カエデにメイプル、いろはにほへと⑫娼館に潜入ってなんの意味があるんだろう

 サトルさんが生きていた…

 ライブが終わり、気を失っていた私。

 あの瞬間、サトルさんが見えた時の事、私の記憶に焼き付いている。


 起きるとすぐに立ち上がり、サトルさんを探した。

 身体がうまく動かなくても、探さなければと這いずり回っているとそこが自宅だと気付いた。


「姉ちゃん落ち着けって、いきなり気を失ったんだから少しは大人しく…「サトルさんは!?ねぇ!サトルさんは何処!?サトルさん!サトルさん!」


「生きてるよ、サトル君は…今病院だけどね…姉ちゃん、何度も言うけど行くのは…」


「どこ!?病院は何処なの!?「いや、話聞けよ」


 それでも…生きていた…良かった…本当に良かった…

 最後の曲の時に見えたサトルさん、笑って…消えた…聞こえたんです…多分…きっと…


ーありがとな カエデ 愛してるー


 ビクンッ!ビクンビクンっ!


 ルドラを射たれて、壊れて、サトルさんに生きる様に言われたあの日から、サトルさんの事を思うと快楽と共に動かない身体が無理やり動くようになりました。

 ちなみにライブ前まで急激に流行っていたドラッグ『ラヴィ』は誰とでも快楽を覚え、性行為で拡がる。

 『ラヴィ』とは違い、『ルドラ』は暴風の様に愛に生きた超人的な女性の遺伝子が入った薬だそうです。


『ルドラで望まぬ性行為、しかも暴力やら複数人から強姦まで受けて、そこから蘇った先例なんてないから分からない。ただ、遺伝子の女性は絶望から立ち上がり夢を叶えた女の遺伝子なんだ』


 お医者様は言われました。

 その意味が、私は何となく分かります。

 あの薬『ルドラ』は望まぬ行為、愛する人を裏切った罪の楔、私の全てを、この手に入れた力をサトルさんの為に捧げる、サトルさんを思いアイドル活動をしているからこそのメビウスと呼ばれる無限の体力が…あ、思い出しちゃう♥


ーありがとな カエデ 愛してるー


 ビクククンッ!ビクンビクンッ!「ンぁっ♥サトルしゃん!いまいぐううううう!♥がらぁぁ♥」


「うおお!?姉ちゃんが気持ち悪い動きしながら立った!?寝てろよ!?行くんじゃねーよ!」


 私は一刻も早く会わなければならない…身体が熱い…でもサトルさんは言った、偶然でないと駄目だと…腰が兎みたいに…どうしよう…どうしよう…困った私は…あの人を頼ってしまいました。





「で、ウチに来たと…オレはお前に何も用事はない…ゴーホーム!」


「そんな事言わずに…サトルさん人形も壊したじゃないですか…ハァはぁ♥だから何か知恵を…」


「で、出た…弁償…また弁償の話か…この発情兎!顔赤らめてんじゃねぇ!どいつもこいつも…保険に入ってないのか?ドールって保険ないのか?今は犬ですら保険に…」


「保険?保証外でした…『叩きつけて破壊はプレイではない』と言われて…やっぱり120万ぐらい修理するとかかるそうで…」


「人をぶん投げて破壊しようとする、そ、そういうプレイをヒロはするが?な、なぁ?」


 何やら勝手に弁償問題になっているが…なんやかんやで色々滅茶苦茶にされた事は多々あるが、サトルさんへの繋がりを持つ藤原さんには感謝してますし、弁償を望んではいませんが…

 この瞬間、藁を掴む思いの私は必死にたぐり寄せた。希望の光を…


「弁償は良いので…サトルさんと…あの…何か繋がりを…」


「何ィ!?サドル!?ウーン…何か妙案が出てきそうな…ウーム…」


 何か悩んでいるのを見ていると、人を破壊するプレイをするという旦那さんの博之さんが台所から出てきた。


「タツを挟まないで直接やり取りすればいいんじゃないかな?サトルは多分、そんなに重く思ってないよ?友達からなら全然大丈夫だと思うけど…」


「あ、根多さん?お久しぶりです!サトルさん、大丈夫でしょうか!?あ!?そうだ、ツカサさ…ツカサの件、ありがとうございました!おかげで…」


 そうだ、この人が凄まじい圧力をかけて羊毛司は私に二度と近寄らなくなった。サトルさんが引き合わせたらしいですが、感謝し…え!?


「ギッギギイイイイイイ!?今…言い直したな!?まるで『ツカサと私は未だに裏で繋がっているですよ』と…そんな思わせの様な…そんな…言い回しに変えたな!?」


 何で急に凄まじい眼圧で睨む!?


「いえいえ!そんな!本当に感謝してますよ!?あの人は悪い人だったみたいで、根多さんには被害者の皆、そうですね、二〜三十人は感謝して…ひ!?」


「皆…皆だと…それは間男交換の申し出かね? であれば応じぬでもない。ツカサと被害者交換なら二、三十人は都合できる…と」


「ヒロ、使い方が間違えている。それだと意味が分からない…とにかくツカサと交換なら二、三十人。いま言ったそれが、どれほど間男を貶めているか分からないのか?分からないな、オレには」


 急に根多君も藤原さんもがおかしくなった…今も根多君は唇をかみながら悲しみに襲われている…怖い…でも引くわけには…


「あのぅ…ツカサの件に関しては今の私にとってさして価値のあるものでは…うぁ!?」


 ガタッ!!


 急に椅子から立ち上がり興奮した様子でこちらを見る根多君…二人が早口で喋り始めた…


「博之さん! 落ち着いてください!」


「タツ……! このNTR女は、対話をするに値しません!」


「それはヒロが決めることではありません!」


「自らの愚かさは分かっています! ですが、ツカサという光る間男を軽んずるかのような言の数々! 我慢なりません!」


「博之さん。そのツカサへの忠義を私は喜べません。妻として当たり前ですが…良いから座りなさい」


「くっ……くだらぬ真似をしました。本職こそが誰よりツカサを軽視した振る舞い、汗顔の至りです。どのようなツカサの責めもお受けします」


 ブツブツ『自制心を思い出せ』とか言っている根多君。


「ヒロ、座りなさい。椅子の上で私のパイオツを吸うことを命じます」


「……は…………いや、人前では無理です」


「こういう時だけ普通ぶるのはよしなさい、ビロン!近衛…じゃない、ここを舐めなさい」


「それは呑めない」


「しかし申し上げましたとおり、最優先の条件です」


 凄い速度でワケの分からない事を言っている…

 違う、この二人の意味不明なやり取りに負けちゃだめだ!


「あの、だからサトルさんに…」


「ビョ、じゃねぇメイプルン、退室しなさい。扉の外に出てそのまま帰宅することを命じます。ヒロの行き過ぎたツカサへの愛には私から謝罪を。また、サトル人形の条件にも考慮を加えさせて頂きます、帰れ」


「は、はい…ではまた…連絡待ってます…」


 勢いに負けて帰ってしまいました…情けないなぁ私…


 そして2日後…連絡があり…いきなり藤原さんが本社にやってきました…


「はい!私、根多建設の社長でぇす!受付ぇ!携帯屋の様に、あまーい!缶コーヒーを出せい!」「何ですか貴方!?アポはありますか!?」「何でオレのスマホがアッポー製品の型落ちって知ってる!?」


「あ!藤原さん!こっち!こっちです!私の部署にきてください!入口で…騒がないで下さいぃ」

「あのオ◯ニー部屋か!?この淫売兎迷プーンクソ!イクまで出れないあの部屋なんぞ行きたくない!」「ちのっ!良いから!良いから早くぅ!」



 そして部屋で渡された…謎の…何!?このコスプレ衣装!?


「着ろ、シャーも来ている。お前らアイドルモデルだそうだ。お前ら相手だとやたら金かかってるんだよなぁ…んで、作戦は娼館・サトルオーク潜入だ…追って指示するがとりあえずよろしく」


「シャー?なんの話ですか?それにしてもこのコスプレ、伸び縮みして、スイッチいれると身体に張り付きました!凄いですねぇ?私が兎がモチーフでやってるから、鼻の頭まで隠れるバイザーとヘッドギアがうさ耳何でしょうか?バニースーツモデル何ですかね?でもうす〜い全身タイツみたいなので何だか身体がサポートされるような?そんな感じで…」


「そりゃそうだろう、お前、サトルと普通に10分以上やったら快楽で死ぬらしいからな。生命維持だけは1時間近く頑張るらしいぞ!?」


「は?しゃとるしゃんとヤル?やる?」

「あぁ、ズボっとヌルンと、奥まで…ドチュン!」

「おうふっ!?♥んはぁ!?♥奥!♥ドチュ!?♥あっ!♥」


 キュッ「んふー!♥ンフー!♥」


 私は全力で股を閉めて眉間にシワを寄せ耐えます。人前で、しかも会社で人がいないとは言え、やっちゃいけない事がありますよね?


 それに目の所がレンズの様なバイザーになっていて、さっきから【発情 高】とか出てて、余計…その…

 そういう言葉は言わないで欲しいですね。

 本当にダメなんですよ?私は…身体がですね…本当に…


「うるさいなァ、お前は…寄っかかるなよ」

「はひぃ!?♥」


 私は藤原さんに押され、尻もちをついてM字開脚になった…シミが分からない素材だが、冬でエアコンを切っていた為に、湯気が出ていた…


「ヒイィィィ!?ダメダメダメ!♥【ずぶ】あふ!?♥何で!?♥生地に穴が!?指がが!!♥」


「それ、お前が望むとブリーフの前開きみたいに開き丸出しなるぞ?更に、お前が望めば逆に前開きが締まり、かたーく伸びな〜い、生地になるぞ?良かったですね」


 何も聞こえなく、何も考えられなくなっていましたが、何を言ってるのか、何となく分かりました。





 そして次の日…病院…病室に潜入。

【病室のサトルオーク人形を接待せよ】


 何かがおかしいと思いながら病院に潜入、聞いていたルートを通り、病室に入ります。

 警備等は一切居ないですが…大丈夫でしょうか?

 病室に寝ているサトルオーク…本当に人形?…だけどやるしかないです…サトルさんに…また会う為に…


『良いからさっさと行け、速く』


 雑な指示を出す藤原さん…でも従うしかない…


 約束したんです…メイプルとしてのライブを支えてくれる…メビウスのメンバー達…

 どんな時でも跳ねて、手を伸ばし、掴むっ!

 いつだって待ってるだけじゃ後悔するだけだから…


 そして…


「これは…ペロ…凄っ!?♥これっ♥レロレロ…スゴッ♥壊れる!♥私が♥クァっ♥」

【発情 極】【感度 極】【精神汚染 大】


 やめて やめて そんな事言わないで 馬鹿に


「あぁあ♥うああ♥すんご♥んほほ♥」


 おかしい サトルさんのは 大きめウインナーの筈 

 これは ちゃーしゅー? しばりあげた チャーシューみたいな 


でか 


  ふと 


     なが 


【サトル棒 確認 胸部パージ】【股間パージ】

【オーク棒 入れた場合 脳が溶けるまで10分】


 これ 本物のサトルしゃん? 頭が ばかに 全部見えちゃう♥みえちあゃう♥


 パァーンッ!


 いしきとんど♥ これはなにれ♥


「んひぃ♥んひぃ♥…ほひ!?♥ほほぉぉ!?♥」


【侵入確認 秘部 各部位 制御不能】


 こわれるよ? あたまがー わたち こわれりゅう♥


【感度による筋繊維断裂 スーツ補助破損 危険】


 はいっ た おあッ!?♥ おぼぉ♥ お♥

お♥


 おご♥ あ♥




 どんな時でも、どんな状況でも私は諦めません。

 それが私を支えてくれた、メンバーとの約束だから。

 皆、私、頑張りますから…皆も…ナギサさん…貴女も…どうか…諦めないで…

 

 

―――――――――――――――――――――――


 弁償の話が出た時はどうしたものかと思ったが…

 要はサトルに会わせろって事だろ?で、理由が無いと会えないとか思ってんだろ?


 知らんがな…しかし我ながら妙案だな…娼館…最近、対魔忍のオークが何も出来ず死んでいく世の中になったからな。

 弁償を本人で解決、やっぱり生は違うな。

 ここいらで頑張って頂きたい、サトルオークに。


 しかしまぁ、母ちゃんが仕事で売ってる謎の薬やら、ち◯こ鍛えマシンみたいなのを、やりまくってたな、そしたら気持ち悪い棒になったらしい。

 母ちゃんは満足気だったが…


 で、メイプル視点で今、見ている訳だがサトルの棒、マジで気持ち悪いな。正直、絶対嫌だな。

 良くチン堕ちなんて言うけど、アレ、無いから。

 大きいち◯こ大勝利は大きい奴の喧伝だからな?

 女が堕ちるのはそれ以外の要素だから、普通は。それだけで堕ちるんだったらハーレムだらけだわ(笑)


 とか思いながら、メイプル視点の画面を映すパソコンをカチカチやってたら何やらヒロの会社の売上報告が始まった。

 会議みたいな4画面で行われている様で、ヒロの映像がサトルのチャーシューち◯こになってる。

 メイプルち◯こを見過ぎだろう

 何故こんな事になったのか、私も分からないがとりあえず『どうだオレのブツ?スゲェだろう?』って入れといた。


『オーナー(笑)マジイカれてるwww』

『そういうのセクハラっすよ(笑)』


 騒ぐヒロの会社の愚民達、私は操作がよくわからないので、そっとその場を立ち去りメイプルを回収する事にした。


 しかし、メイプルは上機嫌だな、私はこれからめんどくさい話が出そうになったら、全部『娼館サトルオーク』にぶち込む事に決めた。


 


 ※バカみたいな状況なのに、次回から少しシリアスです。話分けると分かりづらいのでこっちに短編入れちゃいます。

 バランスの悪さに定評のクマシオです。

 土日連続配信を楽しんで貰えれば幸いです。

 コメ返し出来ず悔しい!ごめんさい!スマホ見づらい!


 


 

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