‼︎濫用注意‼︎

@Mrkyu

第1話

始まりは見知らぬ女性モノのパンツを

見つけた時からだ。


隠れて浮気をしている事も腹立つがそれより腹が立ったことがあった。

見つけたソレは私のものより

遥かに可愛かった事だ。


ソレはワンポイントとフリルがあしらわれ、18歳の生娘が持っていそうな姿をしていた。

ガーリィで柔らかな印象を抱かせるパンツを

広げ、睨みつけながらこう思った。


「なんたってこんなに可愛いのが…」


そこから堰を切ったように女性の服やら

下着やらが日に日に発掘された。

そのどれもがことごとくが白・黒・ピンクで

彩られたガーリィファッションだった。


私という者が有りながら、なんと破廉恥な…


怒髪天を突くとは正しくこのことだが、そんな怒りの中にあってもふと思った事が2つある。


1つ、何故、物置部屋のクローゼットという

わかりやすいところに置いてあったのか

2つ、カツラが見つかったが、何に使う物なのか


これらの謎は後で本人に聞くとして、

浮気の証拠はもう一つある。


あのパンツを私の手元に置いて以降、

日に日に当の本人にも落ち着きが

無くなっていったのだ。

酷い時には何かを言いかけてやめるという事を

1日に何度か繰り返すほどであった。


「確実に怪しい…」

浮気しているのは間違いなかった。


疑い始めて一カ月たったある日、私は仕事帰りの旦那にこの事実を問いただす事にした。


「ただいまぁ〜」

「お話があります、

一緒にリビングに来てください。」

妻が怒っているがわかったらしく、

不思議そうな顔をして私の跡をついていく。


椅子に座り、食卓に対面した。

初めて見つけた下着を突きつける。


「……何これ?」

「女性モノのパンツです。」

「……君の?」

「物置になってる部屋から出てきました…」

一瞬ギクリとしたのがわかった。


間違いなくクロだ!


自供を促すために一気に畳み掛ける。

「不貞だろ‼︎」と怒りを込めて言い放った

しかし、相手も「断じて違う!」と怒鳴り返す。


「じゃあ、なんだこれは‼︎」と怒鳴る。

それにはやましい事があるらしい

「それは…そのぉ…………」と口籠る。


「しっかりとわかるように言えや‼︎」

下を向いて口をモゴモゴしながら

「……そのぉ……えっと………」


「言えねぇてんなら、問答無用で離婚だ‼︎」

と一喝する。

更にもう一押し「なんか言えや‼︎」

と怒鳴ると小さな声で呟いた



「…じょ……女装…………」

「………ハァ?…」



「だから!女装だって………」

顔が完全に真っ赤になっていた


「なにそれ…ふざけてんの?」

「ふざけてないって………本当だよ……」

事実だとしてもそうじゃないとしてもその解答は受け入れ難い。

だが、耳まで赤くなり目には涙が滲んでいる

ところを見ると本当くさい。


しかし、そんな顔をされると怒りとは違う感情が沸々と湧いてきた。

そこでもっと突っ込んでみる事にしてみた。


「本当にぃ〜⁈嘘で切り抜けようとしてなぁいぃ〜?」

「だからっ…嘘じゃないんだって…」

「じゃあぁ!その服…

本当に着れるんだよねぇ〜?」


「………えっ…」

「だからさぁ!

女装してるんなら着れるんだよねぇ⁈」

「……着ろって…こと?」

もはや半泣きで答える。


「とぉぜんよ、ただ着るだけはダメ!」

「えぇ⁈」

「しっかりと化粧まで完璧にしなさいよぉ!

じゃないと本当に女装してるのかわからないじゃない」


妻の前で本気の女装をしろと言われて、

しばらく戸惑った様子だったが、

決心がついたらしい。


「…そうすれば………信じてもらえるん……

だよね?」

「もちろん‼︎」

「………ちょっと待ってて…」


そういうと渋々自室に篭って着替え始めた。

途中で逃げられては困るので扉を挟んで話しかけ続ける。

「…いつ頃からはじめたの?女装」

「……3年…前から」

「じゃあ、結構手慣れてるんだあ…」

「………」



一体どんな姿を見せてくれるのか…

考え出すと怒りや憎しみなど消え去りそうな

気がしてきた。

いやむしろ、楽しみにしている。


「……いいよ…入って…」

扉をそっ〜と開き、覗き込んでみた。

イメージ通りの量産型美少女が立っておるでは無いか!


「…なるほどねぇ…」

しかしながら、俯き気味に顔真っ赤にして

スカート前を押さえソワソワしている姿は

最高に嗜虐心を煽る。


ここで私の怒りは完全に消え失せ、

代わりに決定的な何かにヒビが入った


「そぉやって、私に隠れて楽しんでたんだぁ」

「……」

心拍数が上がり、顔が火照り始める。


「恥ずかしがってる割にはさぁ…

なんかノリノリじゃなぁい?」

「……」

ドアから手を離し、部屋の中に入っていく。


「本当は私に見てもらいたかったから、

あそこに隠してたんでしょぉ〜?」

「……!」

少しずつにじり寄り、壁際まで追い詰める。


「このヘンタイっ‼︎」

「!…」ゾクッゾクゾクッゾクッ

私も恐らく目の前の少女も同じ感覚に襲われ、理性のタガが完全に外れた。


「そんな娘には…」

少女の首裏に手を回す、

クリッとした目が私を見つめる。


「しっかり教えてあげなくちゃなぁ‼︎」

鼻と鼻がぶつかるまで顔を近づけた。

ここまで来るともはやブレーキが効かない。


ドサッ…

……………

………………

…………………

……………………


その後の事ははっきりと思い出せない箇所が

増えているが、明確に覚えていることは2つ。


1つ目は私が筆舌に尽くし難いほど満足しきるまで暴れ倒したこと、

2つ目はそのせいで旦那に泣かれたことぐらいである……


寝室ではない場所で2人して仰向けに

倒れ込んでしまったが、後悔はない。

「疑ったりしてごめんね…」

「うぅん……いいんだ…」


一方でこんな考えが浮かんだ、

旦那には一生責任を取ってもらおう…


「……怒った後になんだけど…

 お願いしてもいい?」

「……何?」


新たな扉をこじ開けられた責任を…


「今度は女子高生の格好で

 させてもらってもいい?」

「………いいよ…」


end

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