荒れていたウチの職場の関係が良好になっていく。

 私は一時期『いきりキレおば(いきなりキレ散らかしおばさん、他意味多数)』とか『万年更年期』とか呼ばれてのを知っている。

 そんな分かりやすく管理者対パートの図式が長年出来上がっていたのに2週間程で解決した。


『話せば良い人だったよ、大変なんですねって言ってくれた…サトル君の言う通りやったら…』

『いやいや、セツコさん。元から皆知ってましたよ、頑張ってたのは!大事なのは笑顔ですよ!え・が・お!』


 ニチャア♥


 そしてセフォルニアの視聴者数も増えた。


 理由は特に…いや多分…私は阿修羅道場という古武術の師範代をしているが、皆に辞めて欲しくないから道場では手を抜いたりわざと負けていた。

 そもそも道場だ、門弟を本気で再起不能にする訳ない。しかし、ウチの道場は自殺志願者が後を絶たない様に本気で殺れと要求する。無論、断る。


 しかし…セフォルニアの事を知られた根多父子や阿修羅道場の人達が仮装してセフォルニアが出る所に行き襲いかかると、師範代の私が本気を出してくるという噂が広まり毎日の様に襲いかかってきて、敵に事欠かない。そんな連戦していたのもあるんだろう。

 勿論、バラされたく無いから本気でやった。


 派手に倒していたら日間だが視聴者数がトップ10入りした。

 ぐふぁ♥サトル君、実は私がセフォルニアだと知ったら驚くかな?♥ 

 

 色んな事が充実していき、心が満たされる。

 今まで我慢してきて本当に良かったと思っていたのに…




 …サトル君が事故で入院した。

 仕事で鉄骨が落ちてきて怪我をしたらしい。

 一時期は危ないかもという話まで行ったと聞いて気が気でなかった。


 一番に行きたい想いを堪え、娘夫婦が最初に見舞くべきだと思ったが…我慢できず夜中に忍び込んだ。


 寝ているサトル君…身体を触る、命に別状は無いが…怪我が痛々しい。

 身体を触る…身体を…さわ…る♥


 とりあえず精力を付けるべきだと思い、点滴に私の取り扱っている通販製品の精力剤・馬並ポコティロンを混ぜた。

 身体に問題はない筈だ。

 更に元気になるようにデカリングギガを股間に装着した。

 股間の元気は、身体の元気。

 


「早く良くなりますように…チュ♥」


 私は涙を流しながら、そっと寝てるサトル君にキスをした。ウヒぃ♥


 帰っても心配で仕事も手がつかなかった。

 サトル君のいない職場は毒キノコの郷みたいなもの、イライラしてしまい職場での環境(主に対人関係)も悪化した。


 娘夫婦が帰ってすぐ容態を聞いた。

 鉄骨が落ちてきて膝や肘を強く打ったと、何より右目の怪我は後遺症が必ず残ると言われたそうだ。

 娘のタツは後遺症が残るような骨や筋肉の怪我を治せる。整体と同じだと言って。

 それでも治せない怪我なのか…心配だった。


 しかも後から聞いたらクソ娘は病院に着いたらウンコしたくなってヒロ君とはぐれ病室が分からないから車でゲームしてたそうだ。

 つまりあの馬鹿はサトル君と会ってない。

 本当にどうかしている。


 違う…心配だ。

 …彼の右目…私の右目をあげれば…サトル君は喜んでくれるだろうか?

 いてもたってもいられなくなり散華ちゃんがまた会いたいって言うから保護者として…という理由を付けてお見舞いに行った。


『散華ちゃん、元気だったかなー?』

『サトルしゃぁぁん!好き好きいい!』


 子供は良いな…正直だ。

 私も子供のように正直になれたらどんなに良いか…『しゅきぃ♥しゃとるおくぅーんばくりんちょ(昭和)』とか出来たら…常識や年齢、理性が邪魔をする。


『さ、サトル君…元気?早く良くなってね、皆心配してるよ?』


 結果的に管理者VSパートが再燃してるよ…


『すいません、セツコさんには迷惑かけます』


 申し訳なさそうな顔をしないで…謝らないで…散華ちゃんと遊んでる時に隙をみて飲み物に馬並(以下略)を混入させてる私を…


 そして度々散華ちゃんを連れ訪れる…そして精力剤を混入…もしかしたら『すいません、ちょっと我慢出来なくてそこの影で…その…』とか言ってくれないかなと期待している自分がいる。


 しかしその日が訪れない…おかしい…

 

 そんな事をしているうちにサトル君が入院してから2週間ちょっと…運命の日が訪れる。


 セフォルニアのスーツや装備を提供してくれてる金持ちの変態女・定満千代から電話があった。


『セフォルニア、すまんが秘密裏に調査をお願いしたい。とある病院で各組織の幹部クラスが会合をしている…その中に不知火の者もいるらしい…』


『分かったわ千代…全員捕まえて貴方の前に転がしてあげるわ』


『いや、秘密裏だよ、聞け。捕まえるな、各組織の幹部って言ってん…【プツン】


 私は憤慨して話を余り聞かなかった、何故ならその病院がサトル君の入院してる病院だからだ。

 更にいえば職場環境があっという間に元に戻りフランス革命が起きる前のフランスみたいになっているのもある。

 職場の平穏はサトル君が、サトル君の危険は私が取り除かなければならない。


『チェ〜ンジ!ウマナミアクセス!ボロロロン!白雪結晶!性技を待っている愛の味方かな?セフォルニア!参上!』


 ブイチュイバンみたいなのは名乗り口上が大事と聞いて、名前以外に何か適当に喋る。

 アイマスクの端にコメントが表示される、今日も沢山の応援コメントが流れている。

 後『バカみてぇw前回と掛け声が違うwww』と書いたコメントはブロックした。


『ん…屋上ね…悪の気配がするわ…私を舐めないで欲しいわね』


 実際は羽の生えた何かが来る途中に屋上に降りたからどう考えてもアレだろとすぐ分かっていたが、コメントを意識して発言しながら進む。


 現場、屋上に行くとそこにいたのは車椅子の人、そして私と同じ様に変装をした女が6人…人数は多いが強さの圧はバラバラだ。

 無論、強いだけじゃない奴もいるだろう…油断はしない。

 

『うわわわ!アレヤバいって!』

『ガブリエル!いけいけいけ!』

『タカジョー!タカジョー!』


 何やら6人もいて皆パニックになっているが関係無い。


 いきなりシスターの格好をした羽の生えた女が飛んできたので殴り返した。


 すると車椅子の所に行き反動を使って飛んで行き、ユッサユッサと揺れている…車椅子の奴は口笛を吹いている。

『カミング!ゴォスパンキンッ!コケエエエ!♥イエアっ!♥ゲッツ!スペルマッインシァト!♥クリイイイイイイイムペイィィィ♥♥』

『ほーう!鷹匠!ヒュウウウウウウウウウウウイッ!』


 ギッギッキッ ゆっさゆっさゆっさ


 何をしているか分からないが対峙している感じ、あのシスターが一番強い…それでも油断しなければ勝てると思った。


『やってやりますわ!リンクスモードッ』『時間を稼げ山猫!』

『フンフン!ハァッ!』


 別の女達が二人同時に来るが捌き、当て、止める。私の相手ではない。


『二人とも!距離を取って戦って!』


 しかし戦っていて違和感を感じた、何かがおかしい。

 あの指示をしている茶色っぽい猫みたいな変装をしている女…娘の幼馴染、真田音取君の妹…寧々子ちゃんではないか?

 それに…おかしい…車椅子の人を見ていると…身体が疼く…この感覚は何なのか…


 

 一瞬、敢えて隙を見せると羽の生えたシスターの殺意を感じた。

 気付けば揺れているシスターの羽が二枚から六枚になり閉じた状態になっている…そして突然開いた!?

 

『イエエエエア!♥アイムカミイイイイイイイイイイイングッッ!!♥』


 速い!?だが追えない速度ではない!


 まるで背泳ぎのスタートの様に背面から飛び出し、錐揉みしながら突っ込んでくる!

 両手から繰り出す光の剣撃、更に時間差で飛んでくる槍の様な物、捌き続けるのが難しくなって来た。


 しかし…負けるわけにはいかない…ここはサトル君が休んでいる病院…平和な場所でなければならない。


『はあああッ!秘技!闇曇白虚やみぐもびゃっこ絶間零土ぜっかんれいど!』


 ここぞというタイミングで叫ぶ。

 正直、この技は藤原流ではないので技名なんて本当は無い。

 闇曇白虚は娘がしていた。

 目でギリギリ追える速度で動き周り、突然止まり、何か意味ありげにゆっくり見当違いの方に歩く。その直後にトップスピードで対象に技を繰り出すと消えた様に見える…だけ。

 娘はゲームで、スピードタイプの敵がしてたと言っていた。


 それと私と娘だけが使える感知している人への圧倒的な力差を知らしめる威圧。

 絶間零土はその圧を全開にすると一瞬、動けなくなる。止まっている人を倒すのは簡単だ。

 ただ、親しい人や圧を受け慣れてる人には効果が無い。


 ただ、技名を叫ぶとコメント欄が盛り上がる。

 だから、適当に言った。

 弱点は次言う時に技名を間違えるかも知れない恐怖だ。


 そして数秒後…車椅子とウサギの格好をした女以外は脳を揺らし内臓に打撃を加え、動きを止めた。


『鎮圧完了!後は…』


 女達は車椅子の人を逃がそうと必死だ。

 だが…逃さない…あの人のいる、この病院…危険に晒すわけにはいかない…


 『グギギ サトルん コイツツヨイ ニゲテ』


 シスターが私の足を振り絞った力で掴んでくる。


『駄目だ!コイツ滅茶苦茶だ!イロハ!逃げろ!サトルを連れて!早く!』

『サトルさん!逃げます…え!?ちょっ!まって!』


 コメント欄に『逃がすな!追ええ!』と出ているが私は違和感を拭えない…何かが…しかしコメント欄に従ってセリフを言う。


『逃がしませんよ!貴女達の悪事はこれま…え?』


 奥にいた車椅子の人…おもむろに車椅子から立ち上がりこちらに進みながらフードを取る…満月を背に歩く姿…私は知っている…そして圧をかけている筈なのに全く通じていない…逆に私が…飲まれている!?


『凄い圧…絶対零土が効かない!?貴方は一体何者!?絶間零土が効かないなんて!』


 コメント欄に『早く動けよ』とか『ぜったい?ぜっかんれいどじゃないの?』とか出てるので一応

言い直して訂正しておくが…本当に身体が動かない、不味い…こんなの初めてでどうして良いか分からない…


『俺か…俺の名は…地獄ヘルを楽しむ者』


 そんな訳無い…彼じゃない…私の知ってる彼は、地獄とは程遠い人だから…そんな訳無い…逆に私をバイト地獄ヘルから救ってくれた人だから…


『そう、サトル…我が名は快楽主義サトル豚野郎オークだ!』


 一番聴きたくない名前が…快楽とか豚とかそんなの彼からは一番遠い言葉…近いのはどちらかと言えば私…ご意見箱を設置したら『淫乱豚ババア』と書かれた紙が大量に入り、無言で全部ダストボックスに入れた思い出が蘇る…違う!そんな訳無い!


『サトル!?私の愛する者の名を語らないで!これでキメる!…え!?』


 ピタっ


 私は力無く拳を前に出すが、近付いて分かってしまった。

 月で影になっているから配信を見ている人は分からないかも知れない…ただ、私にはしっかり見えた…駄目…駄目だ…彼の顔だ…私をいつも救ってくれたその顔…いつかと思っていた、入院中に触ったその肉体…そして右目の傷…


『………これはイメージ世界プレイ…貴様の様な嬢にも教育が行き届いているな…しかし…貴様には愛する者がいるようだ…イロハ…………』


『何でも良いです!何でもありです!多分ウソです!』

『サトルん!やっちまエ!ワタシらはサトルんの味方ダ!何やっても引かないゾ!』


 声が…あの人の声が…混乱して中身が入ってこない…あの人と…サトル君と敵対するなんてあり得ない…それに私の威圧を反射するなんて…


『ジョウって何!?え?絶間零土が反射されて動けない!?それに貴方は…待って!?そんな!?いやっいやぁ!!』


『…地獄ヘルではな…やる事やった後に時間が余って、こんな所で君は何やっているんだって説教する罪作りな男もいるが…それもまたイメージ世界プレイ…貴様ぁ…愛する者がいながら…こんな事して…俺は許さんぞ!謝ろうが!後悔しようが!一番だって気付いた所で!』


 至近距離で聞こえる内容…声…愛する者…サトル君を愛しながらサトル君に矢を向ける…あってはならぬ事なのに、更に初めて見た彼の憤りを向けられる…


 怖い…私は笑顔しか知らないから…そんな顔をむけないで…どうすれば許してくれる?


 土下座すれば…靴を舐めれば許してくれるだろうか?多分、舐めても下卑た笑顔で【お靴美味しでしゅ♥】とか謝罪する事になる…許される訳無い…しかもそれを配信…どうしよう…どうしよう…


 ガッ!『ヒィッ!?りゃめてぇ!』


 シャアアアアアア!ビチャビチャビチャアアアアア


『ゼッタイッッッ!!ユルサンッッッッッ!!!』


 一瞬、意識が飛んだ。その直後に過去の悪夢…ウマナミポコティロンという精力剤…30倍濃縮タイプの瓶を自らと、そして私にも飲ませた…


『キタキタキタキターッ!最高にキマってる!そう、俺がキメる!俺が俺の道をキメるんだぁっ!それが有料!地獄ヘルズ!なんせ金払ってるからなぁ!』


『ゴボッ!?ごフっ!こりぇはうみゃにゃみぽこていろぉん!?しゃとるきゅんりゃめえええ!!』


 ビキビキビキビキ!ビクンビクンビクン!


『ハピ?♥ギッ!?♥フヒヒ♥オホッ♥』


 私の身体の肉という肉、内臓、皮膚が悲鳴と彼を欲している。

 何も考えられない…これは駄目だ…


 考える時間を…思考が定まらない…逃げなきゃ…とりあえず逃げなきゃ…

 以前飲んだ時も気が狂いそうになったが今回は駄目だ…サトル君を前にして初めて全身が弛緩した状態での精力剤…しかも…


『よっしゃ捕まえろ!流石サトルオーク!この神話級殺し!ヒュゥーッ♫』

 仲間達も息を吹き返し始めた…終わった…


『柵に拘束しろ!この人最悪落ちても死なないから』

 無理、今屋上から、落ちたら受け身取れず…死ぬ…


『他の媚薬も追加するヨ!ホ〜れホ〜れヌリヌリヌリ』

 これ以上やったら駄目…私…壊れ…

 

『む!?入れようと思ったら…クソぅ…あの〜すいません、誰かちょっとあの…』

『ハイハイ!マグにお任せくださいませ♥』


 サトルオークは突然、少し離れた所で後ろを向いた、その前には屈んだマグという女…前後に動く頭…何をやっているのか…分かる。

 私が期待していた事だから…それにしても…私はこれから…これから…?


『もしかしてぇ♥しちゃあのかにゃぁ♥』


 私、セフォルニアだし、雪虎じゃないし…良いよね♥私、しちゃって良いよね?♥それで終わってらバラしちゃおう♥もう良いや、世間体とか、娘の事とかどうでも良いにゃあ♥


 もう馬鹿になる寸前で悪魔が耳元で囁いた…まるで冷水をかけられたように… 


『いやぁ…雪虎さんですよねぇ?ネコ!寧々子です、真田寧々子!分かりますよね?いゃぁ雪虎さんもサトルさんの娼館に来るとは思いませんでしたよぉ?でも分かりますよ?寂しいですもんね』


『ねねこ…しゃん…あにゃた…なんで…なにお…』


 突然の正体割れで混乱する…娘より年下の女の子にまるで脅迫されるように…


『いやぁちょっと提案なんですが…と言っても拒否権は無いのですが…サトルさんが今回のプレイ、ノリノリなんですよ。だからこれからも意地でも下さいね?そうしないと捨てられちゃいますよぉ?そうですねぇ…ほら、堕ちるぐらいなら死ぬって!殺せってやつ!ですよ、今流行りの』


 そんなぁ…無理です…もうトロトロのボロボロで…そもそもサトル君って分かってたら高速土下座してました。

 だってサトル君の来ない職場はボロボロのビロビロで、私のメンタルもトロトロのモロモロモロモロ

 それに配信で皆見てる前では恥ずかしいのもありましてぇ…40過ぎてバレたら生きていけないっていうかぁ…


『と言う訳で頑張って下さいね?そうそう!意識あるうちに…スマホで娼館サトルオーク!と言うアプリを入れておくので、プロフィール等、詳細を入れて本登録よろしくお願いします★』


 勝手に決めないでぇ…こんなの無理ぃ!何回もできにひぃ


『あ!それとですねぇ、配信、良き所で勝手に切りますよ?サトルさん、後で知ったら怒りそうなので(笑)それじゃ、サトルさん準備完了なのでよろしくお願いしまーす!楽しんで下さいね♥』


 え?え?え?え?


『良し!イキリたったぁ!マグちゃんありがとう!』

『どういたしましてぇ♥』

『俺のダイナマイッがギンギラギンにギンギンよぉ!ツカサよりテカイゼ!今の俺はよぉ!勝負だ!』

『『『『サトルオーク!入りまーす』』』』


『りゃめぇええええ!♥配信されてりゅうにょにいいぃぃ!♥みらりぇてるにょにぃ!♥頭おかしくなりゅうう♥おぎいいいいい!♥はいりゅううう』


…………………………………………………………


 ゴロン…


 私は寧々子ちゃんに捨てるように部屋に置き去りにされた様だ。

 意識が戻った時には既に部屋にいて、自分を慰めてる所だった。


 断片的に記憶にあるのは『おごおおおおお♥』みたいな獣声をあげ舌を突き出し、耐え兼ねて自分の正体を明かそうと思ったら寧々子ちゃんに猿轡をはめられ、耐えきれなく抱きしめてようとしても柵に拘束された状態で、数え切れない程の意識を飛ばされた事だけ…


『ハァハァ♥…くひぃ♥しゃとるおーくぅ…あぷりぃ…いれりゅう♥』


 私は古いスマホを使い、アプリを起動させ長文を打ち込んだ。

 私の妄想、サトル君とのラブロマンスだ。


 すると寧々子ちゃんとおぼしき担当者と名乗る人から返信が来た。


『このアプリのプロフ欄は妄想を垂れ流す所では無いです。やめてください。これほど押したくない【続きをご覧になりたい方はこちら】は人生で始めてです。真面目にやってください』


『ちまったぁ♥やってちゃまったぁ♥てひぃ♥』


 怒られてしまった。



※これはあの人の母親なのでこうなりますね。大変申し訳ありませんでした。ちなみに良いオークの日までに間に合う気がしません

 

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