イン・ザ・セレモニー④もう、わからないんだ。君も俺も、何もかも。アイツ以外は…
※食事を済ませてから見て下さい(土下座)
「ほら!NTR耐久卿はお怒りだぞ!謝罪しろ!ちゃんと卑猥なメイプルですって名乗ってからな!オレに金言をくれる時もあるからな!失礼の無いように!」
「はい!メイプルです!私の愚行、大変申し訳ありませんでした!」
「テメー連休で止まってんじゃない!耐久卿はお怒りぞ!寄り道するな!真っ直ぐ行け!」
「はい!メイプルです!昔の私を◯したいです!許されません!」
何言ってんのか分からないタツの説教みたいなのと、メイプルちゃん…カエデが何かに向かって謝ってるのが聞こえる…
まぁ冷静に考えれば巡り巡れば俺に対する何かなのかも知れないが…ちゃんと聞こえてないし、意味はないのかも知れない。
いや、意味は無い。
腹が痛いから真面目に考えられないが…要は…やり直すかどうかだろ?
何か…カエデとメイプルちゃんだけどさ。
「逆に何でカエデってわかんないの?」みたいな空気だけどさ、全く分からないんだけどな。
「はい!それではイッてみよう!結果はぁ〜………………………アウトッ!これで終わり!お前はざまぁでサトルとはバッドエンド!それじゃ、オレはトイレに行く!」
「そんな!?いやあああああああ!!!」
馬鹿の謎宣言とアイドルの叫び声が聞こえた。
終わりか…何が?俺の事なら俺を置いて話を進めるな…
結局ただ遊んでいるだけじゃねーか…
さて、スピーチといきたい所だが、正直チョー気持ち悪い、体調的に。
バタンっ!
「ハァハァ…ハァハァハァ…さ…サトルさん…」
この期に及んで、またメイプルちゃんことカエデがまた控室に来た…今日はもうやめようや…
「明日…以降にしてもらえないだろうか?」
「明日じゃ駄目なんです…もう、アイドル辞めます…に、人間も辞めます…だから!だからぁっ!!」
メイプルちゃんが俺の胴にタックルして来た…
「今離したら!私の前からサトルさんが消えてしまう気がします!嫌なんです!もうあの時みたいな事は絶対嫌です!どんな形でも良いんです!側にいさせて下さい!」
おっぱおで、グッグッと胃を押すのをやめるんだ…
プチプチカチャカチャと、何かコスチュームの胸のボタンを取っている…
しかしメイプルちゃんがカエデか…胸も大きくなってるし…涙を流し始めたが泣き方も違うし…
「ハァハァ…あれから…言葉遣いも変えて…ほら、胸も…顔も…全ては…サトルさんの好み…かどうかわかりませんが…全ては…サトルさんの為に…サトルさんが許せないなら…愛人でも…奴隷でも…」
グッグッグッ
い、イヤ、もう無理ぃ…出る…
「だからぁ…もう一度…ざどるざん!ぼういちどぢゃんずをぐだ!?「オエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ」
ドボドボビチャチャチャチャアァァァァ……
カラーン
キイイイイイイイイイン
メイプルのアイマスクが外れた音と、耳鳴りがする…でも、とても静かで…吐いたから涙が…
メイプルちゃん…が…胸で胃を押すから…首から下で縋り付いていたメイプルちゃんの頭から顔に…今朝食ったナーンドッグ他を吐瀉した…
俺の顔を見ながらドサッと膝を着いて震える…
「あ…あぁ…や…やっぱり…だ…だ…あ…」
何か自分抱えるようにして震えている。
ゲロ浴びたのは頭と顔面だけど…
素顔のメイプルちゃん…デートの時も見たけどやっぱりカエデと顔違うな…
しかし、メイプルちゃんとはもう無いな…一番やっちゃいけないやつをやった…
嫌われたかな…でも良いや…胃の中のもの全部出して…同時に俺の中のもの…我慢してきたものや凝り固まったプライドや想い出…全部出て…ずっと思っていた分からないが全部出た…
今更…25になって初めて自覚した…
ゲロまみれのメイプルちゃんは…何となくカエデに似ていて…だけど別人だった
脳裏に浮かぶ当時のカエデ…別に特別じゃなくて、普通でも無くて、むしろ劣っていた2人だった…けど…
「あぁ…そうだ…俺、カエデが好きだったんだ…
幼少の頃から知っていて だから何でも知っていて
悪い所を見せ合って それでもやり直して
だから俺達は対等で 気を使う事もない間柄で
だから嫉妬した 悔しかった 何が悔しいって
知識でも セ◯クスでも 生き方でも 家の格も
全部劣っている事を知ったから嫉妬した
俺は、カエデなら分かってくれるって思って
きっと俺しかいないなんて夢を見て
友達とかライバルとかいないと、勝手に思っていた
お互いしかいないと勝手に思ってた
でも、そんな関係じゃなかった
それを認めるのが怖かった
だからカエデが他の男とヤッた時に
俺より先に経験していた事に嫉妬した
怒り狂って 怒り方が分からないから逃げ回って
結局何でも笑って許してくれる年上と付き合った
でも、そんなモノを引きずってるもんだから
いつまで経っても半人前で 消える訳でもなく
燃える訳でもなく 燻っているだけのゴミ
そんなもん誰だって…
だからアカネさんは先に進んだ
カエデに会ってしまった
カエデは変わっていなかった だから恋をしたんだ
もう一度 今度は間違えないって
再開した時に 独り善がりに恋をした
反省をしない猿は キーキーキーと威嚇して叫ぶ
だからカエデは俺の為に 俺はカエデの為に
尽くす事を俺は出来た筈 失敗をして教えられた筈
なのに繰り返した 裏切られたとキーキー叫ぶ
ちゃんとカエデを…自分を見ていれば変えられた
死んだと思うだけで逃げ回り 死んだと思うなら…
自分が殺した事まで認めるべきなのに
だから今日までこのザマだ
メイプルちゃんはカエデじゃない
今、分かった 廃人になったカエデを見た時
死んだと思い込んでも 尚実感が無かった
いつかあの時のカエデに会えると思っていた
本気に好きになったから もう一度会う事も
やり直すことも 好きになる事もあるかも知れない
だからまだカエデが好きだったんだ
幼く劣っている2人で紡ぐ未来 細やかな幸せを
ずっとずっと 引きずってたんだ
そんな独りよがりの濁った俺の目は
メイプルちゃんがカエデに見えない
そして知った…今、メイプルを見て
カエデはもういないって今更だけど
俺の中のカエデは…既に死んでいた」
あれ、おかしいな なんだコレ
ピアノの音が聞こえる…同級生の葛アイカ?
「何で俺は壇上にいるんだ 俺は何を言ってるんだ
何でお前ら俺を見てるんだ 俺はなんだ?
もう分からないんだ 何が良かったんだ?
何が悪かったんだ?何が?どうして?
気付けば仕事して 現場監督になって 人に偉そうに指図して 普通に金もらって ヘコヘコされて でも養う家族もいねぇ 趣味もねぇ 生き甲斐ねぇ
それでサッカー部の奴らみたいにセ◯クス上手くやれんのか?
アカネさんが望む安定した生活おくれんのか?
司とやらみたいにカエデが憧れた生活おくれんのか?
俺の小せぇち◯こが大きくなったり
金だけ持って来るクソロボットになったり
都会のお洒落な生活に馴染んだり
偉い奴らと飲み歩いて
芸能人と知り合い自慢して
こんな事やったとエリマキトカゲみてぇに威嚇して
ヤリマン サラリーマン イケおじ 死ンじまえ
幸福 平穏 未来 恋愛 希望 権力 性欲 糞が」
『ねぇちょっと?ピアノはひくけど…アンタ何言ってんの?』
うるせぇ糞が…糞が? 糞? 急激に来た便意 思い出した
俺の 魂の燃えた あの日 アイツが あそこで 待っている
「クソったれ!ウンコしてぇっ!おい!俺のやっていた音楽ハードコア!俺の肛門もうだめだっ!クソイカ!激しいやつ、頼むッ!」
『いや、何でアンタにクソイカとか言われんのよ』
「うるせぇタツに負けた公衆便所!お前は高速道路のウンコが流れない便器と同じ!破れたコンドームと同じそんな感じ!良いからピアノ弾け!」
バタァンッ!
『ザドルざんっ!おねがいだがらっ!おいでがないでぇっ!』
「聞こえねぇ!要らねぇ!知らねぇ!俺の頭はただ一つクソしてぇ!キイエェェェーッ!」
『わだじはぁ!ざとるざぁんのだべぇ!』
「やかましい!寝取られたくないなら彼女何か作らなきゃ良いだけだ!ウンコしてぇだけなら家に籠ってりゃ良いだけだ!
『待て、サトル、落ち着け、な?』
「ヒロ!お前はヒロ!広々した家でくつろぐ俺にお前はこう言った!全てを焼き付けろ!見つけろ!俺だけのチャンピオンローッ!」
【♥んっ♥ぁは♥好きぃ♥愛してるよ司♥もっと激しくッ!♥ツカサァッ♥】
「これが今を生きる過去のアイドル俺の名前サトル!つーかさ、俺ツカサじゃねぇしイカでもねぇし!」
『イヤアアアアアアアアッッッ!!!』
【ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙♥♥♥】
パンッパンッパンッパンッパン
「感謝!感謝!大親友マジ顔射!お前は妻の運転者!今夜の相手は敗北者!それはヒロで決まりだヨッシャ!そこで指くわえて黙って見とけや!
辞表出したら速攻退職、極彩色の無職の俺が、トイレの道まで刺客が並ぶ」
『サトルさん、落ち着いて!ネコです!それじゃタツウンコと同じですよ!』
「逆噴射ネコ!ウンコ列車ゴー!タツウンコと同じはお前の告白、極悪激臭最終列車!乗ったら最後逆噴射!」
『あ!駄目です!その管をお尻に刺したら私のお尻と繋がってっ!?』
ビッーーーーーーーー!
『おあああ!?♥UNKが!糞が逆流するっ!ギャアアアアアア!!!』
ドサッ
『サトル!俺だ!ネトだ!落ち着け!』
「ネト?ネコ?どっちか分かんねぇクソ!お前の妹ラブホテルでクソ漏らしのクソ歴史!黒どころか茶色の貴公子、それがお前らクソ兄妹!気持ちいい馬鹿は死◯!」
『えぇ!?俺まで!?何で?』
『ねぇ!ざどるざん!もうやべばじょ!?なんでもじまずがらぉ!』
「だからその喋り方やめろ売女の元カノRe!それは過去編で涙を誘う安易な物語!安全安心のオナホ◯ル以下のブラックホール吸い込むち◯こ!良いからどっかの誰かと誰コレ構わずアレコレやってそれからどんどこしょーっ!?バイ女以下消えろクソが!」
ドンっ!
『きゃああ!サドルさぁぁん!なんでぇ!?』
ん…気付けばトイレの前にいた。
急に冷静になれたのは、便意が引っ込んだからだ。
ここまで何やったか全然分からないが、周りの顔や様子を見ればろくなことをしてないのは分かる。
だが、辞表を出したのは何となく覚えている。
誰に出したか分からんが…
だが…俺の前のトイレ…俺はこれだけを目指してここまで来た。
25年間…俺は…いや、言い過ぎだ。
俺はまず、礼儀を尽くす。
コンコンコン
「まだですか?」
『まだです、レイドが…いや、まだウンコ出るので…』
コイツ、スマホイジってやがる…
「私も漏れそうです、一度出てくれませんか?」
『出るかバーカ、漏らせ』
ブチッ
血管が切れた
※セレモニー中にコメント欄が埋まっていきます。メイプルに説教するとメイプルがお詫びします。
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