第4話レッドスカート反乱軍

力なき衆

聖母達の襲撃を逃れ、村から脱出できた

ブルース、シナモン、カルツの三人

パンプと合流するため箒で走っていた!


「パンプの居場所ってさ、本当にこの方角で

いいのかなぁ?」

ブルースが不安げにシナモンに問う

「仕方ないだろ、あいつにGPSがついてる

わけじゃあないんだから」

ブルースが何か思い出す。

「そういえばさお前、遠隔で通話か何かできる

物もってなかった?」

あっとシナモンが耳を触る

「そういえばあったな、ちょっと待て

今使ってみる」

シナモンは被り物を脱ぎ、耳を押した。

ピーピーと機械音がなり、イヤホンから

ザーザーと音がする。

「アーアー、シナモンだ。パンプ聞こえるか?」

通話に成功したが向こうからの連絡は来ない

「おい、パンプ!大丈夫か?」

ついに通話が応えた、だがそれはパンプとは

別の者だった。

「シナモン?お前シナモンか!?」

パンプとは違う渋い声がイヤホンから流れる

「その声…お前「ニッキ」か?

なんでお前がパンプの通話に出るんだよ

パンプはどうした?お前は何してる」

どうやらシナモンの知人と何故か喋ってる

らしい。

「このカボチャ頭はカボチャ帝国の重要人物だ

逃すわけないだろ。

それになんでお前、コイツと面識があるんだ?

まさか、ブルースカートに戻ったのか!?」

シナモンは面倒くさそうにため息をつく

「全部説明するから…とにかくパンプは

敵じゃない。

「亡命者」だ、だからとにかく何もするな

今からそっちへ向かう」

そう言ってシナモンは通話を切った。

「誰だったんだ?」

カルツが聞く。

「俺と同じ志を持つ友人だ。

名前は「ニッキ」、ブルースカートから逃げる時、アイツに協力してもらって逃げたんだ。

でも、方向性の違いから別々のやり方で

進む事にして、連絡だってほぼ取っていな

かった。

んで、アイツはパンプを敵と勘違いして

捕らえているらしい」

シナモンはブルースに指示した

「あと、この方角じゃなくてここから

西南へ向かってくれ。

そこにパンプはいる」

言われた通りブルースは箒を動かした。

「どこへ向かうんだ?」

シナモンが指差す。

「「レッドスカート」の本拠地だ」

カルツが驚く。

「レッドスカートって、民間最強の自警団

じゃないか!

そこの人と友人なんて…シナモン、あんた

凄いな」

ブルースが何もわからないようで首を

傾げている。

「レッドスカート?聞いた事ないな?」

カルツがまた驚く。

「知らないのか!?

レッドスカートと言えば、ブルースカートに

最も近い力を持っていて、世界を救って

くれると色んな所から支持されている

凄い集団だぞ!」

シナモンが嫌そうな顔をする

「でもやり方は気に食わない、人々を洗脳して

戦わせるなんてブルースカートと同じだ!

それにカルツ!そんな支持しない方がいい

飲み込まれるぞ」

カルツは何言ってんだと言う顔をしている。

「洗脳かどうかは知りませんけど、

まぁ、あの異常な数で増える兵士達は

少し恐ろしいですね。

てか、なんでシナモンはニッキと分かれて

しまったんだ?」

シナモンはまた嫌そうな顔をする

「アイツの目的は世界平和なんかじゃない…」

シナモンはそれ以上は聞いても教えてくれなかった。

「そういえばさ、パンプって一番最初の

メンバーだよな。

お前はどうしてパンプを入れたんだ?」

ブルースが話題を変えた。

「…あれは、俺がホワイトスカートとして

いつも通り信者を殺しまわっていた日。

血塗れで基地へ帰ろうとしたんだ、その時

何やら呻き声が聞こえたんだ。

信者の生き残りでもいたかな〜と

見に行ったら、信者達に痛めつけられている

パンプが見えたんだ。

俺は信者達を粉々にしパンプを助け

基地で治療した。

パンプはカボチャ帝国教祖の息子で帝国の

戦争から逃げてきた亡命者だと

説明してくれた。

俺は危険な戦いに子供を置かせるわけには

いかないと、レッドスカートのシェルターへ

送ろうとした。

だが、パンプはホワイトスカートで仕事

させてくれと、兵器を作って、俺に

恩を返したいとそう願った。

だから、この集団に入れたんだ」

シナモンは悔しんでるようだ。

「実際アイツには色々助けてもらったが子供は

子供だ。

やっぱり連れてくるべきじゃなかった」

ブルースが笑う

「何を今更、パンプはとっくに覚悟はできている。それに今更ついてくるなと言っても

ついてくるぜアイツは」

黙ってシナモンはうなずく

それから終始くだらない会話をし

レッドスカートの本拠地兼シェルターへ着いた。

どでかい壁に囲まれた本拠地の門の前で

三人は立ち往生した。

「本当に来ちゃったよ…」カルツがまるで現実じゃないかのように妄想めいているようだ。

「来たぞ!早く開けろ!」シナモンが門を

ガンガン蹴っている。

「うるせぇ!蹴るな!」門の上のスピーカーか

何かからニッキの声がした。

そして大きい地を削る音と共に門が開く

門の中から赤いスカートを履いた兵士達が

敬礼をしている。

「あなた方が総長殿の客人でございますね。

今ご案内いたします。」

まるで高級レストランのウエイターかの様に

ホワイトスカートはもてなされた。

歩いている途中にシェルター内の一般人に

何やら睨まれているようだった。

それが物珍しさかはたまた警戒なのかは

わからなかった。

「此処でございます」

兵士に案内されたのは、シナモンの元本拠地の教会によく似ていた。

「へぇ〜ここも予備教会を使ってるんだ」

ブルースが何か言った。

中に案内され何やらかなり豪華な部屋へ

連れてかれた。

その部屋には上座と下座にソファが置いて

あり、机を囲んでいた。

そして下座にニッキが座っていた。

「久しぶりだな…だが、仲良く話をするつもりはない、パンプを早く解放しろ」

シナモンが座っているニッキの真上が首を

曲げて言った。

「おいおい…親友にそれはないだろ、

それになんでカボチャ帝国の息子を返して

欲しいんだ?

帝国への人質の方にした方が使い勝手が

いいぜ」

ニッキは何かふざけた様子で話をする。

「アイツは俺たちの仲間だ。

それにさっき言ったようにアイツは亡命者だ

人質になんか使えるか。

人質…?お前カボチャ帝国と戦争する気か?」

ニッキは立ち上がりシナモンと正面と

向いた。

「その通りだよ…俺の力、俺の仲間達は

もうカボチャ帝国に勝てるくらい力は

ある。

あのカボチャ頭は利用する。

アイツを殺してほしくないならお前らも

戦争へ来い」

唐突な要求だった。

「協力すれば返してくれるんだな」

シナモンが顔がつくくらい睨む。

「あぁ、なんなら俺の右腕にしてやる

どうせシナモン

お前上手くいってないんだろ。

俺と組んだ方がいいって」

ニッキはシナモンの肩に手を絡ます。

シナモンはその手をはらいのける

「戦争には行ってやる、だがお前の軍には

死んでも入らん!」

ニッキがソファに座り直す。

「そうかい、そうかい…じゃあとにかく

戦争の日程を教える。

戦争は来年の八月に始める予定だ

作戦はまだ組んでる時点だ。

兵器もまだ十分とはいえないしな」

ブルースがあっけに取られたようだ。

「なんだ来年か、じゃあまだ大丈夫だな」

シナモンもソファに座る。

「戦争の前に俺たちにはやる事がある。

だから協力する前に車と何人か兵士を貸せ」

ニッキが不審な顔をする。

「まぁ、いいけど何するんだ?」

シナモンが立ち上がる

「大墓場で死体集めだ。俺の仲間カルツが

死体を操る力を持っている。

それで人手を増やそう。

死体だから特攻兵も作れる」

ニッキが深刻な顔をする

「そうゆう事か、でも大墓場はやめておけ

あそこには「赤馬」がいるぞ」

シナモンが首を傾げる

「なんだそれ?」

ニッキが説明を始める

「赤馬、大墓場を守っている生物兵器だ。

あの馬はくる奴ら全員血だるまにして

殺すから赤馬と呼ばれている。

とにかく大墓場はやめとけ、死体なんて

そこら中に転がってるだろ」

シナモンは鼻で笑う。

「お前、俺をどんだけ舐めてるんだ?

バカみたいに兵士かき集めてるおまえより

洗練されたうちの仲間や俺の実力で

そんなクソ馬、馬刺しにして食ってやるよ」

シナモン達は部屋を出た。

「赤馬か…ちょっとびびっちまうな」

シナモンがブルースを引っ叩く

「やめろ!俺たちはただでさえアイツに

見下されてるんだぞ!

ここへ赤馬とやらの首を持ってきて

さらに大量の死体の仲間を集めたら 

ニッキの奴、腰抜かすからな!」

シナモンは笑っているが二人は笑って

いなかった。

とにかくアイツが車と兵士をくれたから

それで今すぐ行くぞ!

三人は門は向かう。

門にはさっき案内してくれた兵士が待っていた。

「お待ちしておりました。この車で向かいましょう」

そこには兵器が大量取り付けられた

車があった。

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