本部長 木山悟(長いエピローグ)
木村建設の本部長こと、S(サトル)級オークについての考察①
身体が…全身が…痛い。
俺は結構ヤバい所から一命を取り留めたらしいが、俺視点からすると、そもそも死んでないから普通に寝て起きたという感覚だ。
俺が死の淵を彷徨っている時に、タツにう○こを顔面に投げつけられた。
後、コールセンターで働けないっすか?と、雑談混じりで話していたタツのお母さんの
結果、猛烈な痛みと、無駄にムラムラするが、俺は生きていた。
そして…労災も降りた、保険も入ってた。
金がいっぱい…いっぱいあるぜ…身体は動かないがな!
しかも木村建設のVIP(予定)の俺の病室は個室で、一人寂しくいるぜ…暇だ。
医者の説明だと右目はほぼ失明ぐらいぼんやり、左目は前と同じ無駄に見えるままだが、目の横の傷が深いので包帯ぐるぐる巻き。
後は右膝がヤバいらしい、数年で人工の骨をぶっこむそうだ。
車椅子か杖→数年歩ける→車椅子か杖みたいなコース?らしい。
ただまぁ『走れなくなります』と言われても、そもそも走ってない。
運動をしてないからな、散歩ぐらいしかしない。
なお、バイクには上手い事乗れるようだ。
そんなこんなで病院でゴロゴロしてたら時雨と時雨の親父さんの二人が来た。
やった!会長と時期社長が見舞いに来たぞ。
「サトル君、大丈夫か?」
「おじさん、俺、もう鉄骨怖い…俺…辞めたい」
一ミリも思って無い事を言ってみる。
試しに言って見るのだ、まずは被害者意識を持つ事が大事だ。鉄骨が落ちたのは実際、俺の責任だ。
現場監督の俺がちゃんと見てなかったからな、被害者は俺だが責任も俺だ…今更賠償とか勘弁。
更に言うと、同じ様に鉄骨喰らってる奴を見た事があるがピンピンしていた…要は運だ。そう思ってるから特にトラウマは無い。
これが高い所から落ちたりしたらあるかも知んないけど…
だが、被害者になる事で責任を逃れたい、そして辞める(笑)
「大丈夫だ、サトル君!確かに鉄骨は怖いが安心してくれ、本部長は本社勤務だ、鉄骨は無い。椅子に座り、部下に指示出し、たまに客が来るから対応して判子を押す、鉄骨は無い」
何言ってんだ、このおっさん。
「そうだよサトル君!木山デザイン社長のサトル君をヘッドハンティングだよ!準役員待遇で!業務委託で年収1400万!鉄骨は無い」
時雨、人の話聞いてた?
後、俺は時給1400円までの責任しか負えないが?
「木山デザインの社長は親父ですが?俺は、時給1400円のコルセン「何か会社譲るって、サトル君お父さんがサトル君に。一人親方だね、でも業務委託だからコルセンのSVもしても良いよ。三社掛け持ち(笑)」
「は?」「ありがとう、サトル君!これからも頼む!」
涙ながらに握手する。
ベットで寝ていて動けない九死に一生を得た男に、判断をさせずに物事を決定していく…ヤクザと同じやり口だ…
「それじゃあサトル君、役員会議で待ってるよ!」
何、その次会う時は法廷みたいなノリ…俺は1400円までしか責任を負えない男、年収1400万って時給でいくらだ…
そんな事を考えているとヒロと散華ちゃんが見舞いに来た。
タツは来てない、アイツなめやがって…とは言うまい。
「サトルしゃん、いきてて、よかったー」
「大変だったなぁ、イヴに怪我とはついて無いな…でもまぁ、この運はきっと他に回るさ」
なかなか良い事を言うヒロ…
だが、俺はヒロに確認を取りたい事がある。
「そんな事よりお前がヤバいだろ、何か化け物みたいになったりタツの穴に突っ込まれたりしてたろ?どうなってんだよ、あれ」
「何が!?」「え?」
………………………そんな強く言われてもな。
至極当然の事を聞いただけなのに圧の強い知らない振りで無かった事にされた。
「それよりサトル…ムラムラしてるだろ?雪虎さんに精力増強剤ぶっこまれてたからな…いや、俺も止めんだけど…まぁ、とにかく俺に考えがあるんだ、聞くか?」
「えぇ?」
そして無理矢理話を変える、しかもエロに…いくらなんでもそれは…
「しょ、娼館をな、開こうと思ってな…サトル、お前が良ければお客一号に…!?くぅっ!?そんな顔はやめろ!」
俺は開いた口が塞がらなかった。
確かにヒロは親戚がヤクザだ、でもヒロは違う。
タツはヤクザの媒体の建設会社の社長だが、アイツは色んな意味で反社だ、それは断言出来る。
しかしヤクザから最も遠い優しい男、それがヒロだ。
多分………………
そのヒロが完全に…資金源を…そんなに…
「ヒロ、そんなに困ってるなら金ぐらい貸す…」「違うっ!お前に気持ち良くなって貰いたいだけだ!………く、これじゃネトと一緒じゃねぇか!」
どういう意味だ…
俺は尻がきゅっとなった…
怖い…鉄骨どころじゃない恐怖だ…
「と、とにかく、俺じゃない!タツプロデュースのサトルオーク娼館だ!分かったらこの紙を見といてくれ!大体3万ぐらい!じゃあな!」
「バイバイ!サトルしゃん!またねぇ!」
「バイバーイ……………サトルオーク娼館?」
何だったんだ…そしてこの紙は…ぼやけるから眼鏡をかけて包帯ずらして見てみる…目がキツいんだから変なもん読ませないで欲しい…
【娼館S(サトル)オーク、グランドオープン】
馬鹿の気配が、プンプンする。
『タツじゃない対魔忍のプロデュースの娼館、Sオーク。SとはグレードS級、サービス、サトル、この3つのSだ。トリプルSはレア度も高い。そしてお前はオーク…今宵、対魔忍が娼館に潜入し弱点や情報を探っててくるから快楽攻撃で完落ちさせろ。なお、相手は対魔忍の格好で潜入してくるから何やっても平気だ』
そして何やらあれしろこれしろと指示が多いな、めんどくせぇから見ねぇけど…とりあえず30分黙ってれば良いんだろ?
………うーん…しかしちょっと、このイメージプレイは高度過ぎやしないか?
そういや、何か少し前に夢みたいな所でタツを煽りまくった気がする。
だとすると、身動き出来ない俺への復讐だろうか?
そもそも対魔忍とやらはわざわざエロい事してまで潜入しないで、身動き出来ない俺というオークを殺せば終わりではないのか?
そして今晩なのか?早くないか?ここは病院だが?
確かに一丁前にムラムラはしているが…もう少し我慢して普通に風俗に行きゃ良いんだが…
俺は戦々恐々としながら動画サイトで対魔忍とオークについて調べていたら、オークの造形が結構キツい…コレ、俺か…後、オークが対魔忍を迷惑がっている様な描写すらあるが…
そんなこんなで、夜はやってくる…
「病院の消灯時間過ぎて1時間後って…個室とは言え完全アウトじゃね?見つかったらどうすんの?」
何やら俺に接待してくれるのは分かった。
ただ、誰が来るんだろう…例えばネコ…寧々子ちゃんとか?彼女にはマジでトラウマがある。クソのニオイだ。
もしタツ…だったらあの夫婦とは縁を切ろう…
大穴でアカネさんとか?なんてな(笑)
俺は一番の大本命を考えないようにした。もうさ、良いだろう…別にもう、嫌いでもなんでも無いんだよ… ただちょっとこの歳になるとストーカーみたいな行為に迷惑というよりかは引くというか…………
カラララララララ………………
「はじめまして…対魔忍…いろは…いろは紅葉…です」
カツッカツッカツッ
「大丈夫、これは人形、Sサトル人形…じゃない…サトルオーク人形…面接の練習ですからね…」
病室に入ってきた【いろは】と名乗る女…
俺も目が大概悪くなっているのでぼんやりとしか見えないが、兎を模した耳が特徴的なお面…いや、覆面か。
長い髪がツインテールになっていて…さっき見た対魔忍…と、バニーさんの中間みてーな格好だな、確かに。
露出しているのは口周りだけだが…まぁ…変態タイツ女と言っても過言ではない。
「分かりました…やってみます…これは…面接の練習ですからね…失礼します…」
何か、誰かと話してんな…指示役がいるのか…ますます胡散臭い…
チュッチュ シュルシュルシュル
「これは…ペロ…凄っ!?♥これっ♥レロレロ…スゴッ♥壊れる!♥私が♥クァっ♥」
全身にキスやら何やらされ、まさになすがまま…
俺は一体、何をやらされてるんだろう。
これ程、隠されている正体が気にならなかった事は無い。
30分程経った頃、俺の顔の前でバニースーツのケツが振り子みたいに揺れているので何だかやるせない気持ちになり、思いっきりケツを叩いてみた。
30分後に動いて良いって書いてあったから。
パァンっ!『んがぁっ!?♥』パァンッ!『ンゴぁッ!?♥……が…』
どうやら口に入れたまま気絶したようだ…なんだそれ…息が出来ないのかすぐ意識を戻したが…
「んが!?ごふっ!んごふ!?フーッフーッフーッな、ななな!?これは!?どういう事ですか!?え!?あ…はい…分かりました…その方向で…」
それはこっちの台詞だし、その方向はやめろと言いたいが…素早く俺に覆いかぶさる様に四つん這いになるいろは…いや…カエ…
「私は対魔忍いろは…今日はサトルオーク様の娼館で、働くべく、面談にやってまいりました、ご奉仕させて頂きます…」
「いや、別に良い。面接結果は連絡します「分かりました、それでは挿れさせて頂きます!」
話聞けよ…とまぁそんな感じで…
情報を整理する。今、例の接待をしているのはカエデ…まぁメイプルとでも言おうか。
誰かと話しながらしている。
んで、タツのプロデュース…まぁ答えが出ている様なものだ。
「ピキャンッ!?♥しゅごっ!♥ほぉぉ!♥」
俺は別にカエデだろうがなんだろうが、別にどうでも良い。
正直、何も思わない、よくトラウマが…とか言うが今の俺には無い。
何故ならアイツとは殆ど関わらないで数年経っている。
メイプルちゃんがカエデと知っても俺はメイプルちゃんだと思って接してきた。
で、正体はカエデと言われた。
人生でアイツの締める割合が多いのは確かで、まぁ死ぬのかなと思った時にアイツの心配をしたのもそうだけど…あくまで心配だ。
アイツとやり直しとけば良かったとか、なかった。
結局の所、ただ、女とやった、それだけ…「うっ!」
とカッコつけながら俺は出した、性欲を。
カエデと敢えて言おうか。
話には聞いていた、カエデは後遺症で何か凄い事になっていると。
何だっけ?通常の何十倍とか感じるんだっけ?
望まぬ性行為は発狂するほどの苦しみ、そして好意を持った相手にはその反動で凄い敏感らしい…
「あおっ!?♥おぉホッ!♥おごっ!♥おっ♥」
まぁ何か力が入り過ぎているのか、凄い喘ぎ声、おほ声っていうのか?服が破ける音や骨がきしんだ音、舌が人間ってそんな出るんだぐらいでと思ったら猿轡が飛び出して舌を押し込んでいた。
後、俺の上で様々な液体撒き散らし過ぎ…
「し、しゃ…しゃとる♥おーく♥ちん…堕ち…」
息も絶え絶えで…何故か、三万を俺のパンツにねじ込んで去っていった。
「さ、サどルオーク様ぁ…またのご指名…お待ちしておりまぁす♥」
ズルズル…ズルズル…と這いずりながら去っていくイロハさん…
と名乗ったカエデ…お前…何がしたいんだ…面談じゃなくて俺が娼館を利用した事になっているが…
しかしもし、カエデがこれでやりなおせる、もう一回付き合えると思ってるならマジで頭対魔忍だな…
とにかく余計な事は口に出さない方が良い、こういう場での長い話はただの説教だからだ。ウザい。
俺は賢者である、つまり賢い者である。
ただし、今は口ではない所に出してしまった、問題であり賢くない者でもある。
そんな日が週2、3で…多分、カエデなのかな?他の女の人も混ざってた様な気がするが…要はデリ…なんでも無い。
ただ、何かの資金源にはなっていない。
何故なら金を置いていくからだ。
そんなデリ生活が一ヶ月程続き、俺は退院した。
あの日からヒロは来なかった、たまに散華ちゃんとお祖母ちゃんの雪虎さんが来るだけ。
そん時に雪虎さんに週一〜二からバイトする約束をした。
「悟君がウチに来てくれるなんて助かるわぁ…ほら、女の職場だから男一人いると助かるのよ〜」
雪虎さんはタツの母親らしからぬ常識人だった。
20代後半にしか見えないが40代前半らしい。
タツを生んだのが16だかで、そもそも異様に童顔だから同年代にしか見えない。
コルセンは俺の知る限りエロの社交場だ。
言い過ぎた、しかし男が少ない職場は男が有利であり、適齢期過ぎた女性からすれば飢えた虎に肉…雪虎さんも若い男に手を出してんのかな(笑)…まぁタツの親に俺が手を出す訳ないがな。
それに、適齢期前の女性に手を出すと大体メンヘラげふんげふん。
退院し、まずやる事は木村建設本社に出来た俺の部長室に行く事。
そもそも部署に部屋は無い、秘書室から話が通り、部長が確認をする、それ以外は客先の挨拶に対応する。
「部長の小山です、よろしくお願いします」
「何も出来ないですぐクビになると思いますがよろしくお願いします」
「え?」
なかなか仕事の出来そうな年上の人だ。
この人が本部長やれば良いじゃん。
何だか偉そうな部屋に入る。
良い椅子だな。これは…素晴らしい…とか思っているとノックが鳴る。
「どうぞ」
「今日から秘書をさせて頂きます、よろしくお願いします」
入って来た女を見る…馬鹿は天丼と言う言葉を知らないのかなと思った。
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