第5話じゃじゃ馬
じゃじゃ馬
大墓場へ向かうためニッキから車を借りた
ホワイトスカート一向
その車は銃器にまみれた車だった。
「レッドスカートはこんないい車持ってんのか
羨ましいな」
カルツがベタベタと銃を触っている
「移動するための車なのになんでこんな
重武装なんだよ」
シナモンが兵士に聞く。
「ニッキ様からの頼みであります。
これだけの重武装ならあなた方は大丈夫だと」
シナモンは腹の虫が煮えくりかえる程
頭に血が上った。
一向は二人の兵士とともに大墓場へと向かう。
シナモンとカルツが前に乗りブルースは兵士に挟まれながら乗った。
全く知らない奴がいると話せないのか
車内では誰も喋らなかった。
だが、兵士は死んだ目で気まずいとも
なんとも思ってなさそうだった。
それより兵士は何故か震えていた。
そして一向は大墓場についた。
そこは鉄条網と鉄網で囲まれその中には
信者の死体がえげつない程に詰まっていた。
「うわ〜墓場一つでこんなに溜まっている
とは」
シナモンが死体の状態を調べている
ここで大墓場について詳しく説明するよ!
墓場は世界に何個も設置されている
いわば死体のゴミ捨て場だよ!
その中で大のつく墓場は教団が直接管理して
死体をリサイクルしているんだ!
(生物兵器にしたりその他もろもろ)
説明終わり!
「こんなに死体があれば、かなり好都合だ!
カルツ、網の間から煙を撒いてくれ
ニッキの言葉にビビったわけじゃないが
戦いは避けたいからな」
カルツは頷き、鉄条網の間から煙を撒いた
「この量だと3時間くらいで全員いける」
3時間か…と少しブルースはダルそうに
している。
「あ、ブルース、そのチェーンカッターで網を
切ってくれ、死体達がでてこれるように!」
ブルースは不服そうにチェーンカッターで
網を切った。
「俺は魔法使いなのになんでこんな…」
チェーンの切れた所からゾクゾクと死体が
歩いてくる。
「コイツらは歩いて基地に行ってもらうからな」
いきなり!死体の山が爆発する!
「なんだ!?急に!」
飛んでいった死体達がバタバタと地面に
落ちる音が響く
そして、爆発の中心には体中が腐敗し
返り血で真っ赤に染まった5メートルはある
真っ赤な馬がこちらを向いていた。
「結局戦うのかよ…てかデカい!
カルツ、死体に戦わせれないか?」
シナモンが断る
「ダメだ!せっかくの戦力をここで減らすわけにはいかん!」
赤馬が鉄条網に蹄を止める事なくカルツに
向かっていく。
「カルツ!いったんやめろ!来るぞ!」
カルツは赤馬が近づいているのに止める気配がない。
「ダメだ!今やめられない!守ってくれ!」
カルツが言い切る前にブルースが赤馬の前に
立ち塞がり杖を突き出す!
「潰れろぉ!」
赤馬の左目がパンっと弾け飛ぶ。
「クッソ…さすがにあれだけデカいと
威力も下がるな」
目が潰れたのに赤馬は全くたじろがない
杖を突き出すブルースに赤馬は前足で
踏み潰そうとしてくる。
「ブルース!どけ!」
シナモンがブルースを蹴飛ばし
「腸」を飛ばした!
腸が前足に絡みつき赤馬はバランスを崩す
「ブルース!もう一回いけるか?
もう片目も潰せば、こっちのもんだ!」
ブルースが杖を構える
「潰れろぉ!」赤馬のもう片目も潰れた。
急に目の前が暗くなり混乱したのか
赤馬は前に後ろにじゃじゃ馬のように
暴れる!
シナモンの腸をふりほどき赤馬は死体の山へ
突っ込む。
ブルースとシナモンは赤馬の暴走から
耐え切った。
「アイツ、なにやってんだ?」
赤馬からゴリゴリと何かを食べる音が聞こえる。
「死体を食ってやがる!やめろ!
大事な戦力が!」
シナモンは赤馬に向かって腎臓を撃つ!
赤馬の腹に穴が空きそこから体液だか
血だかがドバドバ溢れる。
赤馬が振り返る。赤馬の顔には大量の目が
生えていた。
「アイツ!死体の目を取りやがった!」
赤馬は血を撒き散らしながらまたも
向かってきた!
「完全に殺さないとダメだ!ブルース!
俺はすぐには撃てない、なんとか
くぐりぬけてくれ」
ブルースが何も言わずに杖を向ける
「インテント!」
ブルースの真上に赤馬の足が出現する!
そして赤馬の顔を蹴り散らかす!
赤馬の顔はみるみると原型をとどめなくなっていく。
「くっ」ブルースが杖を下ろす。
「さすがに魔力を使いすぎた。
これ以上は無理だ!シナモン、頼む!」
だが、シナモンの再生も終わっていない
「俺も動けない、だが、赤馬ももう動かない
だろう」
ブルースは首をふる
「アイツはまだ生きている!」
死んだと思われた赤馬はピクピクと動き出した!
そして顔から真っ二つに裂け別々にうごきだした
「ギャァァァァァ」赤馬は生物が出さない
ようなおぞましい声でシナモン達へと
向かう。
「どうする…どうするこの状況!」
ブルースもパニックになっている。
カルツも動けず、シナモンも駄目。
三人は絶対絶命だった。
その時!
けたたましいエンジン音が聞こえる。
レッドスカートの兵士達だ。
重装備の車で赤馬へ突っ込んでいく!
そして赤馬と共に爆発四散した。
「は!?なんで!?なんで自爆したんだ!」
ブルースが混乱している
シナモンは何かを悟ったようだ。
「そうゆう事かニッキ」
爆発した赤馬は今度こそ動かなくなった。
二人は爆発した兵士の残骸を集めてカルツの
元へ向かった。
「勝てましたか?」
シナモンは首を振る
「俺達は兵士に助けられた…自爆でな
多分助けてもらえなければ俺達はやられていた。
…俺たちはニッキに試されてたんだ…
アイツは多分連れてきた兵士に俺達が
ピンチになったら身を投げろと命令していたのだろう」
シナモンは悔しそうだ。
「なんて野郎だ…だが、俺は何も言えない
俺が弱いせいでこうゆう結果になっちまったんだ」
ブルースも悔しそうだ。
「まぁ、でも死体は集められたんだ。
そこだけでも結果としては良い方だ」
カルツが二人を慰める。
「あとちょっとで全員連れてける」
カルツが指から煙を出し終える
「よし!これでみんな支配できた
帰りは…歩きでいいか」
シナモンがカルツを呼び止める
「待て、赤馬も連れてかないか?」
なるほどっとカルツは赤馬も動かした。
「見れば見るほどおぞましい馬だ…」
三人は赤馬に乗ってレッドスカートの本部へ
戻る
「そういえばさ、ブルースお前、
戦ってる時に使ってた「インテント」って
なんだ?」
ブルースが杖を見せた。
「俺の魔法は相手が俺達をどう殺そうか
考えていた事をそのまま返すことができる
だが、赤馬の様な生物兵器だとそう上手く
行かない。何も考えずに殺すとしか思って
ないからな。
んで、「インテント」は相手の攻撃方法を
そのまま相手に返せるんだ
赤馬の足が出てきたのはそうゆうことだ。
確実にダメージを与えられるが魔力消費が
激しいから俺はあまり使わない」
ふーんとカルツが言う。
13キロぐらい歩いてようやく本部へ着いた。
死体の軍団と赤馬を連れて門の前で待った。
「死体は外に置いておけ、その馬もな」
ニッキの声だ。
言われた通りにそこへ死体を置いて
三人は本部の中へ入った。
門の中ではニッキと兵士達が集まっており
皆んな三人を睨んでいた。
「やっぱり、兵士は帰ってこなかったか
シナモン言っただろう慢心は良くないと」
シナモンは怒鳴る
「ふざけるな!いくらなんでも兵士を特攻
させるために用意したなんておかしいだろ!」
シナモンが訴えるが兵士もニッキもそれが
普通かのように反応する。
「いいか、俺はお前らを高くかっているんだ
ここで死んでもらうわけにはいかんのだよ
とにかくその有様じゃ戦争で戦力にも
なんにもならない。
もっと実力をつけろ」
そう言ってニッキは兵士達を連れ教会に戻っていった。
シナモンは地面を殴る
「畜生!やっぱりアイツは変わってない」
三人はニッキに用意された部屋へ戻った。
「確かにニッキの言う通り俺達は弱いのかも
知れない。パンプや猫がいればいいのにな
強くなれと言われたが何をどうすればいいん
だか」シナモンが頭を抱えている。
「シンプルな肉体強化よりシナモンは血液を
増やしたり、俺は魔力の出を良くする
カルツは…カルツは戦ったの一回だけだから
わからん!」
ブルースが案を出してくれた。
「わかってるけど、それをどうやってするか
なんだよ」
カルツが何か思いついたようだ。
「パンプに強化装備を作ってもらわないか?
前に猫に装備を作ってたって聞いたぞ」
それだっとシナモン達はニッキの元へ向かった。
「ニッキ、話があるんだが」
ニッキは何かの資料を読んでいた。
「パンプを今貸してくれないか?」
ニッキがこちらを見る。
「約束と違うぞ、戦争で勝ったらだ」
ニッキがキッパリと言い切る。
「パンプに俺達の装備を作ってもらいたいんだ」
ニッキが馬鹿にするように笑う。
「ハハっ!何言ってんだ。あの子供に
何が作れるってんだ!」
ニッキはパンプをただの子供としか思って
ない様だ。
「パンプはカボチャ帝国で兵器作りをしていた
天才だ。
俺達と行動した時もさまざまな物を作って
もらった」
ニッキはシナモンの言う事が信じられないのうだ。
「あっそ、まぁ、別に連れて帰らないなら
何日か貸してやる」
ありがとうっとシナモンは部屋から出て
パンプがいるとされる地下牢獄へ向かった。
「パンプーー!いるのかー!」
三人でパンプを探す。
「シナモンさん!?どうしてここに!」
今にも枯れそうなパンプがシナモンの声に
気づいた。
シナモンはパンプにレッドスカートとの関係を話した。
「そうだったんですか、僕を助けるために…
わかりました!装備を作りましょう!」
パンプを連れ出しニッキの元へ向かう。
「兵器を作る工場とかないか?
環境がないと作るにも作れんからな」
ニッキは渋々承諾し武器工房への許可証を
くれた。
「下手な事をするなよ」
武器工場に四人は向かった。
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