サトル、男ありけりのチ○考察②サトルSide

「カエデ…何考えてんだ、お前…昨日の今日で…いや、そうじゃなくて…」


 俺は普通にツッコんだ。

 特に怒ってる訳では無い。一昨日ぐらいも多分、夜中にカエデとヤってんだよな。

 しかも最近は思い出し怒り発散イメプレを行っているから余計に嫌だ。


―謝って済む問題じゃねぇんだよ!この淫売!―

―ふざけんじゃねぇ馬鹿が!大根とでもヤってろ―

―はひぃ♥わらしはいやしいうさぎれすぅッ♥―

 

 想い出を汚す人間の小ささが溢れ出るプレイだ。


 そして確かにその時は…メイプル…いや、いろはか?

 アイドルの時はウィッグつけてんだろうな。

 今はショートカットの普通のOLって感じだけど…


 しかしまぁ、そんな台詞をお互い吐いた相手(元カレ)の秘書になりに来るとはいかがなものか?

 違うな、あのデリに関してはタツあたりが絡んでるんだろうから享受する事にしたんだ。

 考えないのが一番。あれは楽しいデリ。


 夜は夜で、もうしょうがない…だが昼の仕事は違う、コイツはトップアイドルの筈だ。

 歌も踊りも、皆の人気者で何でも出来て顔も良い、辞めるつもりの奴の秘書なんてしてる場合じゃない。アイドルやれよ。てか、夜やるなよ。


「アイドルは?」


「ッ!…秘書の…木村楓です…よろしくお願いします」


 『ッ!…』じゃないよ、何かあり気な雰囲気出してんじゃないよ?普通に無視すんなよ…

 

「何でだ?何故こんな事をする?アイドルはどうした?メイプル何だろ?後、敬語やめろ。カエデとして喋れ、何か俺がそう強要してるみたいだから。俺が悪い奴みたいだからそういうのはやめろや。幼馴染だからな、ただの。まぁ、ただし…付き合いの長めのな」


「あっ♥うん!分かった!よろしくね!サトル!」


 元気良く返すな、本題に戻れ。


「んで、一昨日とかその他諸々…あんな事してる相手の秘書ってお前駄目だろ?後、質問に答えろ、アイドルは…」


「一昨日…あ♥あれはイロハだけど…うん、そうだよね…」


 何故未だに別人ぶるのか?タツのせいか?

 パチッパチッシュルルル―


 ん?何故、シャツを脱ぎ始める?頬を赤らめて…


「藤原さんに言われた。許されなくても愛人になろうなんて甘いよね。愛人なんて言っちゃいけないよね、重いもんね…あっ!」


 ガチャっ「カギ締めないとね」


 謎の愛人論とと共に全裸になり土下座した。とても綺麗な土下座だ。

 いや、なに土下座してんの?普通に出来ない?

 鍵閉めてないでさ…外から見たら死ねるやつじゃん?スーパー、パワー、ハラスメントじゃん?


「許して欲しいとは言わない、ただ側にいたい。どんな事しても構わない。私、分かったの。私はサトルにとってのメイプル人形なんだって…この一ヶ月分かった、だって愛人って彼女と一緒だもん」


「あぁん?」


 俺は顔をしかめた。


 職場で夜のデリバリー内の話はやめろ、それに、それは俺の本来の性癖ではない。挑戦、ちょっとやってみただけだ。


「あ、違うよね…ちょっと待って」


 ガサガサ…ゴソゴソ…


 今度はアイドルのメイプルの格好…ただしバニースーツのハイレグビキニは着ない…逆バニーだ…今、流行ってるよね…

 で、俺の足元で土下座。


「娼館の件、見事な手際でした。私を含め、皆がサトルの事をオークと…「分かった…それはもう良い。良いから立て…そして昼の仕事をしろ…」


「はい!」


 死の淵から蘇った俺の人生が見えないな…何も見えない。


 コンコン

 

「木山本部長、小山です。広報課の三浦がご相談があると言うことですがよろしいでしょうか?」


「あ、はいどうぞ!」


 いきなり来たから元気良く返事をした。

 ドアが半分ほど開いた時に気付いた…視界の端に逆バニーの女がいる。二つのお山と濡れアワビを丸出し…そんな事を考えているうちにイケおじの小山さんと若い広報課っぽいオサレ女子の三浦さんが入って…来た瞬間に固まった。

 しかし俺は現場監督時代に培った胆力がある!

(主にタツのせいで)


「初めまして、今日から本部長に付きました木山です、よろしくお願いします。まぁ座って下さい」


「はい」「は、ははは、はい」


 小山さんは冷静に見える…いや、顔から汗が出ているが…それに引き換え三浦さんは汗だくでガクガク震えている。

 俺は配慮出来る男を見せる。


「リラックスして下さいね、打ち合わせはお互い胸…胸襟を見せ合ってするものですから…メイ…じゃない、木村君、飲み物を。コーヒーで良いですか?」


「む、胸?胸を見せるの!?」

「では頂きましょうか?三浦も…な?…落ち着け三浦(ボソ)」


「はい、コーヒーですね。今お淹れしますので少しお待ち下さい」


 …………………カチャチャチャチャチャ


 三浦さんのコーヒー痙攣音と、カエデへのチラ見が凄い。


「それにしても流石本部長、素晴らしい人脈ですね…花輪はともかくとして…」


 小山さんが奥を指差す…そういえば転職とか昇進って花輪なのかなとは思ったが…


「そうですねぇ…」


 ちゃんと見てなかったな。

 近付くとなんかヤバい気がしたから…


【サトル様、娼館サトルオーク木村建設支店、開店おめでとうございます】


 娼館を?俺が?俺がデリ地獄ヘルを使っているんだ、デリを俺が使っているんじゃない…

 それに送り主の名前が…知らねぇ人ばかりだが…


「ちょっと内容が掴めませんが、アメリカの政治団体やドイツの軍需産業、中国の半導体企業から、コロンビアのゴルゾバル…なんて有名ですよ、顔が広いですね。他には日本の西園寺なんかは身近ですね、まぁ普通は花輪送られませんが…」


 小山さんがにこやかに言うが、俺はこの人達を一切知らない。

 それとコロンビアのゴルゾバルは麻薬カルテルで有名なギャングと言うかマフィアと言うか、とにかく世界のニュースみたいなので問題を起こしている人達だった気が…

 一同に娼館を祝っている…なんか嫌な予感がする…


 とにかく話を進めよう。後で調べる必要がある。答えはカエデが知っている。

 なぜなら目を背けたからだ。


「まぁ…顔の広さと実力は、関係ありません。そして立場もね?私は皆さんのポテンシャルを信じています。あそこに木山の印が置いてあり、あのパソコンでメーラーを開き、計画のゴーサインが左クリックかエンターで出せるので勝手に押して下さい、小山さんが」


「いや、その…流石にそれは「小山、押しなさい。本部長の命令です。大丈夫、何かあれば私が父に掛け合うから」


 何故かカエデが命令した。


「は、はい…分かりました。お嬢様がそう言われるのであれば…」


「小山さん、任せましたよ。カエデさんと旧知の仲なんですね?」


「はい、楓お嬢様とは木村会長がまだ専務の時に私は色々とお世話になって、よく聡明なお嬢様の遊び相手をしておりました。子供の時から知っています」


 子供の時から知ってる聡明なお嬢様が今や逆バニーか…大変だな。お転婆どころか馬鹿と知り合ったばっかりにアイドルだけどド馬鹿になってしまった…申し訳ない。

 後、俺が知る限り子供の時のカエデは聡明じゃない。

 おっと、忘れてた。


「三浦さんもね?ハンコ、使って良いからね?何かあれば俺の年収カットか、懲戒解雇で行こう。この机の下に、辞表も入れておく」


「し、進退をかけているんですか!?」

「そう、身体共に元気、頭以外…」


 三浦さんがおどおど言う。安心して欲しい、辞めたいだけだから。

 真面目にやってる人間からすれば目障り何だよ、俺は。


 その時、何かざわついている音が聞こえた…

 やれ、出ていけ!だの、誰だ?だの…そして…


 バアアァァァァァァァンッッ!!!


「オレの名はぁぁあ!?誰だーっ!?」


 知らんし…ほら、出てきた、コイツ、タツ。

 もう終わりにしようとしてるのにグチャグチャになる原因。

 いや、今日役員の人達が呼べって言うから呼んだからくるのは知ってたけど何でツルハシと花束持ってんの?


「ヒイィィィ!?」

 三浦さんの反応が一番普通だな。


 パシーン


 何故かタツに弱い力で顔を花束で殴られた。

 散る花束…威力よりショックがデカいな、花束で殴られると。


「テメェサドルウンコ!いい加減にしろこの野郎っ!オレに恥かかせんじゃねぇ!」


「何が恥だ、このタツウンコ恥晒し。俺というクライアント様にその態度、理由によっては給料ヒロに直振り込みの刑だぞ。今の花束は俺のハリセンより心のダメージがデカい」


「それはやめて下さい、お願いします!」


 勢い良く来たわりにはすぐ折れるな…


「給料だけは…ちげぇよ!テメェ!あれだけハーレムは無い、再構築は無いとか!俺なら許すは無いとか言っておきながら全然滅茶苦茶じゃねぇか!」


「何がだよ?ほそぼそと生きてるだけじゃねぇか」


 タツが驚く顔をするが、そんな顔をされる覚えは無いが?


「母ちゃんはお前のせいで職業A◯女優の変身ヒロインになっちまってよ!対魔忍じゃあるめぇし」


「いや、それは俺と関係ない。絶対違う」


「知らない?白雪結晶セフォルニアって…ミーチューブで何かコソコソなんかやってると思ったら恥晒しやがって、更にエロ流してアカウント停止、それがアダルトサイトに流れて…」


「いや、マジで知らない。そもそも現場監督時代の何度か雪虎さんのコールセンターにヘルプ出たけど…普通…だった…し…」


「何か含みあるなお前…何かあったろ?お前と付き合うとかヤッたとかどうでも良いんだよ、母ちゃんに恥を晒させるなと言っている、母ちゃんが恥じさらすと娘の俺に来るんだよ…視線とか、噂が…」


「歩く恥晒しに言われたくないと思うが…」


 デリの中に雪虎さんはいなかったと思う。

 肩いかないぐらいのショートカットで、Aカップ、身長低い人はいなかったから。


 ただ…入院する前にヘルプの時にやたら誘われたし、病院でやたら誘われたし、ラッキースケベ風の意図的なセクハラはかなりの数あった。


「だからお前の娼館と言う病室に突っ込ませたネコとメイプルンだけで良いだろ?アイドルのトリッキースキャンダルじゃないんだから、散華から見たらお祖母ちゃんだぞ、お婆さんに手を出すなよ…しかも何で気付くとハーレム形成すんのよ?お前病院何だと思ってんの?てゆーかメイプルンだけで良いじゃん、拡大させるな、メイプル許せよ、許せ許せ、綺麗事言ってろ、貞操観念低い奴は皆馬鹿で良いだろ、再構築エンドおめでとう、許せこの馬鹿」


「い、いい、いや、ハーレム形成してねーし…それに再構築?許す?」


「あぁ、もうメイプルと言うストーカーと再構築でエンド、ほら、許して幸せになりました、終わりって感じで、小説みたいに、名作だよ」


 再構築ってカエデを…許す…か…


「…いや、俺は許さねぇな」


「はい?」


「俺はおっさんになって学んだ、ヒロもその小説も間違えている、俺の道は違う。相手の為を思って我慢する?許す?その結果がこの馬鹿カエデだ。俺はこの馬鹿とやり直す気が無いから応援できた、最後に『バイバーイ』って言ったのに『愛してる』と聞こえる馬鹿だ。特殊分野の才能なんか興味無い人間や、関係の無い業界からしたらウンコだ、何故なら俺はアイドルやら歌手の曲は好きだが人間性には一ミリも興味無いし尊敬してないからな、近しい人なら見るのは人間性のみ。だから他所から見ればスゲェ臭えウンコだ。ヒロだってそうだ、見つけた時に最初からアイヵを半殺しにして二度と面見せるなって放逐して、それでもってんなら責任とって二度と同じ事出来なくなるまで追い詰めろ。中途半端な事するから半端なストーカーになる。お前の言ってるやつだってそうだ、最初に音楽取ってるじゃねぇか、何が後からあなたが一番だった、だ。絶対違うパターンでまた同じ事するぞ?何故なら許されたら反省してねぇからな。偉いやつとか芸術やらカリスマにメンタル引っ張られた経験のある奴ってのはそうだ、その巨匠とおんなじ様な若い男を囲うクソババァになるぞ?浮気された事ある奴は分かる、俺は親父がそれ系の業界だから分かる、才能があるとか、芸術だからで許されるなら芸術家がこんなに沢山非業の死を遂げない。気持ち良くないからとか、心はあなたって思いっきり感じとるやないかい、気持ちいいから何度も行ってんだろうが。そんなもん許すなよ、何故なら彼氏やら家族が許しても世間が許さないからだ。生活出来てる芸術家なんかうちの親父みてぇに殆どが税金とハブファンを置き換えた公務員みてえなもんじゃねぇか、極少数のキ◯ガイを凄いみたいに言うな、相手の事を思うんだったらそばに置きながら二度としない様に永遠に許さねぇのが優しさじゃねぇのか?相手を思う事じゃねぇんか?気を使って何もしねぇのは愛情じゃねぇ人情だ、友達だ。友達だったら『お前の女、アイツとやってんぞ』とか『このビッチ、俺の友達腐るから別れろ少し頭使え、バレてねぇとでも思ってんのか変態、喘ぎ声はソプラノかボケ』とか言うだろうがよ!そんなもんは友達以外だろうがよこのクソがっ!」


 パァァァンッ!!


「イギイイイイッ!♥?♥」

「ヒイイイイイイイイ!?」

 

 あれ、何でか勢いでカエデの尻を叩いてしまった…その勢いでアヘ顔のカエデが三浦さんの前に行き、多分三浦さん漏らした、漏らして小山さんに縋り付いてる。


「いや、サトルウンコくん。そう言う話じゃないから。小説だから、恋愛の。お前が許そうが許すまいがお前の話はクソだから」


 は?


「女は…人間は、一生添い遂げようと思う相手だったらな、許すだけじゃ反省しない、人殺した奴そのまま許したらまた人殺すじゃねえか、許すなよ罪を、『テメェ絶対許さねぇからな、同じ事したら今度はお前の人生命をかけて滅茶苦茶にしてやる、楽に死ねると思うなよ、とりあえず気が収まるまで奴隷な』ぐらいする、俺は死にかけたから分かる、死ぬ手前まで行けば音楽とかそんな事ラリってない限り言ってられない、それが愛情じゃ「うるせぇうるせぇうるせぇ!酒のんだ時と同じ状態になるなっ!」


 あ…………………俺、今意味わかんない事になった…ヤバいな…三浦さんの顔が…また興奮して…タツと話すとこうなるから嫌だなんだよなぁ…


「ウンコサトルはいきなり早口で喋るな、何で勝手にキレてんだお前…俺俺感感はオレに言わないでチラシの裏に書け、お前のやり方じゃ小説にならないし、それじゃノク◯ーンノベルか同人かエロゲだ、とにかく偉そうな事言わねぇで、うちの母ちゃんにそれはやめろ」


「いえ、私は記憶にございません、タツの母ちゃん、雪虎さんの事も、今話した事も」


「何だよそれ…お前、やるだけやって知らぬ存ぜぬってマジモンの外道だな…しかもお前が興奮したせいで


 何言ってだコイツは…


 ピピーピピー


「あ、アラーム…それより役員にお前連れてこいって言われてんのよ、藤原虎が見たいってよ、行くぞ」


「はぁ?それより?散々一方的に話しといて何だよ、めんどくせぇし、人見知りだから嫌だ」


「いいんだよ、ロッカーにでも入ってゲームでもやってれば…俺がヤドカリみたいなもんですって言うから。まぁでも悪かった。今回は俺が悪かったから続きは居酒屋か、根多家で」


「お前…」


 クソッ!タツと居ると同じ土俵に行ってしまう…つまり馬鹿になる。


「とゆう事でカエデ、後はよろしく。三浦さんの件はお前に任せる。後で金返すから三浦さんに凄い良いもの食わせろ、お口チャックさせろ」


「言いません!ここで起きた事は言いませんから調教だけは!」


「三浦さん、今のは全部・ウ・ソ!なぁタツ?」


「ウソじゃねぇよ、コイツは危険思想の持ち主だ。あぁ嫌だ嫌だ」


 そして全部丸投げにして俺は役員の集まる部屋にロッカーに隠れたタツをロッカーごと台車に乗せて移動した。


「いやぁ、やっぱり許すべきだよ。人類皆、穴兄弟、皆で乗ろう、宇宙船恥丘号」


「サトルウンコ、お前は本当のクズだ、お前こそ病院に行くべき」


 もう病院はごりごりだ。


 そんなこんなで役員に集まる会議室に行き、タツが三面六臂の、化け物と言うから、『エロい事とクイズと漫画やゲームの事しか考えてませんし、それぞれ独立に動くからただの馬鹿です』と説明して放置した。




 しかし…俺マジで雪虎さんになんかしたっけな…コールセンターて上司、それにバツイチ人妻って一番はヤバい。

 そして今の俺のスケジュールは木村建設、雪虎さんのコールセンター、そしてちょっと遊んで寝るだ。

 これから今日も雪虎さんに会うんだが…








※これはサトルのトラウマか蘇ってその瞬間の勢いによる感想です。棚上げまくりですし作者は一ミリも思ってません。

 次回から歪みます…


 

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